東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

あけおめ野菜たち~ホウレンソウのしおれとスプラウト~(理:伊東功平)

2026年1月15日 (木)

CONTENTS

1.近況報告
2.ホウレンソウのしおれ対策
3.スプラウト始めました
4.終わりに

1.近況報告

 あけましておめでとうございます(あけすぎ)。帰省後バタバタしていたら久しぶりの投稿になってしまいすみません。3連休の週末はいつにも増して寒く、地元でも雪が降っていました。伊吹おろし×降雪というコラボにより仙台に匹敵するような(多分)雪に感じました。新年になって初めての投稿ですが、今年の抱負は人と人のつながりを大切にすることにしました。これから関わる人はもちろんなんですが、気づいたら連絡を取っていなかった人とも久しぶりにかかわりを持つような1年にしたいと思います。
 さて、上の写真はまたまた登場の黒猫くーちゃんです。彼女はビビりなのですが唯一興味津々なのは紙です。カサカサする音、少しざらついた肌触り、落ち着いたにおい、何がそこまで彼女を虜にするのでしょうか。写真のように落ちている紙や床に広げた新聞紙などにはすぐに乗っかてきます。

2.ホウレンソウのしおれ 現状と原因と対策

・現状
 

 ここ最近ホウレンソウのしおれが気になっていたのですがやっと対策することとしました。現状は4株中2株が根本付近からしおれてしまいまっすぐ立てない状態です。この2株は本葉が地面についてしまい、完全にしわしわになってしおれてしまったものがいくつかあります。他2株のうち1つは根本付近はまっすぐ立っているものの本葉がしおれ、重い葉の部分が地面についてしまっている状態です。根元から倒れている株の共通点といえば茎の部分が徒長してしまっていることです。

しおれてしまったホウレンソウしおれたホウレンソウ.JPG

・原因
 

 根本付近の葉がしおれてしまった原因はおそらく土が過湿であったためだと考えられます。根本付近が腐ってしまい、葉を支えられず地面についてしまい今のような状態になっていると考えられます。そして上部の葉がしおれてしまっている原因は根本付近の葉から養分を得られなくなってしまったためでしょうか。養分が得られないと細胞内の浸透圧が低下し、水分が吸い上げられず葉に張りが出ずしおれてしまうのでしょうか。上部の葉が一部しおれている株はもれなく根本付近の葉がだめになっていました。そして徒長してしまった苗は根本付近の1つまたは2つの葉がしおれてしまったことにより伸長成長が促進されたことが原因かもしれません。

・対策 

 徒長してしまった苗に関しては苗が倒れて葉が地面についてしまうことを防ぐためにつまようじと糸を用いて固定することとしました。他の苗に関しては葉が地面についたり、苗が倒れ始めたら同じように対処したいと思います。まだ新しく本葉が出てきているのでそれらが大きくなれば栄養供給も増えしおれも改善されると願っています。

しおれ対策をしたホウレンソウ
ホウレンソウ 改善.jpg

3.スプラウト始めました

 最近は気温も一気に下がり植物の動きがなくなってしまって記事に書くことがなく悩んでいたので、短期間で育つというスプラウトの栽培を始めました。スプラウトの栽培は「ブロッコリースプラウトの栽培方法|初心者でも簡単に育てられる手順とコツ」を参考にしました。初日はスプラウトを半日ほど水に浸しておきました。発芽には空気、適温、水が必要ですが水に一定時間浸すことですべての種にしっかり水を吸収させることができ、発芽を均一化できるという利点があるそうです。そして湿らせたキッチンペーパーをカップの底に敷いて種を均一にばらまき、暗室(下駄箱)に入れ光が当たらないようにしました。おそらく10日ほどで栽培できるので次の記事でその後の過程と結果を書きたいと思います。

キッチンペーパーにまいたスプラウトの種

1/14、気温14.1℃、湿度不明スプラウト.jpg

4.終わりに

 雑な処置ではありますがきっと少しでもしおれの改善になると思いたいです。
 気が付けば期末テスト習慣が始まっていました...。最終報告も先輩方の記事を参考にしてこれまでの集大成として期限内に記事にできるよう頑張ります! ではまた次の記事で会いましょう。

コメント

伊東さんこんにちは

 黒猫クーちゃん、ひねりが無いような気もしますが、うちの猫の「吾輩は猫である。名前はもう無い」より良いかもしれません。

 さて、今回は先ずスプラウトについてコメントします。

 最初に水にきっちり浸すこと、そしてスプラウトについて調査した上でキッチンペーパーなどを用意したこと、良いスタートになったと思います。

 ただ、播種密度はもっと必要だったかもしれません。具体的に言えばこの倍は欲しいところでした。後の成長した場面をイメージすると、今回の播種密度では「まっすぐ上に伸びない」、つまりお互いの株が支え合うことができないかと思います。市販のスプラウト(ブロッコリーでもカイワレでも)はけっこう密に播かれていますね。今からつぎ足すこともできないので、今回はこれで行きましょう。

 次は置き場所について「下駄箱の中」はまあまあ遮光の点ではいいかもしれません。ここはしっかり遮光が必要な場面ですから。過去記事を見ると遮光で失敗している受講生が多いものです。「エネルギーとしての光」と「情報としての光」を植物はきっちり使い分けていることを理解しないとなかなか難しいところですが......

 そして最大ポイントは「温度」になります。記事中にある14.1℃というのはスプラウト栽培にあまりに低すぎる温度です。こちらはスプラウト栽培を10月後半~11月あたりに開始する目論見でいますので、想定外の季節、想定外の温度になります。

 過去記事ではスプラウトを二回、三回やってみる受講生もいて、最後はこの季節になってしまう例もないことはありません。その場合、低温のために栽培期間が10日などではなく30日オーバーのこともあります。

 そのように期間が長くなると何が問題になるのか、一つには「栽培中にカビなどの発生」を招きやすくなることです。この対策には決定打がないのですが、こまめに水換えすることが推奨されます。もう一つは「うかつに水切れを起こす」ことで、これは定期的な観察によって防げます。最後にもう一つ、栽培期間最後まで「種子のエネルギーが保たない」こともあります。決定的に元気がなくなって枯れるより前に、やや短めでも収穫に踏み切る必要が出てくるかもしれません。

 根本的にはもう少し暖かいところに置ければいいのですが(室内とか)......住宅事情によりますね。

 さあ話はホウレンソウになります。

 爪楊枝の添え木はなかなか面白いですね。先の反射板のことといい、細かい作業が非常に上手だと思います。添え木も不器用にやると葉や茎を折ったりしがちで、これほど上手に行う例はあまり見ません。ただし、添え木は「株が揺れてダメージが来る」のを低減するためであり、根本的な萎れを改善するものではありません。

 萎れの観察で、下部の葉から萎れるのは植物として普通のことです。まあ、植物にとって最重要なのは「成長点付近」ですから、それを守るため遠い場所から割りを食うわけです。

 画像ではそれほど萎れて見えないのは、水やり直後だからでしょうか。最初の画像でもホウレンソウは「通常の低温耐性形態」に見えます。もちろん徒長はあるにせよ......

 過湿に思い至るのは良いことなのですが、本当にそうなのかは分かりません。確かに過湿になると「根がなかなか土に入っていかない」状態になります。もちろん徒長しやすくもなります。

 ただし、今回の栽培において「本当の意味での過湿」にはならないでしょう。本当の過湿というのは根が酸素を取り込めない、つまり土に水たまりができるほど水で覆い尽くされている状態です。そうなれば根は壊死して、腐敗していわゆる「根腐れ」になります。しかし今回使った鉢土は空隙が多く、水たまりになることはありません。結果的に根腐れを心配ことはないと思います。

 ちなみにですが、水田はなぜ水を張っていても根腐れを起こさないか......それは稲が「根の内部に通気管を持っている」という特殊な植物であるためです。レンコンを細く細くしたようなイメージですね。そして水田のように水を張るといろんな意味でメリットがあります。農学部の学生であればここから「土壌の還元状態」とか「不耕起直播乾田栽培」の話に持っていくのですが、理学部なので今回そんな話は割愛します。

 話は戻り、過湿でないならなぜ萎れたのか、なかなか判断が難しいところです。急な高温で蒸散が盛んになったか、あるいは逆に急な低温で根の活動が鈍ったか......まあ仙台は冬期間湿度が低い地域ですのでちょっとした理由でそうなったのかもしれません。ちなみに、松本~甲府~前橋~宇都宮~郡山~仙台は日本の中でも冬場に晴天の多い地域です。そのため温度さえ保てればイチゴなんかを育てるのには適していますね。

 そういえば、思い出すのは水やりの間隔について、週に一度との話でした。それならいっそう過湿とは思われませんね。こちらは水の過不足を「水やりの間隔」、「水やり一回量」と、「水やり直前の土の乾き」という情報で判断するのですが、全体の情報が不足しています。

 今回の話ではないのですが、受講生が「水不足」または「過湿」という報告を上げる場合、たいてい実際は逆のものです。それは植物栽培に慣れていないと「栽培上の常識」が培われませんので、仕方のないことになります。

 さあ、受講期間も残り少なくなってきました。最終報告でホウレンソウやスプラウトの実食まで至らないのは残念ですが、これまでの観察及び「反射板」・「添え木」といった素晴らしいアイデアの実践で最終報告を書き上げられると思います!

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 「吾輩はデブである。首はもう無い」

ラボスタッフ・オガタ