東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

7*不思議&矛盾ニンジン&スプラウト2nd(農:岡田和花)

2017年11月19日 (日)

 昨日18日朝、いつものように鉢の観察をしていると、初めて雑草が生えていました。前の日まではなかったので夜のうちに生えたのだと思います。小さすぎて何の種類かはわかりませんでしたが繁殖力すごいなぁ...。(駆除しました。)



 さて、まずは茎ブロッコリーから。
 11月18日 昼 曇り 気温12℃

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 子葉より上の部分で茎が太くなってきています。風にあおられると子葉の下の茎が折れてしまいそうで恐ろしかったのでまた少し土寄せをしました。
 なんかほぼ毎週土寄せしてるなぁ...。たぶん土をかけた後で上から抑えるときにびびってきちんと押さえてないから、水やりをしたり風が吹いたりしただけでかけた土が持ってかれているんだろうなぁ...と、思ったので今回はゆっくり、優しく、かつ少しだけしっかり押さえました。次回から土寄せしなくていいようになりたい...。

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 茎ブロッコリー、順調に本葉三枚目が出て、四枚目が見えています。というか四枚目も出てるといっていいのではないでしょうか。今週なんでこんな写真撮ってなかったんだ...。(というかスケール入れ忘れ写真が多い...。)写真は先ほど、19日夜のものです。鉢は夜間猫対策で室内です。暖房付け始めたら室内に入れるのもかわいそうだし、土を乾かしすぎない作戦でやっていたのですがそろそろ対策グッズを作ります。 

あと、最近、茎ブロッコリーの3枚目の本葉はすべて日光が多く当たるような向きで出ていることに気が付きました。図で表すとこんな感じです。↓(茎ブロッコリーを上から見た時の葉の出方の模式図)

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 黄緑色のが子葉を表していて、緑色のが本葉を表します。
 子葉は二枚同時に出て、1枚目の本葉は上から見て子葉とほぼ直交して出ました。2枚目の本葉は1枚目の本葉と向かい合うように出て、3枚目は上から見て子葉と同じ方向に(1,2枚目の本葉と直交するように)出ましたが、今回育てている茎ブロッコリーではすべて光源の反対側の葉(葉の向軸側に光が当たりやすい方の葉)から本葉が出ました。

 うーんなんとも文章で書きにくいのですが...。

 簡単に言うと「茎ブロッコリーの3枚目の本葉は1,2枚目の本葉の出る方向にかかわらず葉がより多くの光を受け取れるような方向にでた。」ということです。たまたま?なのでしょうか。

 種のできた時から運命的に「最初はこっち!次はこっち側の本葉を出す!」と決められているのか、日光の当たり具合によって植物ホルモンの濃度勾配ができてこっちの葉の形成が促進されて...みたいなのか。後者が原因ならおそらく今後も奇数枚目の本葉は日に当たる側から出てくると考えられます。この部分に少し注目してこれからは観察していきたいです。

 そう考えると葉が上から見てなるべく重ならないように(今回だとほぼ直交に)出てくるのも不思議ですよね。日光をより効率よく多くの葉に当てるためっていうのはわかるのですが、どのようなメカニズムで起こっているかは考えたことなかったし知らないです。何によって決定されてるんだろう...。



 もやもやしたところでミニニンジンの報告に移ります。

 ミニニンジンなぁ...。前回の葉の様子がおかしいやつについて、モザイク病かもというコメントをいただきました。そこでモザイク病について調べてみた のですが、これなような違うようなこれなような...。

 改めて写真を撮ったのですが、前回よりはピント大丈夫でしょうか。
 11月18日 昼 曇り 気温12℃

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 モザイク病だとすると、これはウイルスが原因なので伝染することもある、とのことで、もったいないですが間引いてしまおうと思っていたのですが、なんと、二枚目の本葉の形が一番初めにしっかり見えてきたのがこのモザイク患者(仮)なんです。上の写真に二枚目の本葉も写っています...。

 きちんと成長してくれて収穫できるのならこのままでもいいかなぁと思っているのですが...。
 ただやはりこの異常のある葉は、他の株の葉よりも小さく、19日時点で元気な二株のミニニンジンの一枚目の本葉の大きさが15mm×13mmほどなのに対しこいつの葉の大きさはいまだに10mm×7mmほどです。(大きさは葉の縦横の最長部分を計測しました。)
 このまま弱っていく一方なら感染防止のためにも間引くのですが、いかんせん元気そうな二枚目の本葉の様子を見るとなぁ...。お前は健康なのか不健康なのかどっちだよ。


 さて、最後にスプラウト第二弾開始のご報告です。今日(11月19日)始めました。

 前回

・遮光の徹底不足でかなりスプラウトが曲がって成長した。
・計測の工夫不足で何かを比較して観察ということができていない。
・枯らした。 (しおれさせた)

という反省を生かして、今回も密度による生育の違いを見ていこうと思います。

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 使用する容器は前回と同じものを。中にキッチンペーパーを敷くのも前回と同じなのですが、今回はそのキッチンペーパーの量を二倍にして保水力を上げました。いや、こまめに水分確認すればいいんですけどね。保険として保水力upを...。

 それから蒔く数ですが、こちらは「20粒をほぼ等間隔に容器に広々と蒔く」ものを密度小とし、「20粒を容器の中心に密集させて蒔く」ものを密度大としました。なぜここを変更したかというと、単純に収穫して食べるときにこのくらいの量でちょうどいいなぁと前回思ったからです...。
 密度大も小も、種の場所を大きく変えてしまうと条件がかわってしまうので、水やりの時に種が移動しないように注意したいと思います。

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 また、遮光について、今回は床下ではなく室内で、段ボール箱をかぶせて育てることにしました。もちろん段ボール箱に空いていた光が漏れる穴はあらかじめテープ類でふさいで、漏れがないようにしました。

 あとは日々の観察、計測を怠らないことだけ...。


 今回写真少ないですね。あと細かい観察をする時間が生活の中で取れていないように感じます。ううん...。怠惰はよくない。
六回目の更新はこのくらいで...。

コメント

農学部・岡田さん

 こんばんは、遺伝の渡辺でございます。小さな雑草の芽をよく観察しています。また、速攻での除草、管理の鉄則です。すばらしいです。

 ブロッコリーの生長パターンとして、茎は根元の方が少し細いというのは、見かけますね。茎ブロッコリーも同じようなものかと。2枚目の写真は、茎も隠れていてよい感じですね。あとは、水やりの時、ゆっくりやるとか。もちろん、水やりのコツの一度にたくさんあげて、しばらくは上げないことを大事にして下さい。そのコツをつかんでいるので、この生育になっていると思います。あとは、10日おきくらいで、施肥をしてみて下さい。葉っぱの緑も濃くなり、よいと思います。

 葉っぱが出てくるタイミングというか、順序を「葉序」といいます。その時に、子葉は数に数えません。なぜかというと、子葉は種子の中ですでに準備されています。それに対して、本葉は発芽後にできると考えられています。なので、子葉を除いて、これから考えて観察してみて下さい。実は、今日、兵庫県立豊岡高等学校のSSHで研究室見学があり、茎ブロッコリーと同じ、Brassica oleraceaであるキャベツの葉っぱの出てくる方向性を市販のキャベツで調べてみました。これは、できたのものを調べたわけですが、これからでる順番を見るのは、それとして、おもしろいことですから。これからが葉数が増えるので。

 ニンジンは、何でしょうかね。モザイクでない可能性もありますね。次の葉っぱが普通ですね。このまま大事に育ってみて下さい。たぶん、健康だと思いますよ。スプラウト、播種のパターンを見て、とても細やかなことができる方なのだなと感動です。広げたとき、種子と種子の間隔がほぼ一定。というか、ほぼ、正三角形。こうしたら、それぞれの個体から影響があっても、それを相殺できますね。実験計画法というのがあり、そのためは、大事なことです。これからの毎日の観察が楽しみですね。これらをまとめて、中間報告を楽しみにしておりますので。


 わたなべしるす