研究経過
Nature PlantsにNews & Viewsを寄稿しました(高山班)
February 13, 2020 1:21 PM
Category:研究成果
main:高山班
Nature PlantsにExpanding the RNase worldと題した紹介文を寄稿しました.
多くの植物は受粉時に自他識別し、自分とは受精せず、非自己のみと結びついて子孫を残すしくみを持っています.これは種の遺伝的な多様性を保つために重要です.このしくみは自家不和合性と総称されていますが、植物は自家不和合性を実現するために多種多様な分子メカニズムを獲得してきました.なかでもS-RNase型の自家不和合性は様々な植物種が採用していますが、その進化起源はまだ十分に解明されていません.
Nature Plantsに掲載された紹介論文では、多くの重要な作物種を含むミカン科において、S-RNase型自家不和合性システムがあることが初めて報告されました.植物においてS-RNase型システムの進化起源が古いことが支持されました.植物の自他識別システムはどのように多様化して現在に至ったのか?植物の環境への適応との関係は?などさらなる進化原理の解明が待たれます.