研究経過
小胞体品質管理機構は高温下での葯の発達に重要である(西川班)
April 30, 2020 3:39 PM
Category:研究成果
main:西川班
西川班では、東北大学大学院農学研究科の山本雅也助教、京都産業大学の木村成介教授、遠藤斗志也教授との共同研究で、小胞体品質管理機構が高温下でのシロイヌナズナの葯の発達に重要であることを示しました。
タンパク質の構造は、高温をはじめとする様々なストレスの影響を受け、ストレス条件下では構造が変成した異常タンパク質が生じます。細胞内には、タンパク質の構造形成を監視し、生じる異常タンパク質を処理する品質管理機構が存在します。タンパク質の品質管理では、様々な分子シャペロンが働いています。
本論文では、小胞体品質管理で機能する小胞体分子シャペロンERdj3Bに関するシロイヌナズナ変異株が、29℃という高温条件下ではほとんど種子をつけないことを報告しました。解析の結果、これは葯の発達異常によることが示され、ERdj3Bによる小胞体品質管理が高温ストレス下での葯の発達に重要な役割をはたしていることがわかりました。
本研究成果はPlant Physiology誌に掲載されました。
<発表論文>
Yamamoto, M., Uji, S., Sugiyama, T., Sakamoto, T., Kimura, S., Endo, T., and Nishikawa, S. (2020) ERdj3B-mediated quality control maintains anther development at high temperatures. Plant Physiol. 182: 1979-1990. doi: 10.1104/pp.19.01356