東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

12~23日目 草を食む 間引き(法:岡崎和奏)

2025年10月28日 (火)

目次

はじめに

12日目 10/16

13日目 10/17 温湿度計落下

14日目 10/18

15日目 10/19 カブリーニ間引き①

16日目 10/20 カブリーニ間引き②

17日目 10/21 温湿度計破損 土を足す

18日目 10/22 カブリーニ間引き③ 実食 移植 ジャス間引き①

20日目 10/23 野菜の本

22日目 10/25

23日目 10/26 カブリーニ間引き④

さいごに

はじめに

サムネは今節のベガルタ仙台です。0-2から10対11で3-2のクラブ史に残る大逆転勝利でした。現地で観戦できたことを誇りに思います。

5連勝するぞ!待ってろJ1

 秋の土いじりはいいですね。涼しいし虫もいないし。今日の記事では間引きの様子をお届けします。

12日目 10/16 20:13 17℃ 80% 小雨

カブリーニが11個の芽を出しました。IMG_7839.jpeg

カブリーニは子葉が1.6cm、高さが2.5cm位。カブリーニは本葉が1枚出ています。IMG_7847.jpeg

ジャスは正直今更芽を出しても発芽が出遅れすぎてて間引く気がしますが露出していた2個の種を覆土しました。IMG_7843.jpeg

ジャスは4cm。IMG_7844.jpeg

14日目 10/18 20:12 16℃ 73% 本当にかすかな小雨

カブリーニには本葉が2枚出ている株が4株あります。怒涛の勢いで混み合ってきました。間引きの時期が着々近づいてきているのを感じます。こんなにかわいいカブリーニたちを多くても2株くらいしか残せないのはかなり残念です。IMG_7860.jpeg

カブリーニに水をやると毎回この一番大きい株が倒れてしまいます。IMG_7863.jpeg

カブリーニは本葉が2cm。ジャスの向かって左の株も本葉を2枚出しています。IMG_7859.jpeg

15日目 10/19 20:07 15℃ 71% 曇り

カブリーニのうち小さい4株にいなくなってもらいました。一番大きい株が右下で端っこにいて困ります。場所が悪いので移植を検討しています。IMG_7870.jpeg

カブリーニの本葉が3cm。IMG_7874.jpeg

ジャスはしっかり本葉が出始めています。IMG_7871.jpegIMG_7872.jpeg

ジャスの子葉が6cm。

16日目 10/20 22:11 12℃ 72% 晴れ

カブリーニの右上の株を間引きました。すべての株に本葉が2枚ずつあります。IMG_7881.jpeg

その本葉は3.5cm。IMG_7882.jpeg

ジャスも本葉が1.7cmと、大きくなってきました。また、ジャスの種がなかなか芽を出さないし今更芽を出しても遅いので捨てました。

IMG_7883.jpeg

17日目 10/21 21:50 14℃ ※84% 曇り

土を足しました。コメント見ました。日照に着目して間引きをするべきだと言うことで、昨日のカブリーニの右上の間引きは失敗だったなぁと反省しています。IMG_7897.jpeg

葉はカブリーニが4cm、ジャスが5cm。IMG_7898.jpeg

湿度計が壊れてしまいました。今後の湿度はiPhoneの表示に従います。

18日目 10/22 16:57 13℃ ※78% 曇り

間引きを真面目に考えます。

https://www.hyponex.co.jp/plantia/plantia-13216/

によれば、肥料は2回目の間引きの時、2回目の間引きは3〜4枚になった時だそうで、そろそろです。最終的には株間は10cm間隔らしいので、五号鉢では1、2株が限界かと思います。東北の冬だからそんなに成長しないだろうとも思います。IMG_7902.jpeg

ピンク、青、黄色で丸した株が間引き寸前の厳しさの中にあるかと思います。IMG_7903.jpeg

前の写真で黄色く丸した株です。大きさも出てきましたし、なんだかかわいそうなので食べます。ちょっと辛みがあっておいしいですね。カブらしいです。IMG_7904.jpeg

青く丸した株は場所移動させました。3cm弱掘りました。結構大きめに掘ったので根は多分大丈夫だと信じたいです。IMG_7905.jpeg

問題の先送りに過ぎませんが、カブリーニをばらつかせることができました。これで生育がよくなるはずです。IMG_7907.jpeg

ジャスの間引きについては、

https://sakata-tsushin.com/lesson-vegetable/detail_16/

株間6cmが目安だそうで、下の株の成長次第です。IMG_7908.jpeg

左端の小さい株は間引きました。全長5cmで透明でつやつやしていてかわいく、もやしみたいです。カブリーニとは味が違って、草の感じが口の中にフワッと広がります。七草粥みたいな味です。(春の七草にホウレンソウはおろかヒユ科すら入っていませんが)。IMG_7911.jpeg

20日目 10/23 21:09 9℃ ※81% 晴れ

図書館で『身近な野菜の奇妙な話』(森昭彦)という面白そうな本を見つけました。カブもホウレンソウもアフガン辺り原産なんですね。

ホウレンソウはアルミニウムを無毒化するためにシュウ酸をつくり、しかしシュウ酸を溜めすぎても生育が止まるためカルシウムやカリウムが必要なのだそうです。幸いまだ生育に問題は出ていないのですが、肥料を早くあげたいです。

 ジャスは結局4株しか芽が出ませんでした。IMG_7933.jpeg

カブリーニの本葉の形が変なんですよね。前の写真を見たら子葉とぶつかっちゃってたのかなと思います。IMG_7934.jpeg

いつも水をやる時、排水が追いつかないくらいをいつも経由しているのですが、よくないでしょうか?IMG_7935.jpeg

23日目 10/26 18:54 16℃ ※89% 雨

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18日目に移動させた株を食べます。IMG_8034.jpeg

間引いたカブリーニは全長9cm。6cmが葉、3cmが根。根はまだあまりカブっぽく丸くなってないですね。IMG_8036.jpeg

さいごに

今回は学祭を言い訳に少し遅くなってしまいました。今後はこういうことがないようにしますので、今回はお許しください。次回は追肥の様子をお伝えできると思います。次回の投稿は11/2(日)を目標にしようと思います。

コメント

岡崎さんこんにちは

 ベガルタはここぞという時に負けるという面白いチームで......う~ん、今年はどうなんでしょう。我が家はスタジアムの近くなので、応援の声が聞こえてきます。なかなか熱いです。まあ、浦和とか鹿島の方が熱いのかもしれませんが......

 さて、本投稿を含めコンスタントに続いていること、褒めたいですね。これは本当に難しいことであり、よほどの精神力が必要です。

 全体を通して見ると栽培は順調だと思います。特にコカブの生育が良く、これは根の肥大まで期待できそうです。間引きの程度も今のところ適切のようです。文中にもありますが、あくまで競合を避けるという意味合いでの間引きですから、見た目で判断して適宜やればよいだけです。

 他の受講生のコメントでも度々書くことなんですが、サイトの情報はあくまで参考です。従う必要は全くありません。「意義」を考え、「応用」すべきです。想像すれば分かることなんですが、コカブで株間10㎝といっても、それはたくさんのコカブが列をなしている場合であり、鉢栽培ならば絶対にそんなことはなく、具体的には「隣の株は両側ではなく片方にしかいない」状況です。ならば必然的に10㎝より密でも構わないわけです。敢えて言えば肥大したカブの根がお互いぶつからなければオッケーともいえます。

 ホウレンソウも同様であり、この二株のどちらかを間引く必要は当面(あるいは最後まで)なさそうです。

 コカブに話を戻しますと、株の移動ははなはだ難しいことで、特にカブやハクサイは途中移動を嫌う野菜です。今後の生育を見て、遅延するようなら取り去りましょう。

 間引き株は食べてみましたか。それについても褒められますね。こちらが言うまでもなく、食べてみて、その味を確認できたのはいいことです。

 追肥について、まあそろそろ時期でしょうか。最初の土は「元肥が最初から入れてある」ので施肥は今まで必要ありませんでした。栽培スタートから一ヵ月が過ぎるとぼちぼちそれが切れますから追肥の時期です。やり方等は過去記事を参考にして下さい。コカブもホウレンソウも肥料の量に敏感なタイプの野菜ですから面白いですよ。

 水やりは今まで通りで結構です。やや間隔が狭くて過湿かな、という気もしますが、一度のやり方について、一気に水を注ぐというのは正しいことです。その理由は幾つもあるのですが、「土中の空気を入れ替える」というのが最大の効果になるでしょうか。

 水の話のついでながら、ホウレンソウの発芽率が今回悪かったのは、たぶん水にしっかり接する時間がとれなかったのかな、と思います。ホウレンソウの種子の殻は硬く、吸水に時間がかかります。そして水切れの期間があると種子は発芽をストップして再休眠することがあります。まあこちらも種子を土に密着させる話をしませんでしたので、少し後悔が残ります。といっても、コカブは逆に過湿を非常に嫌うので、その二種同時にというのはなかなか難易度の高いことでした。

 それとホウレンソウのシュウ酸の話はよく調べましたね! その通りで、ホウレンソウは土壌の酸性というか、それによって溶出するアルミニウム成分(土壌鉱物には最初から豊富なアルミニウム成分が存在する)に弱く、少しでもそうやって自衛しているわけです。しかしま、植物学的にはまだまだ未知のことが多くて、例えばシュウ酸を多く作る種類とあまり作らない種類とでアルミニウムに対する反応が違うか、となると必ずしも比例はしません。

 ちなみにですが日本の土壌はたいがい酸性度が高く、それに適応した植物はもちろん酸性に強いものです。ツツジやダイコンなんかですね。逆にホウレンソウなどの地中海や中央アジア原産の野菜は酸性に弱いものです。トマトなんかの南米原産野菜はその中間でしょうか。

 次の投稿もお待ちします。

 一回の投稿の情報量が多く、これほど毎日の画像は必要ないですし、毎度コカブとホウレンソウを併記する必要もありません。1000000141.jpg

 謎味、食べてみても謎で終わった......(決して美味いとは言ってない)

ラボスタッフ・オガタ