東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

カイワレダイコンの収穫&まとめ(経:遠藤真由)

2017年12月29日 (金)

こんにちは。最近寒すぎてついつい出不精になってしまいます。(もともと課題があるので外出している暇はないのですが)とはいえ今日は中学校時代の部活仲間と久しぶりに会って忘年会をするので頑張って外に出たいと思います。私はもともと仙台に住んでいることもあり光のページェントには全く興味がなかったのですが、他の受講生の方の素敵な写真を見たこともありせっかくなので行ってみようと思っています。


さて、先週から育て始めたカイワレダイコンですがざる栽培とプラコップ栽培のどちらも収穫できる状態になったので今までの過程をダイジェスト版で振り返りつつまとめたいと思います。

・12月15日(金)一日目 カイワレダイコンの栽培を始めました。左側がプラコップ栽培で右側がざる栽培です。約6時間後の様子ではざる栽培の方は殻を破った種子が3個ありましたが、プラコップの方は変化なしでした。

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・12月17日(日)二日目 ざる栽培とプラコップ栽培のどちらも発芽しました。大きな違いはざる栽培の子葉は白っぽいのに対し、プラコップ栽培の子葉は黄緑色をしているところでした。

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・12月20日(水)五日目 ここにきて少々間隔が空いてしまいました。この時点での生長の差がとても大きく、ざる栽培は去年の受講生の記事のようにざるにカイワレダイコンがざるに対して垂直に生えるのを想像していましたが、カイワレダイコンは寝てしまっています。これは根毛がうまくざるに絡まっていないためではないかとオガタさんが言及してくださいました。また、プラコップの方はお店で売っているカイワレダイコンの緑色に近いのに対し、ざるの方は葉が黄色です。工藤さんの記事によるとざる栽培の方が生長が早いとのことでしたがこの時点では真逆の結果が出ています。しかし、ここで水を毎日取り換えていないことが原因として考えられたので以降改善しました。

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・12月21日(木)六日目 ざる栽培の方は依然として寝たままではありますが、長さは伸びています。ばらばらの方向に生長しているため根同士が絡まり合っていてほどけません。一方でプラコップは前日6㎝ほどでしたが、9㎝ほどに生長していました。その差3㎝です。ほぼ収穫できる状態になったと思います。

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・12月23日(土)八日目 ついにざる栽培の方にも変化が見られました。根が同じ方向を向き、ざるに対してまっすぐに生え始めました。そして色もだんだん緑色に。また、プラコップの方は全長が約10センチになりました。まだ成長期のようです。

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・12月29日(木)十四日目 期間が空きすぎましたが、ようやくどちらも収穫できる状態になったので報告します。本来ならばプラコップの方はとっくに収穫期を過ぎているのですが、味を比較したかったのでざる栽培の方が収穫できるようになるのを待っていました。プラコップの方はあれからほとんど生長していません。ざる栽培の方は根がとても長くなりました。長いものでは20㎝ほどあります。そしてそれぞれの中から平均的なものを1本ずつ取り上げて比較してみました。上がざる栽培、下がプラコップ栽培です。ざるの方は全長20㎝、プラコップの方は12㎝でした。

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結果を見ると、最初はプラコップ栽培の方が生長が早かったのですが、結果的に大きく生長したのはざる栽培の方でした。ただ、今回は後半から水の入れ替えを徹底したため、それがどのくらい影響を及ぼしたのかまたどの時点で生長具合が逆転したのかなど不明確な点が多いのが現実です。また、同じざる栽培でも水を替えた方とほとんど替えない方ではどのように生長過程や味が異なるのかなどの疑問が残ります。第二弾を行う際にはこのような点に留意して育てたいと思います。収穫したカイワレダイコンは今日の夕食のサラダに加える予定です。

コメント

経済学部・遠藤さん

 こんばんは、遺伝の渡辺でございます。続けての投稿、よいことです。それで、この記事を拝見して、細かく数日おきに写真を撮っていますね。変化もよくわかります。また、栽培方法によって、生長にも影響が出てくることを、長さを測るなどして、よくできています。niceです。また、最後のところにあるように、条件をそろえること、これは大事なことです。前にも書いたかも知れないですが、経済もある種の生き物のようなもので、数学の世界が入る余地があります。つまり、条件をそろえて考えるという姿勢はとても大事です。是非、次の実験では、例えば、水の温度も気にするようなことまで、careするのがよいと思います。

 それで1つ前の記事と比較したときに、スプラウトはもちろん、生長が早いので、細かく写真撮影をしているのかもしれないですが、1つ前のハツカダイコンの栽培では、同じように写真を撮るようなことをしていたら、何に問題があるか、分かったのだと思います。その当たり、是非、考えて見て下さい。あと、細かなことは、ラボスタッフのオガタくんがコメントしてくれると思いますので。


 わたなべしるす




ー 追記 ー

 続けての報告、お疲れ様です。注意事項は上のコメントにある通りです。長さについて、光条件を同一にするのは難しそうですね。コップは透明ですので、やはり光が植物に当たりやすいかもしれません。

 水替えについて言及しているのは大変良いことと思います。水を供給するだけではなく、植物が水に出している各種物質の影響について総体的に知ることができます。植物は雑菌の繁殖しやすい糖分を発芽時に表面に出すことがあります。また、種皮に発芽阻害物質を含んでいて、それが溶解して発芽に悪影響を与えるパターンもあります。ネットで水替えを推奨しているのは味のためなのかな、と思いますが、生育にも影響することは充分考えられます。

 さて、次は年明けでしょうか。今はあまり冬休みは長くなく、学生も大変だと思いますが、2018年も良い年になるよう励みましょう。

 ラボスタッフ・オガタ