東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

【アウトリーチ活動】平成30年みやぎ県民大学「植物の品種改良」, 岩手県立盛岡第三高等学校・Super Research High school(SRH)(8/30, 9/2追記)

2018年8月31日 (金)

 コシヒカリの突然変異である「五百川」という品種。新聞記事を見てはじめて知ったわけですが、極早生で、短稈、耐冷性もあると。見つけたのは、福島県中通り地域の篤農家。こういうのを見ると、観察することの大事さを改めて、感じるわけです。そんな品種が収穫され、等級検査を受けたとか。。。さすがにこの夏暑かった分、高温障害のコメが混ざっているものあると。いわゆる「心白」という状態だと思うのですが。。。大崎平野で。。。ちょっと複雑な心境ですが。

20180831093551-9153cd7755c4e7e1ca4d7e569a261e6732d3dd9d.JPG 平成30年みやぎ県民大学「植物の品種改良~毎日の食卓を見る眼が変わる~」(8/30)

 昼間には、10min間で15mmくらいだったでしょうか。猛烈な雨。あのまま、1hr降り続けると、100mm/hrくらいになる雨。テレビなどで、テロップで流れるパターンなのだと。10min間で終わったので、事なきを得たわけですが。。そんな月末最後の木曜日。というか、8月も明日1日となる夕方。今年で4年目となる、みやぎ県民大学「地球にやさしいエネルギーと環境・省エネルギー技術 ~半導体・超伝導・AI・植物の品種改良~」。去年と少しメンバーが替わったこともありますが、金属材料研究所の3名の先生方とのコラボ企画。半導体、超伝導、AIという難しい話の最後が、毎年渡辺の出番。今年も50名ほどの方に参加頂きました。ありがとうございました。いつも書くことかも知れないですが、渡辺のポストが旧・農学研究所からつながるものなので、金属と農業のコラボ。農作物の栽培には、多量元素として、窒素、リン酸、カリ、カリウム、硫黄、カルシウム、マグネシウム、微量元素は、鉄、マンガン、銅、亜鉛、モリブデン、ホウ素、塩素、ケイ素だったのを、昔、植物栄養学の講義で、大平先生、前先生に教えて頂いたノートをひっくり返して、金属との関係をあらかじめ、復習しておいて。。。もちろん、玄関先の金属材料研究所の初代所長である本多光太郎先生の写真を撮るのは、忘れずに。。。

20180831093616-542cc3c9a358a8fbfcd80f1d1e591f3da2e6a0f0.JPG20180831093625-79aa8dcf6bdf13feca2e40d8fceef1a2fae3b858.JPG 前置きが長くなりましたが、講義の話は、作物の品種改良にまつわる話。全体のタイトルに「地球にやさしい環境」という言葉があることから、なんとか、それに関連させながら。植物の生殖のしくみを理解することは、品種改良にとって大事なことなのだと。また、植物には自殖、他殖というのがあるということも理解して頂きながら。他殖性を担保するしくみに、雌雄異熟、自家不和合性等があるということから、自家不和合性を使った品種改良について。また、品種改良をする目的。実際には、この目的を決めることが難しく、現場の眼力によるのだろうと思うわけですが。。。

20180831093642-0b42e100618c31950cd3862920754aa03c8feb94.JPG20180831093658-498b200c8314498bd71e36297f794ac4838afce5.JPG 自家不和合性の分子レベルの仕掛けであったり、そもそも、人間が作物として栽培化するときに大事な形質とは何なのか。そんなことも。最後は、自家不和合性を有しているバラ科果樹のちょっとしたからくりとどうやって、そんな品種を増殖するのか。去年までのスライドとは、中身を一新させたこともあって。去年も受講して頂いた方がいらっしゃるとはいえ、少し違った話になったのではないかと。。。講義が終わったあと、30min近い質問時間。色々なことをdeepに学習されている方も折られ、こちらがタジタジでした。。。もちろん、よい刺激も頂きました。最後になりましたが、こうしたアウトリーチ活動の場を提供頂きました、金属材料研究所・松岡先生をはじめ、関係の皆様にこの場を借りてお礼申し上げます。また、次年度も誘って頂ければ幸いです。ありがとうございました。

20180831093715-162bbe095538ff7bffa151e44118352eb8089c02.JPG20180831093724-34fbfcb323a45d6801ff7c664ae6039d4b415f62.JPG PS. 去年の講義にも来ていて、実験をしたけど、うまくいかない。その原因はと。。ちょっと、頭を抱えましたが、いくつかの説明はできたのではないかと。今日の夕食からの植物、野菜、果物への見方が、変化して頂ければと。。。

 PS.のPS. LEDを研究されている松岡先生。今年度で退官と。。。ということで、次年度継続のためには、まだ、誰か統括頂ける金研の先生がいらっしゃることを期待して。。なにより、heteroな組合せは、楽しいですから。。。

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 岩手県立盛岡第三高等学校・平成30年度SRH課題研究中間発表会(9/2)

 猛烈な強さの台風21号が来週の火曜、水曜日には、上陸、縦断になりそうな。。。この前の20号と同じようなルートで、強さがさらに増すというのは。。。そんな9月最初の日曜日は盛岡三のSRH(Super Research High School)。よくあるのは、SSHですが、SSHから独立して、自主財源でというのがすごいところで、今年で2年目。課題研究も昨年度より増えて、物理・化学・数学・生物から10題。生物が2題というのはちょっと意外でしたが。。。それも動物で。植物もおもしろいと思うのですが。

20180902153600-646bcde831731830b4cc04fc504af8c8a3a33b6c.JPG 実験をするときに、何より大事なことは、その時点での先達の実験を理解しておくこと。何が問題で、その上で自分たちは何を解明しようとするのか。ある意味で、これが課題研究をする上でのスタートポイントになると思いますので。また、何かモデルがある場合、そのモデルをしっかり検証すること。その上で、どの変数を改変するのか。改変することで、何が変わるのか。もちろん、実際にモデルが使えるとき、それを手に入れて実験をやってみること。意外なものも手に入ることはありますので。ニュートンがリンゴの果実が落ちるのを見て、重力に気がついたようにではないですが。。。実物を見るのは大事ですから。。。。実際の自然環境の何を見たくて、この実験系を構築しているのか、そこをきちんと考えることも大事なことですので。一方、プレゼンをするとき、どうやると見やすくなるのか。例えば、特定の部分だけを拡大表示すると言うこともあるかと。結論のところで議論をするのであれば、結果のところでは、そのdataをきちんと見せるのが大事なこと。

 発表のあとに、講評を。。。今回の発表のコメントをされた分野の異なる先生方からも。これまでの実験の歴史をきちんと振り返って表現すること、結果をどうやって数値化するのか、自然現象の変化を当たり前と思わないことなどなど。。。参考にしてみて下さい。昨年度と同様に、講評のあと、20minほどの時間、生物の実験班の2つのグループとdeepな議論。実験に関するこちらのコメントが参考になればというか、2月の発表会までの実験の参考になれば、幸いです。

20180902153647-277f2e363afcf3c51c95168409218a0846e0f1f1.JPG PS. 発表会の会場で、21COEを岩手大で行っていた頃の先生にお目にかかり。。。COEが終わってからお目にかかってなかったような。いずれ、懐かしい時間でした。ありがとうございました。また、セミナーでも行いますので、声をかけていただければ、幸いです。


 岩手県立盛岡第三高等学校・平成29年度SRH運営指導委員会(9/2)

 午後からは、2年目となるSRHがうまく展開できるように運営指導委員会。運営指導委員会というよりも意見交換会。渡辺以外にもいくつかのSSH運営指導員をされている方もおられて。。。学校側から今年度の運営状況について、概略の説明を。毎月の職員会議できちんとその月の進捗状況を確認しているとか。。。この言葉は感動ものでした。また、大半の時間の議論に使ったのは、課題研究の研究内容の設定。これは大学でも難しいことで。。。是非、5年くらいの継続をしてみてほしいと。。。あと、課題研究をすることが、進学・針路の向上につながるのか。教育的効果だと言うことを考えれば、長い目で見れば、というか、卒業後の進路調査をされることが重要なのではと。。。時間を超過したのですが、あっという間の議論、意見交換の時間でした。ありがとうございました。

 最後になりましたが、今年度から着任された中島校長先生、SRHを統括されている蒲生先生をはじめとする関係の先生方にお礼申し上げます。ありがとうございました。2月の発表会を楽しみにしておりますので。

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 わたなべしるす





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