東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

豆苗の収穫(2回目)とハクサイ・ミズナの間引き(農:平澤花織)

2017年10月29日 (日)

こんにちは、農学部の平澤です。こたつの中から4回目の記事の更新をしていきたいと思います。


まずは豆苗から。

2017/10/28 室温20℃ 天気:曇り

20171029160404-cdaee235c315e1a9f049894ead872609561c9da3.JPG前回の記事で渡辺先生に頂いたコメントを読み、スーパーで豆苗を買ってきました。お値段たったの108円。108円で2、3回も収穫して食べられるのですからコストパフォーマンスがいい野菜ですね。

比較観察して気づいたことは、育てている豆苗と買ってきた豆苗ではエンドウの品種が違うのではないかということです。根拠は種皮の色・模様が違うことです。

20171029162359-7ce3ffb738ae6a57ff97aed490efbc7aa6dc681d.jpg左が買ってきた豆苗(以下A)、右が育てている豆苗(以下B)です。Aは種皮の模様が濃い黄土色と薄い黄土色のまだら模様です。Bは黄土色というよりはベージュで模様は入っていません。また、Aは種子の大きさが直径10mm程度ですが、Bは直径7,8mm程度です。

20171029163753-5828783b1e499ce08300c110c29811ec207c4dc1.JPG他にも葉の大きさが違います。写真で丸く囲ってある部分の手前側の葉の大きさを測りました。Aは葉の付け根から先端までの長さが1.6mm程度、1番大きいところで幅が8mmです。Bは葉の付け根から先端までの長さが1.2mm程度、1番大きいところで幅が1.1 mm程度です。

20171029163330-b990be5069148898f69afaac7f61dacb740fa2f8.JPG茎の太さは1番太いところでAが2mm程度、Bが1.5mm程度です。

Aは徒長してもより茎が太く丈夫な豆苗に育つ品種なのではないでしょうか。買ってきた豆苗を栽培しているサラダコスモのサイトを見る限り、化学肥料は使っていないようです。温度や日照管理はさすがに工場の方が良好でしょうが。

A、B共に前回同様、和風だしとめんつゆで炒めて食べました。食レポをしますと、味や風味はAとBに大きな差はないように感じられました。鼻腔に抜ける豆の香りが最高ですね。食感は茎が太いAの方がよりシャキシャキしていましたが。お酒を買い忘れたのを後悔したのはここだけの話。(平澤は成人しています。念のため...)

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Bについても、A同様に育てていくつもりです。


次にハクサイとミズナについてです。

2017/10/28 最低気温:11.5℃ 最高気温:16.7℃ (参考:気象庁) 天気:曇り

20171029170112-04b53bb9ebfd61b7b4a20448d7d49ffc73f842fa.jpg左がハクサイ、右がミズナです。写真を撮った後水やりしました。私は1週間に1度を目安に、指を土に挿してみて完全に乾いていたら鉢の底から水が出るまでたっぷり水をあげています。1週間に1度というのは、つい数日前まで農学部のサークル用に育てていたブロッコリーの苗の土が乾く間隔がそのくらいだったからです。

2017/10/29 気温:13.9℃(15時、参考:気象庁) 天気:雨

20171029172136-519f6bc11638b2a1d1e42154ba8ec5ff73a0853a.jpg左がハクサイ、右がミズナです。どちらも全ての株で3,4枚目の本葉が出ていました。1,2枚目の本葉の葉の付け根から先端までの長さ(写真のように測りました)はハクサイ2.0-2.5cmミズナ4.0-4.5cm。葉の幅は1番大きいところでハクサイ1.3cm程ミズナ1.0cm程でした。計測をした後...

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間引きをしました。同じく左がハクサイ、右がミズナです。その後ミズナの根元にさらに土を寄せ、押さえつけてより安定させました。

20171029173209-f282afff4275ea2ee382f7a1e837f912bdc22618.JPG引き抜いた株を観察しました。

20171029173444-23ca2697d83f2acf216248cae03f73d3d5d5ce5c.JPG根の長さはハクサイ2.8cmミズナ1.5cmでした。ミズナの引き抜き方が悪かったのでしょうか。ミズナの根が少々短いようで心配です。

間引いた株を洗って生で食べてみると、ミズナは青臭く、ハクサイは臭みは少ないものの多少えぐみがありました。以前、青葉山の畑のミズナをまくり菜として収穫した際(2回目の記事参照)、その場で食べた友人はこの臭みをトマトのようだと話していましたが、まさにそのような感じです。1株ずつ食べて懲りたので、残りは味噌汁に浮かべて食べました。臭みやえぐみが味噌と出汁で緩和されて、シャキシャキとした食感を楽しむことができました。

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思い立ってあれこれやってみた結果、報告することが多くなってしまいました。今回の更新はこの辺りにしておこうと思います。

引き続き、栽培・観察に励みたいと思います。

コメント

農学部・平澤さん

 おはようございます。遺伝の渡辺でございます。講義がなければ、豆苗を食べることはなかったのではないでしょうか。かなりコスパのよい野菜だと思います。これからもご愛顧下さい。マメの品種に違いを見つけたのは、とてもniceです。大量栽培に向いている品種、個人ベースで栽培することに向いている品種。そんなことではないかと思います。葉っぱの大きさは、栽培条件で違ってくると思います。ゲノムが持っている情報が環境や管理方法によって大きく影響を受けるというのは、皆さんに渡した種子からの栽培を見ても分かるとおりだと思います。ゲノムが持っている可塑性という言い方をします。食レポにある、香り、食感、など、五感を活かすこと。大事ですから。観察における基本ですので。次に収穫したら、葉っぱ、茎をさわって、触覚でというのはどうでしょうか。

 ハクサイ、ミズナとも、水管理、日照管理もよくできているのだと思います。何より、葉っぱの大きさ、色など、何れもよいですから。土寄せと押さえで、かなり安定感がありますね。少しずつ寒くなりますが、直射日光にあてながら、栽培を続けて下さい。水管理の良さは、根っこの長さにでていると思います。そこまで水を求めて、根っこが努力していますので。生で食べるよりは、味噌汁に浮かべるという戦略は苦み、えぐみを下げますね。もう少しで月も変わります。これくらいの状況です。生長も。よい感じに。なので、こんしゅうあたり、植物体から離して、数粒の肥料を上げるのも、これくらいであればよいかと思います。やってみて下さい。


 わたなべしるす