東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

コマツナの間引き芽をいただきました(教:井上千晴)

2017年11月 4日 (土)

こんにちは。井上です。

寒いのもそのはず、私の地元山形蔵王では初雪が確認されました。最近はひたすら生姜湯を飲んでいます。

種を蒔いてからほぼ1カ月が経ちました。成長し続けているコマツナとミニハクサイの様子をご報告いたします。


11月2日(木)

渡辺先生の研究室にお邪魔して土と肥料を追加でいただきました。コマツナの鉢に土を足すためと、ミニハクサイの間引きの際に移植に挑戦してみるためです。鉢植えいっぱいにいただきました。ありがとうございます。これからも試行錯誤を重ねながら取り組んでいきます。

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こちらは10月31日(火)19℃のコマツナです。20171104171836-dfbcfc12ca8a1a56520271a1c1cc5724d98d676c.jpg葉と葉が重なり、お互いに成長を阻害しています。コマツナは茎が細いので、倒れてしまったものもあります。葉の形がいいものと、丈と葉が大きなものの2本を選びました。心を鬼にして、他の芽は根元からハサミで切ります。引っこぬいてしまうと、残る2本の根を傷つけてしまう恐れがあります。特にこの3.5号鉢には6本の芽が共生しているので、根が絡まっている可能性は大いにあります。間引きを行い、残る2本に後の力を託します。これまで私に新しい発見を沢山もたらしてくれました。ありがとう。

これは、間引きした4本の芽です。倒れてしまったとはいえ、よくここまで成長してくれました。大きいもので丈3cm、葉は6枚付いたものもあります。全てが光合成のために上の面に平行に葉が出ていました。

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もう少し詳しく観察します。

上の写真で一番左の大きな芽を一枚ずつ分けてみます。

20171104194455-6ec2fab4801429c812881b573c5d079370440244.jpg【子葉/子葉/本葉(2番目に出てきた)/本葉(1番目)/5枚目の葉/茎と6枚目の葉】※左から写真の順番通り

子葉は表と裏で触感と色が違います。裏の方がつるつるの触感で薄い緑色をしています。本葉も出てきた順番で大きさが異なります。葉の表面では、葉脈がはっきり確認できます。茎の先には6番目の次の葉が顔を出していました。茎の先から次々と芽が出てくる仕組みですね。この時点でコマツナの香りを確認しました。


こちらが間引きした後の鉢です。これからはこの2本をこれまでの6本分の注意力で見ていかなければならないと思います。

20171104171915-cc69b1108c533ef067eff6e04f85537d02e893ef.jpg土も追加しました。土から鉢の上面まで2.8cm程土が減っていましたが、土を足した後に1.0cmになりました。茎の周りを取り囲むように土を均しました。

この写真は水やり後ですが、今回はいつも水やりに使っているものを紹介します。

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はい、ガチャポンの容器です。身の周りにあるもので何か穴の開いたものはないかと探して思いついたものです。やはり、ペットボトルからの水やりだと口が大きいので水圧が強くて芽が倒れてしまうのです。ペットボトルから水を注いで、ガチャポンの容器の小さな穴からの水やりを行っています。じょうろを買わないという貧乏くさい発想だったのですが、水のかかり具合がちょうどよく、自分のひらめきに満足しています。


11月4日(土)

間引きしたコマツナの芽を、卵のサンドイッチをつくって一緒にいただきました。20171104171955-4092438b3efb0e797ac24c22a963d54bfa418f06.jpg始めは、生でいただきました。コマツナの味です!しっかりとコマツナの味がしました。ほんのりとした香りもあり、これこそ「無農薬栽培」による野菜です。シャキシャキとした食感も感じることもできて、「自分でつくったもの」という感動を味わいました。緑の葉がサンドイッチに彩を足し、見た目も満足です。ごちそうさまでした。


今回はコマツナが主役でしたが、ミニハクサイ(10月29日(日)撮影)にも少しふれておきます。

20171101000828-0f1711dc162146fdf8a8fa42c6dc7519eaaf0694.jpg芽は3cm、茎は2mm程まで成長しました。本葉をよく観察してみると、毛が生えているのがわかります。子葉はつるつるしているのに、全ての本葉に毛が生えています。害虫から身を守ることや、蒸発を防ぐことが毛がある理由だと思っていましたが、調べてみるとそれだけに留まりません。自分の身を自分で守り、あまり好ましくない環境下でも養分を無駄にせず、効率よく成長していく仕組みを持ち合わせていることを学びました。

20171101000909-1b9229944554368c88b27b1d9b217f01c5335e37.jpgこちらは横から見たコマツナ(10月27日撮影)ですが、葉の角度の違いにより、葉と葉が重ならないようになっています。子葉は本葉が出てくるのを待つように、その分岐を大きくしているように見えます。これも植物が限られた条件下(固定された場所)で効率よく成長するための知恵と言えると思います。


11月4日(土)は満月だそうです。昨日もきれいな月が見えましたね。学祭もあと一日です。委員の皆さん、お疲れ様でした!楽しかったです。

それでは、また。失礼します。

コメント

教育学部・井上さん

 こんばんは、遺伝の渡辺でございます。最初の写真が季節感を感じさせるものでよいですね。このところ、出張などでこの週末はゆっくりでしたが、片平キャンパスでは、確実に紅葉が進んでいますね。コマツナの栽培を通じて、これまでの観察で色々なことを学んだというのは、この企画をした方としてはうれしいですね。さらに、間引きをしたものを並べて写真だけでなくて、色々と計測しているのは、niceです。すでに食べてしまっているので、もし、同じことをするとき、もっと色々な長さを測ってみては、どうでしょうか。葉っぱの長さだけでなくて、横幅とか、茎から葉っぱの付け根の葉柄といいますが、その部分の長さなど、はかれると思うところは、はかって、個体間差で比較する。おもしろいと思いますよ。その写真の下にあるように、子葉の大きさも2つで違いますよね。その違いがどれくらいなのか、計算してみるとか。これから同じように、間引きをするとき、考えて見るようにしてみて下さい。

 水やりをすると、なかなか、難しいですよね。強くかけると、根っこが見えてします。それをジョウロをgetしないで、身の回りのもので代用すること。これもこのゼミで学んでほしいことです。コマツナの食レポもおいしそうですね。自分で作ったものの大切さを実感しながら、食べたというのも、よいことを学んでもらっていると思います。コマツナ、ミニハクサイとも、外での栽培でしっかり育ってて下さい。あと、水管理はできているようなので、植物体から少し離れたところに、5~7粒程度の肥料を足すことですね。これからは、子葉の緑が落ちないように、施肥というのも大事なことになります。


 わたなべしるす