東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

最終回!! ハツカダイコンをおいしく作りたい!(会:宮野 はるな)

2025年7月 5日 (土)

お久しぶりです。宮野はるなです。

遂に、ハツカダイコンの収穫の時期になりました。私の一か月を軽く振り返ってから本題に入りたいと思います。

先月振り返ってみると、今年に入ってから最もスポーツに打ち込んだ月だったと感じています。

私の学校では七月中旬に体育祭があり、最後の体育祭ということもあって、クラスのやる気がいつもより高まっている気がします。近くの体育館を借りて、みんなで三回ほど練習をしました。

全てが最後だと思うと寂しさもありますが、一つひとつの行事を大切にして思い出をたくさん作っていきたいと思いました!

目次

1.栽培状況 ~vs酵素~

2.収穫!

3.実食!

4.今回の栽培の反省

5.最後に

1.栽培状況 ~vs酵素~

播種32日目 気温26度(左 酵素なし  右酵素あり)

1751713728755.jpg

【酵素なし】

葉の大きさ:直径4㎝程

葉の密度:上から見たときに土と葉が半分の割合で見える。酵素ありと比べると密度が低く見える。

【酵素なし】

葉の大きさ:直径6㎝程

葉の密度:上から見たときにほぼ土は見えない。重なっている葉が多数ある。

葉の大きさ、葉の密度に大きな違いが出てきました。間引きは同じ本数を間引いたので、間引きの影響で酵素なしの密度が低くなっている、ということは考えにくいです。また、栽培環境もできることは同じにしているので、酵素肥料の効果が出たと考えました。

播種49日目 気温27度

 1751713776500.jpg

↓酵素なし
1000032235.jpg

↓酵素あり

1000032233 (3).jpg

20250705_202416.jpg

今回は、ズッキーニやプチトマトなどと一緒にマリネにしました。前回と同様シャキシャキしていておいしかったです。

しかし、酵素ありと酵素なしの違いがあまりわかりませんでした。申し訳ないです、、。

4.今回の栽培の反省

今回は酵素肥料を加えたらおいしくなるのか、成長が早くなるのか、という点について実験しました。

成長が早くなるかについては今回の一回の実験だけでは断言することはできませんが、今回だけを見ると、酵素肥料は成長を促進させる効果があると言えそうです。

しかし、おいしくなるかについては私の舌が悪いのかもしれませんが、あまり違いが感じられませんでした。今度もう一度機会があったら、糖度などを調べて、正確に値をだして比較してみたいです。

また、「おいしさ」の観点だけではなく、栄養素や抗アレルギーが期待できる野菜、病気の予防ができる野菜などなど様々な観点から野菜を調査し、よりよい野菜を作ってみたいなと思いました。

今回の栽培を振り返ってみて、前回あったようなひどい虫害や徒長に悩まされることがなく収穫できたことはとてもうれしかったです!

5.最後に

以上で私の投稿は終わりとなります。

高校生の参加は私一人でしたが、大学の先輩方からたくさん刺激をもらい、新たな形式の講義を楽しむことができました。

いつも面白いコメントを残してくださったオガタさん、渡辺教授ありがとうございました。

とても楽しかったです!

最後まで読んで下さり、ありがとうございました。

コメント

宮野さんこんにちは

 さてさて、前フリの高校生活のことですが、順調に過ごしているようで何よりです!

 記憶の方は、誰しも残念ながら薄れていくものなのですが、それでも残るものがあります。それは「情動」なんですね。つまり、「楽しかった」という情動は先々まで残り、人生において大変有効になっていきます。結果的に「前向きに生きる力」だとか「へこたれない」ということに転じていくものです。

 まあそういう難しいことはさておき、楽しいことはいいことです。

 そしてここから重要なことは、クラス会の準備ですね。卒業前に考えるのもなんですが、ここをしっかりしておかないと案外クラス会は開かれないものです。ちなみに私の高校(仙台二高)ではクラス会など一回もありませんでしたが......

 本題の植物の方は、大団円のうちに最終回を迎えられて、こちらも嬉しく思います。

 驚いたのは虫害がさほど目立たずに終わったことです。秋には虫害が多かったのですが......対処が良かったせいでしょうか。もしも虫害が多かったら酵素肥料の効果比較どころではなかったところです。

 大学での研究・実験でも、虫害のような思わぬアクシデントで失敗というのは数知れずあります。痛いのは、生物実験の場合、そんなに数多く繰り返すことができない(期間がかかる&適期がある)点ですね。まあ先の話ではありますが、大学の卒業研究などはたった一年間しかありませんので、失敗すると卒業時の発表の内容がスカスカで困ることになりかねません(そうなる人が一定数います)。

 さて今回の詳しい内容について、写真にてぱっと見ただけで酵素肥料の効果が分かります。葉の面積の違いでしょうか、おっしゃる通り土への覆い方が違いますね。

 収穫時の比較写真でも違いが分かります。酵素肥料有りの方が全体大きいですね。人間の目というのは優秀なもので、測定した数字上でいえば数%の違いであっても見分けられます。もちろん、論文的なものではきちんとした客観的な数字を出して、その上で差があるかどうか数学的な「検定」というものを行います。しかしながらこういったスクリーニング実験、パイロット実験においては見た目で分かればオッケーです。

 酵素肥料の有る無し比較でもそうですし、前回の秋作との比較において形の違いや色の違いがありますね。この原因についてあまりはっきりしたことは分かりません。品種の違いが主なのでしょうか。それとも収穫時期...... まあ一般論的に言えることは、「色の鮮やかさ」あるいは「味」において、「昼・夜の温度差」が大きな影響を及ぼします。温度差が小さければ、呼吸による栄養消費のために、あまり栄養の蓄積がなくなります。加えて植物の方でも敢えて栄養を蓄積しようと思わなくなってしまいます。これはまあ、バラやダリアの花が、真夏よりも秋深い頃で色鮮やかな花になることで分かります。

 こちらとしてもう一つ意外だったのは、栽培期間そのものが52日間の長さだったことです。ハツカダイコンは低温ではもちろんゆっくり成長しますが、そうではなく適期であったら、名前の通りに二十数日で収穫できます。今回の期間を考えれば、暑すぎたらこうなる......非常に面白い所見が蓄積されました。

 次に、実食は豪勢ですね! ハツカダイコンのマリネというかマリネ自体高級食卓な感じがします。味の比較をする料理としては味付けが強い......のですが美味しいのは良かったことです。

 総括して、酵素肥料の効果が少なくとも生育の違いに現れた、ということでになります。それが「単なる肥料要素の差」なのか、「酵素の植物への生理作用」なのか、「土壌細菌などへの効果」なのか、興味深いのですが、そういったメカニズムを考えるのは野暮というものでしょうか。現実的な生産への効果があるのなら......

 ともあれお疲れ様でした!

 この時期までの投稿といい、その内容といい、記録ずくめな記事で大変すばらしいものでした!!

IMG_0162.JPG

ラボスタッフ・オガタ