東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

意地でも維持しよう(教:井上千晴)

2017年12月13日 (水)

こんにちは。井上です。...ますます寒い。

雪が降っている朝は、しんと静まり返っています。雪の気配で目を覚ましたのは雪国育ちだからでしょうか。音なく降る雪を見て、本格的な冬を感じました。しかし、12月12日の最高気温は3℃、外に出たらそんな呑気なことは言っていられませんでした。

今回もミニハクサイとコマツナの生長の様子をご報告します。


12月12日(火)14℃(室内)

コマツナの間引きから38日目、ミニハクサイの移植からちょうど一か月目です。

11月15日(水)撮影

20171213000143-9bbc02ebb5da92d3a21d45e85d4b44bb9005bb55.jpg12月12日(火)撮影

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一目みただけでもその生長は明らかだと思います。鉢の位置を考えて写真を撮るべきだったと反省です。葉は植木鉢をはみ出すほどに水平方向に広がっています。枚数も増え、ずいぶん大きくなりました。葉に触れてみると後から生えてきたものほどチクチクしています。葉の裏側、輪郭に白い毛が多くあるためです。

20171213002050-7566eb55fe8e8bcb12875b0c6fd5ae79c8ff44d9.jpgまた、ミニハクサイの中央部の葉が「立ち」始めたことに平澤さんの記事をみて気が付きました。彼女のミニハクサイの葉ほど、丸みを帯びて結球が始まったわけではありませんが、全ての株で葉が変化を見せています。このまま結球してくれればと思いますが、大きさがもう少しないと難しいかもしれません。追肥を忘れずに行います。

20171213002220-641187df787823e8f84c5be4fe56d7751370f4bf.jpg一枚の葉が、欠けてしまいました。ベランダに置いていたので虫かと思います。虫が寄り付くほどおいしくなっているのでしょうか...!他の方のを参考にしながら、しばらく様子を見て状況が悪化したら対策を考えようかと思います。

20171213002454-4f2efa30baf0e81bdb7cce679163eb3f662bd2c9.jpg株全体の大きさは14cmです。まだ私の掌の方が大きいです。葉一枚になると横4cm、葉先から葉元まで7.2cmあります。ミニハクサイの葉は、葉元からの半分程まで「芯」と呼ばれる白く太い葉脈の集合が来ています。この部分は「白」菜と呼ばれる由来にもなる通り、これから大きく伸びていきます。きめ細やかな葉脈は表でも多く観察できますが、裏は立体的なので手ざわりでもわかります。

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つづいてはコマツナです。

20171213002704-3925d3cc6f8fc1c629dd1eb5088a5059bc465244.jpg葉の色、艶とともに健康的だと思います。一枚の葉は縦に7.3cm、茎元から葉先までの丈は12.5cm(茎のみ7cm)あります。地面からの角度は大きく、中央部分の葉はほぼ垂直になりました。20171213002823-df93e1093d7d38964b4b6492739d8a2502969489.jpg

20171213002853-d242179ba8107814f322f19f325392a23e2d0195.jpgコマツナの茎元には4枚目までの葉が地面に横たわっています。その後の葉が垂直に立っているため、養分をどこに使うかという分配が一株の中で上手く行われていることを実感しました。生長のメカニズムには驚くべきところが多くあります。


最後に、ミニハクサイの水耕栽培の様子です。

20171213003008-cc6f321ca28e035510f5ec7a0e25bead5f096d99.jpg一枚の葉の大きさは4.5cm(6日前より+1.0cm)です。こちらも葉の表面に毛の存在を確認できます。

20171213221724-d531fda5120da054232f8fa12d104ee1417d73bc.jpg根を水から上げて見てみると、移植後から大きく伸びたことが確認できます。先端部分にしか有効な根毛がないということで、そこまでしか水に浸さなくてよいことを教えていただき、なるほどと思いました。理科の時間でタマネギの根の先端部分を顕微鏡で観察しますね。確かに、細胞分裂は先端の方で盛んに行われます。これからは根の先端が痛んでいないか、注意深く見ていきます。水から離した根の部分は短く、縮みました。

20171213013549-2f084fdfe6bc3e0c67fbdc3db18c1455f33f2af4.jpgまた、ミニハクサイを簡略化してその比率に着目しました。葉、茎、茎に根が生えた部分、根、と区別することが出来ます。全体を見ると根の比率が大きく、土で育つミニハクサイも大きく根を張っていると思います。

年末は、12月27日から1月3日まで家を空けることになりました。水を多めにやるつもりですが、ベランダに置くべきか、室内に置くべきか、情報を集めている途中です。私のベランダは南向きですが、大きな木と周りの建物に遮られて日照時間はそこまで多くはありません。窓際においても、天気が良ければ太陽の光が入ってきます。一週間となると、かなり心配です。


ゆきやこんこ、あられやこんこ、ふってはふってはずんずんつもる。山も野原もわたぼうしかぶり、枯れ木のこらず花がさく。

意味を知らないままに、コトバを連ねていた歌を、大人になってからより深く味わうことができることは興味深いです。「ゆきの花」という素敵な感性を持つ大人になりたいです。

それでは、また。失礼します。

コメント

文学部・井上さん

 おはようございます、遺伝の渡辺でございます。コマツナ、ミニハクサイ、1ヶ月前の写真と並べてみるというのは、よい作戦ですね。生長の跡がよくわかります。緑色もよい感じなので、施肥、水やりなど、しっかりできているのだと思います。中央の葉っぱは、個体間差はありますが、葉っぱが立ち始めているので、結球しているのだと思います。施肥を忘れずに。窒素肥料が少なくなると、花が咲く方向に行ってしまって、結球しにくくなりますので。それから、葉っぱの破れは、虫ではなくて、生長の過程で、ちょっとしたキズで破れが広がったのではないかと。

 なにより、ハクサイの葉っぱの絵を自分で書いてみて、大きさを入れているのはよいことです。計るだけでなく、書いてみることで、実感が湧きますので。水耕栽培の方も同じように絵を描いてみて、それぞれの位置関係を理解しているのもniceです。是非、こんな風に継続してみて下さい。あと、コマツナは、葉っぱが立ち、すっかり、コマツナの形ですね。後は、十分に施肥を続けて、講義が終了する頃には、収穫できるのではと思います。そうそう、冬休み中ですね。天気予報を見てになるかも知れないですが、外での管理でしょうね。その方が気温が低く、その分、蒸散量も低くなるので、外で、少し影ができやすいところに置いておくという戦略はいかがでしょうか。検討してみて下さい。あと、細かなことは、ラボスタッフのオガタくんがコメントしてくれると思いますので。


 わたなべしるす




ー 追記 ー

 とてもきれいに成長してますね! まだ子葉が元気なのも驚きです。収穫が楽しみですね。葉の欠けは、上のコメントにもある通り虫ではないと思います。イメージで虫は端から食べるように思いますが、真ん中から穴を開けて食べることが多いものですから。

 室内温度が14℃とのこと、雪国育ちでも寒くないですか? そういえば講義室は何度なんでしょう。朝はめちゃ寒いですよね。

 さて気の早い話ですが帰省時どうするか、これは受講生の環境、そして天気によるのでなんともいえないのですが、一番は乾かないこと、二番は温度変化が急すぎないこと、です。外気温が今年の冬はどれくらいになるか、考えていきましょう。オーソドックスに言えば、外か室内の明るい所に置くこと、そして水を貯められるボウルかバットに鉢を置き、鉢の下から1/4位まで水を入れておく、というものです。去年の受講生ではペットボトルから毛細管現象で自動吸水というものがありました。なかなか一発で水の移動量をうまく決めるのは難しかったようです。

 さて、話は戻って水耕栽培、これがまた驚きです。私も実はここまで大きくなると思っていませんでした。水面高さを上手にコントロールしているようです。それと肥料濃度が非常に適切な状態なんですね。なぜなら、萎れてもいなくて、緑が薄くなってもいません。植物体が大きくなっていることで、明らかに養分を吸収できているということです。見事です。

 童謡について歌詞を書き起こしてしみじみ考えられていますね。とてもいいです。そういえば、よくコンサートなどのアンコールで「ふるさと」を歌う例があります。すると、多くの人が懐かしい感触で一杯になるようです。実のところそんな昔の光景、田舎の光景を経験した人は多くないでしょう。私もウサギを追ったりしていません。しかし、歌を聞くと懐かしいと感じます。これはつまり、そういう懐かしいイメージをバーチャルで意識にインプットされているということですね。実体験ではなくとも、刷り込まれているのです。もう一つの例として、北海道では家ごと温めるのでこたつはほぼありません。しかし、そんな北海道人でもこたつの出てくるドラマやアニメをみると、冬を感じるそうです。悪い意味ではなく、人間はそうやって自分の感覚を実体験より拡張してより豊かな感動をするということ、凄いとは思いませんか。

 ではまた、アップお待ちします。

 ラボスタッフ・オガタ