決断~再スタート~(理:伊東功平)
2025年10月21日 (火)

CONTENTS
1.近況報告 2.ダイコン再スタート 3.キャベツ耐えてます 4.ホウレンソウゆっくりですが 5.反省
1.近況報告
最近は、クマに関するニュースがとても多く恐怖を感じますね。大学近くの河川敷でも親子ずれのクマが出現するなど、他人事でないことを実感しています。 実は夏休み中に青森県の浅虫海洋研究センターというところで海洋生物学実習を行ってきました。理生では恒例行事なのですが、他学部、他学科の人にいうと毎回驚かれます。この実習では研究センターにある潮間帯で海洋生物の調査、発表をしていました。センター近くの山でクマの目撃情報があり、警察がパトロールするハプニングもありましたが、なんやかんやで7泊8日はあっという間でした。写真は実習最終日に食べたホタテのバター醤油焼きです。青森のホタテは別格です!
2.ダイコン再スタート
Day12(10/17,9:47) 気温19℃ 湿度66%![]()
これは12日目のダイコンたちです。写真の通り子葉が開かない個体や子葉の片方が枯れてしまっている個体が見られ、何より本葉の出そうな個体が一つも見当たりませんでした。枯れてしまっているのも、土は湿っていたので単純に水不足ということでもないと判断しました。このまま成長させることは難しいと考え、不甲斐ないですがまた種から育てることを決断しました。
Day13(10/18,10:10) 気温17℃ 湿度67%![]()
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これが種をまいた大根です。5号鉢には4か所に3粒ずつの種を、3.5号鉢には3か所に3粒ずつ種をまきました。気温的にも種から再スタートするのはこれっきりだと思うので土から愚直に育てていきます。
3.キャベツ耐えてます
Day11(10/16,8:07) 気温18℃ 湿度64%
Day12(10/17,9:47) 気温17℃ 湿度70%
これは11日目と12日目のキャベツです。ここで気づいたことはまだ徒長し続けていることです。実際に地面から成長点までの長さの平均を計測したところ10日目は3.30cm、11日目は3.43cm、12日目は3.68cmでした。しかしダイコンとは異なり、本葉が少しずつ出てきていることも観察できました。また子葉が重なってしまう個体も出てきたので間引きもかねて苗を低くしてさらなる深植えをしてみました。
これが間引きと深植えをしたキャベツです。間引きをした苗の根を観察するとしっかり土をつかんでいて、しっかり固定する力は残っていることが確認できました。茎を土の中に植えると、土の中の茎の部分からも根が出るそうなのでさらに土台を固めて頑丈に育ってほしいです。また、深植えをする際は成長点が地上に出るように気を付けましょう。(投稿主は途中で気づいて何とか成長点を埋めずに済みましたε-(´∀`*)ホッ)
4.ホウレンソウゆっくりですが
やっと物差しを購入し、観察らしくなってきました。物差しは小学校の時は毎日使っていたような気がしますが、気づいたら使わなくなってしまっていました。ホウレンソウは播種してから5日目にしてやっと3つ目が出ました。この日はまだ土が乾ききっていなかったので水はあげませんでした。また水をやっているときに気づいたのですが、鉢の右上の部分は土が少なく、水の通り道となってしまっており、土全体に水が行き渡っていなかったので後日土を補充しました。
5.反省
菜園を開始してから約16日経ちましたが、だいぶ水やりと観察が習慣となってきました。そろそろ視覚的な観察だけでなく定量的な観察も行っていけたらと考えています。また、水やりに関して、一回の水やりで用いる水の量をそろえることが重要だというご指摘をいただいたので、量りを使って記録していきたいと思います。![]()
最後に、日照環境についてですが、上の写真は家で最も日光が当たる場所なのですがさすがに光量が足りないような気がします。とはいっても直射日光が当たるが雨風をしのげて、自由に植木鉢を置ける場所が今のとこ見当たりません。何とか早いうちにいい場所を考えないといけません。
コメント
伊東さんこんにちは
今回の投稿で最大の驚きは「海洋生物学実習」ですね! いやまさか理学部生物でそんなに長い野外実習があるとは!! 理学部は何か深遠な理論研究をしてるという勝手なイメージを持っていたのですが、フィールドも重視していたんですね。七泊八日の実習なんて農学部の生産系学科でもやってないと思います。ということは、東北大で最長の野外実習......
もちろん、そこで身に付くことは...... 実習内容よりも、ホタテの味とかの思い出、そして仲間たちとの信頼感でしょうか。いや、本当に貴重であり、理学部もなかなか面白いカリキュラムだと思います。
はてさて、記事内容について、先ずは種蒔きからのリスタートの話です。リスタートすべきかどうかなかなか迷うところではありますが、既にやってしまったので、ここから「つまづきのない管理」でキャッチアップしましょう。
気温の低下は人間にもはっきり感じられるようになりました。この晩秋の時期、植物も動きが止まりつつあるところ、頑張ってというか頑張らせていきましょう。ただし、だいたい平均気温5℃程度までは、ゆっくりでも成長すると思います。
本当なら発芽まで暖かい室内に置き、光合成開始を見計らって屋外に置くと最もタイムロスを防げるのですが、タイミング遅れでまた徒長すると元も子もありませんので最初から屋外に置くのが安全です。
ダイコンはそんな感じですが、一方のキャベツはそのまま生育させる方を選択しました。画像を見ると明らかに胚軸が細く、徒長が見てとれます。ここで感心したのはきちんと定規で測って数値化していることです! しっかりしていますね! この講義が単なる生育日記で終わらないためには、疑問→検証→考察、という流れが必要です。この場合、徒長の疑念を測定と数値化で検証したわけです。
実際に行った対処である土寄せも画像ではきれいに見えます。まあ、手順そのものが分からないのが報告としては難点かな、と思います。というのは、単に株の周りに土を置く「増し土」は簡単かつ安全なのですが、植物そのものに力をかけて沈み込ませる作業を含む「土寄せ」はかなり難しいことなのです。正直どれほどの力をどういう方向に加えたか......植物にダメージを与えていないか......大丈夫だと思うのですが、わずか心配が残ります。今後の成長を見守っていくことになります。
最後にホウレンソウの話です。
案外と発芽が遅くなりました。そこで画像を見ると、なぜか鉢土に水の濃淡が見られます。投稿記事中にもある通り、「水の通り道」ができてしまっている関係とも思われますが......実はその可能性は少ないものです。というのも新しい土に数回水やりを行えば、勝手に空洞が潰れて「土が締まってくる」ため、あまり偏りがなくなってくるものだからです。ということは別の原因があります。最もそれらしい原因は水を与えるスピードでしょうか。土が動いて種子が浮き上がるのを恐れ、多くの受講生は恐る恐る水をあげることが多く見られます。しかし、鉢土上面と鉢縁との間、いわゆるウォータースペースをしっかり確保している以上、ざばっと大量に水を与えてもいいと思います。逆にそうしないと水が行き渡らず、植物が生育を始めて根が伸びていればいいのですが、まだそうでもない時期であれば、水不足になります。
もう一つ言うと、水を与えるタイミングは「鉢土表面がわずか乾き始めた、表現としては色が薄くパサついてきた」時になります。決して「乾ききった時=深さ数㎝も乾いた」時ではありません。この時期では。
そして水の一回量は、「鉢底から水が流れてくるのを確認するまで」が基本となります。この点、前回のコメントからきちんと応答しているのは素晴らしいことです。その上で、あまり量そのものにこだわることなく、一回量を充分に与えて下さい。というのも、土の締まり具合、温度、植物の吸収量によって変動するため、毎度本当にぴったりになるとは限らないからです。逆に一回量が多過ぎて障害が起きることはまずありません。
さあ、ラストの写真は屋外の光環境ですね。よくあるベランダの環境だと思います。仙台は決して都会ではないのですが、ベランダの前に建物があって光が差さないことの方が普通です。
う~ん、なかなか光環境は厳しいですが......栽培が不可能なほどではないかと思います。先ずは「なるべくなるべく長い時間、光の当たる場所」を探して、そのポイントに鉢を置きましょう。記事中に「雨風をしのげる」という文面がありますが、そこは重要ではありません。実際、畑の作物は雨にも当たっているわけです。困るのは「強いビル風」とか、「エアコンの室外機のからの冷風」などですね。
過去の受講生はいろいろ工夫をしています。台を作って置き場を高くするとか、反射板で光を集めるとか...... そういうことを必ずしなくてはいけない、というわけではありません。が、参考までに過去記事を見てみたらいいかと思います。
では学園祭を挟み、また投稿記事が上がるのを楽しみにお待ちします。
夜見ると怖いぞこの看板......(なのでサムネイルも小さ目に)
ラボスタッフ・オガタ

