平成28年度文部科学省科学研究費補助金 新学術領域研究

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植物新種誕生原理植物新種誕生原理

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研究経過

マメ科植物と共生する根粒菌の多様性を解明:共生の「鍵」遺伝子を水平伝播で獲得(土松班)

July 27, 2019 2:38 PM

Category:研究成果

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土松班では,マメ科植物ミヤコグサに共生する根粒菌の研究も進めています。自然環境下でマメ科植物ミヤコグサと共生する根粒菌を日本各地から単離培養しそのDNAを解析したところ,ミヤコグサは非常に多様な種類の根粒菌と共生していることが分かりました。また,これらの根粒菌は共生開始に必要な「鍵」遺伝子を遺伝子水平伝播により獲得した可能性があることがわかりました。自然環境下の植物について多数地域の共生根粒菌を網羅的に調べた研究例は世界的にも数少なく,今回見つかった多様な菌系統は,マメ科農作物の生育を促す根粒菌を作出するための重要な手がかりとなります。本研究成果は,アメリカ植物病理学会が出版する学術雑誌 Molecular Plant-Microbe Interactions 誌に掲載されました。


なお,筆頭著者の番場大さんは,8月の日本進化学会のシンポジウム「分子遺伝基盤の研究は進化生態学にどのような貢献ができるのか?」において本研究に関連する講演を行う予定です。ぜひ皆さんご参集ください!

<発表論文>
Masaru Bamba*, Seishiro Aoki, Tadashi Kajita, Hiroaki Setoguchi, Yasuyuki Watano, Shusei Sato, and Takashi Tsuchimatsu*. Exploring genetic diversity and signatures of horizontal gene transfer in nodule bacteria associated with Lotus japonicus in natural environments.
Molecular Plant-Microbe Interactions (in press)
https://apsjournals.apsnet.org/doi/10.1094/MPMI-02-19-0039-R

プレスリリース:http://www.s.chiba-u.ac.jp/pr/files/tutimatu20190726.pdf