コマツナの観察(理:福島和紀)
2016年11月17日 (木)
以前にも同じ場所を撮影しましたがすっかり様子が変わりました。
改めて時の流れを感じます。
中間発表をまとめていたこともあり、ほぼ2週間分の生長を報告することができていなかったので今回はこれについて報告します。
中間発表を書いているときに、今までの記事を振り返ってみるともう少し調べることが必要だと感じました。
また、中間発表の時にいただいたコメントで、「背景は単色にするように」とご指摘を受けましたが、最初の講義で注意を受けていたことを忘れていました。今回の記事の写真もそのことは改善されていませんが、これから写真を撮影するときに気を付けます。
二つの野菜を同時に記事にすると多くなりすぎるので、今回はコマツナのみの報告です。近いうちにキャベツについても記事にします。
まずは葉の様子から見ていきます。
・11月4日
どれもほぼ同じ時刻に撮影しています。計測がなかなか難しくデータが無いので、具体的に長さがどれくらいかを伝えることができず申し訳ないです。
計測についてもっと考えておくべきであったと反省しています。
こうした変化を観察して発見したことが2点あります。
まず一つは、葉は茎の部分で広がり、大きくなるということ。
もう一つは、葉が十分大きくなってから葉柄(葉と茎をつなぐ部分)が伸びてくるということ。
よく見てみると葉柄が伸びている葉には大きな変化が見られないが、茎と葉柄をつなぐ部分で活発な生長をしていることが分かります。
そして、葉が出てくる部分は他の葉とは重ならないような場所から出てきています。
農学部沼澤さんの記事にあったように葉の順番をみてみました。コマツナの場合どうなのだろう?と思いましたが、右回りのようです。
そして、茎の様子なのですがちょっとした問題が。
今までの写真からでも分かるのですが茎が太く、丈夫になっているところまではいいのですが・・・。
こちらは11月16日朝に撮影した写真です。
日が経つにつれて3本のうち2本のコマツナの茎が曲がっており、1本だけ真っすぐです。
しかも、曲がっている向きは真っすぐに立っているコマツナとは反対方向です。様子からして光の当たる向きとは関係がなさそうです。
配置の様子から見て窓から遠いものが真っすぐ立っているので光が十分に当たっていないということはなさそうです。むしろ光とは反対の方向に曲がっているものがあります。
この結果を少し考察してみました。
原因の一つとして考えられるのが隣どうしの葉がぶつかっていることです。
植物にも情報伝達の仕組みがあり、その中でも力学的な作用を感じる部分があります。物体どうしが触れていれば何かしらの力が働きます。
接触形態形成(Thigmomorphogenesis)と言われているものがあるそうなのですが、この観察で見られたことと何かしらの関係があるのではないかと思っています。
~番外編~
他の受講生のみなさんが色々調べて記事にまとめているようなので、自分もそれに対抗してそうしたコーナーを作ってみました。皆さんのそうした記事のおかげで自分も、なるほど、と感じるようなこともあるのでこれからの投稿の中で記事と関連させたものを調べてみようと思います。
今回は「細胞壁」について(最近講義で学んだということもあるので)。「茎が丈夫になってきた」と報告しましたがこれは何が変化しているのでしょうか?それは細胞壁です。実は細胞壁には一次細胞壁と二次細胞壁があり、それぞれ成分が少し違っています。一次細胞壁はセルロース微繊維やマトリックス多糖類を含んでおり、網状の構造を作っています。このおかげで伸長に耐えうる引っ張り強度を持ちます。一方で二次細胞壁はセルロース以外にリグニンを多く含むようになり、伸長停止後に背の高さを支えたり、圧縮強度を持つようになります。私たちの知らないところでこんなことが起こっていたのですね。こちらの記事にも詳しく書かれていました。
(参考資料:「植物生理学」講義資料)
近いうちにもう一度ブロッコリースプラウトに挑戦してみようと考えています。
次は何か違う方法でやるつもりです。
コメント
福島さんこんにちは。
学園祭の書道見ました。私も高三娘と一緒に学祭行きましたんで。福島さんの書道も見事でしたよ。
さて、コマツナの報告、その成長様式までよく観察しました。単に大きくなったではなく、どこがどういうふうにか見たのはいいことです。更に言えば、その気付いたことの検証まで考えたらいいですね。私なら葉柄に均等にいくつかマーキングをして観察するかな、と思います。
葉の出方の観察もいいです。接触形態形成のことも、「当たり前田のクラッカー」ではなく調べて確認するのも重要です。植物はさすがに子葉は枯れてますが、本葉はいずれもみずみずしくていい感じです。緑色が比較的均等でいいのですが、追肥はしたのでしょうか。
番外編で他の人たちのために知識を書いているのもいいことです。そうです、細胞壁はセルロースを繊維としてリグニンが接着している構造になっています。ちなみに、木材などを利用する際にはセルロースを使いたい(紙、ビスコース繊維、セロファンなども)のでリグニンが邪魔になります。リグニンを除去するのが面倒なことで、今、紙をつくる際にはそのために硫酸塩使用するので酸性紙と呼ばれ、数年で光が当たらなくとも茶色くポロポロになってしまうのが問題になります。
尚、細菌にも成分は違うのですが細胞壁があります。それによって細菌は分類され、使われる抗生物質が変わってきます。多くの抗生物質は細胞壁の作られるのを邪魔して殺菌作用を発揮しますから。
それでは引き続き報告お待ちしております。ラボスタッフ・オガタ