東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

5.ミズナ紅法師 赤丸二十日ダイコン ニューコメット③ 32日目~52日目(宮教大:金あおい)

2018年11月26日 (月)


 投稿が遅くなり、すみませんでした。

 ミズナ(ミズナ紅法師)、ニューコメット(赤丸二十日ダイコン ニューコメット)について報告します。

 温度と湿度や時間も測るようにしました。

 鉢植えの容器については、濡れた食器を乾かす際に使うものです。皿を置く網と、水が垂れてくる下の部分に分かれているものでして、下の部分のみ再利用しています。

 写真はいつも水を与える前に撮っていました。水のやり具合について、水やりは、鉢の底から水がでてくるまで行い、2~3日に一回の頻度で、土が乾いていたら与えています。

 今回のご報告の中で、ミズナとニューコメットの間引きと、ニューコメットの一株を収穫を致しました。


〇 32日目 約16.5℃ 約66% (23:00頃)日中に小雨が降っていた 

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 分かれ目からの本葉の最大の長さ  (前回30日目と比べて±)

ミズナ    :13cm(+1cm)

ニューコメット:8.5cm(+0cm)

 本葉の数について

ミズナ    :5枚目の、4cm程の本葉が出てきていたものがあった。

ニューコメット:4枚目の、3cm程の本葉がでてきてたものがあった。

 この日、間引きを行いました。kon3205.jpg

 ミズナについては、4つに間引きました。ミズナは、たくさん茎が出ている分かれ目の部分の下をみると、一本で支えられていました。この部分を土でかぶせていいのか迷いましたが、結局土寄せをしてみました。

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 ニューコメットについては、3つに間引きました。その後赤い部分がしっかりと埋まるように、土をかぶせて土寄せを行いました。一番初めに鉢に入れた土の量が多かったことから、ニューコメットの赤い部分が鉢の上方にあったため、鉢の外にあふれるぎりぎりのところまで土をかぶせました。

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 間引いたものは、以前百均で購入していた土と鉢に植えてみました。この土には、白い粒粒があったので、肥料が含まれていると思われます。

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 もう少し大きく育ててみたいと思い、移植することにしました。移す際に、根が傷つかないように根っこごと取ろうと思いましたが、ぷちりと少し折れてしまいました。移植せず間引いたものを食べてみて味の違いをみてもよかったなと、今思っています。


〇 35日目 約16℃ 約66% (21:15頃)小雨が降った後

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 分かれ目からの本葉の最大の長さ  (前回と比べて±)

ミズナ    :16.3cm(+3.3cm)

ニューコメット:8cm(-0.5cm)

 

 本葉の数 (前回と比べて±)

ミズナ    

:7枚目の、3.5cm程の本葉が出てきていたものがあった。(+2枚)

ニューコメット

:5~6枚目の小さく少し出ているものもありました。(+1~2枚)

 ミズナの葉には、毛がなく、つるつるしていました。kon3502.jpg

 ニューコメットは、ふさふさしていて、葉の裏表に透明な毛が1mmある。子葉はつるつるしている。また、大きくなっていく葉の下の部分を見ると、葉が割れて区切れがついた形になってきました。

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〇 42日目 約7℃ 約65% (22:00頃)晴れ

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 分かれ目からの本葉の最大の長さ  (前回と比べて±)

ミズナ    :18.5cm(+2.2cm)

ニューコメット:9cm(+1cm)

 本葉の数 (前回と比べて±)

ミズナ    :8枚目が出てきていたものがあった。(+1枚)

ニューコメット:7~8枚目が出ているものがありました。(+2枚)

 ニューコメットは、赤い部分が見えてきたため、土をのせて隠しました。

 この日、いきいきと育っているなあと嬉しく思っていた矢先、近くに置いておいたタオルが鉢の上に落ちてきてしまい、ミズナの一部が折れてしまいました。植物に大変申し訳ないです。ごめんなさい(泣)折れたミズナを取り、3つに間引きました。

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 この機会に、ミズナとニューコメットの両方に肥料を与えました。

オガタさんのコメントを参考に、鉢の縁で植物とはある程度間隔があるところに、初めの講義で頂いた肥料を10粒ずつ、三か所、土に置きました。土で少しかぶせました。


〇 44日目 約22℃ 約36% (13:30頃)

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 分かれ目からの本葉の最大の長さ  (前回と比べて±)

ミズナ    :18cm(-0.5cm)

ニューコメット:8.5cm(-0.5cm)

 今回の前回比は、あまり参考になりません。前回折れてしまった葉が最大の長さをもっていたためです。ニューコメットは少しぐったりとしていました。


〇 47日目 約18℃ 約36% (9:36頃)

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 分かれ目からの本葉の最大の長さ  (前回と比べて±)

ミズナ    :19cm(+0.5cm)

ニューコメット:8cm(-0.5cm)

 本葉の数 

ミズナ    :9枚目が出ているものがありました。

ニューコメット:8枚目が出ているものがありました。

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 ミズナは、別の容器でも育てていましたが、鉢の方が本葉の長さが大きく育っていたので、育つ鉢の大きさも植物の成長に関係していると感じました。


〇 50日目 約20℃ 約32% (11:37頃)

 昨日の夜に少し雨が降っていたようで、ミズナの葉と土が少し濡れていたので、ミズナ以外に水をやりました。

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 分かれ目からの本葉の最大の長さ  (前回と比べて±)

ミズナ    :20.5cm(+1.5cm)

ニューコメット:9cm(+1cm)

 本葉の数    (左側・真ん中・右側の順に)

ミズナ    :12枚・10枚・17枚

ニューコメット: 6枚・10枚・ 7枚

 

 また、横から見ると、、

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 どちらも、子葉が黄色くなって枯れているものもありました。

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 水をかけると、土が流れて、ニューコメットの赤い部分が見えてきました。また土をかぶせました。


〇 52日目 約19℃ 約50% (12:50頃)

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 分かれ目からの本葉の最大の長さ  (前回と比べて±)

ミズナ    :21cm(+0.5cm)

ニューコメット:9cm(+0cm)

 本葉の数    (左側・真ん中・右側の順に)(前回と比べて±)

ミズナ    :13枚(+1枚)・12枚(+2枚)・18枚(+1枚)

ニューコメット: 6枚(+0枚)・11枚(+1枚)・ 7枚(+0枚)

 どちらも、小さな本葉が次々と出てきていました。

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 ミズナの方は、赤黒の小さな斑点が葉っぱにあらわれていました。また、白く穴が開いており虫に食べられたような跡がありました。

これは、病気でしょうか?食べても大丈夫でしょうか?

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 ニューコメットは、先日間引きをして別のプランターで育てていたニューコメットの方が、最大で13cmのものがあり葉も大きく育っていました。小さな鉢で狭いところよりも、育ちやすかったのだと感じました。

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 先日、赤く結球したものが土から顔を出していたので、ニューコメットの赤い部分の土を少し払ってみました。

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 一番左のニューコメットを抜いてみました。するととても可愛らしい姿が現れました!!

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 赤く結球した部分は、4.5cmあり、葉の部分は約9cm、根の部分は7cm見られました。また、結球した部分のすぐ上の茎の上面は少し赤みがかっていました。

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 そして、よく見ると、両側に対照的に二本の、ぴらりとしたものがついていました。写真をご覧ください。初めスがはいってしまったのかと思いましたが、触ってみると皮のように薄く、めくれました。

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 他の結球したものもそろそろ収穫してよいのかもしれません。とるタイミングが分かりませんが、様子をみてみます。

洗ったものはこちらです。

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 オガタさんから、「早いと小さく、遅いと固くなり内部に空洞を生じます。」をコメントをいただきました。

中を見てみると、スはありませんでした。安心しました。

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 よく洗って、スライスをして、塩をふって生で食べてみました!赤い部分は、ピリリと辛く、葉っぱ側は少し甘く感じ、根っこ側は少し辛く感じました。葉っぱも食べてみたのですが、とげとげしていて少し苦さを感じました。今度収穫した際は味噌汁にいれてみるのもいいなと思っています。

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コメント

金さんこんにちは

 ハツカダイコンの収穫、おめでとうございます!

 形はともあれダイコンとして肥大し、食べられる状態にまで栽培できました。こちらとしても嬉しいことです。

 さて、せっかく栽培日誌をアップして頂いているので、それを見ながら書きます。先ず、鉢受けは食器カゴなんですね。私はネコのトイレかと思ってました。

 写真では土が乾いて見えるものが多いのですが、2,3日に一回水やりをしているとの記載で一安心です。これは何についても当てはまるのですが相手が心配する前に打ち消すのが大事なことです。小学生でも「宿題やんなさい!」と言われる前に「お母様、わたくしの予定では午後8時から課題に取り組む所存ですわ」とでも事前に言っておけば親も何も言わないでしょう。

 温度、湿度の記載、大きさの測定、形態観察、そして栽培上の間引き等、きれいに書かれていますね。土寄せもその通りでした。水を湛えるスペースを残して土を足すのがポイントですね。

 野菜の土の白い物については、肥料ではありません。これはパーライトといって真珠岩を焼いて砕いたものです。軽くて水を含みやすく、園芸用土にしばしば混ぜられています。まあ肥料についてはよほど安いものでない限り、栽培用土として売られている土には含まれています。間引いた物もこれに移植して育てばいいですね。種子から育てるより効率的です。

 形態観察について、ミズナとハツカダイコン、同じアブラナ科でしかもrapaというグループに入っています。それでもこんなに多様性があるんですね。生物というのは凄いものです。

 せっかく計測しているのでグラフ化すれば面白いかもしれません。何を主眼とするかでグラフの形も変わりそうです。

 それから子葉はこの時期から枯れてきて正常です。もう役割は終わっています。ちなみにですが、植物が葉を枯らす場合たいていはただ枯れるのではありません。自分の細胞のタンパク質などを分解し、茎の方に輸送して、余すところなく再利用できるようにしてようやく枯れます。この時期の落ち葉が本当にカッサカサで軽いものであるのは、もう本当に残りかすだからです。これは教育学部にとって「親の役割」をしゃべる上で使えそうな話ですね。

 ミズナの斑点について、まだ特定できる段階ではないのですが、白サビ病の初期症状かもしれません。これは食べても全然大丈夫ですし、株全体が枯死するまでひどくなることはあまりありません。この時期は病虫害も少なく、致命的な軟腐病や立ち枯れ病はそう出ません。少し様子を見て、広がるものかどうかまた教えて下さい。単なる風による傷の場合もあります。

 植え場所の違いによる生育の違いですが、これは諸条件が違いますから何ともいえません。原則土の多い方が条件がよいのですが、乾燥の違い、また土が多い方が中の温度変化がゆっくりになる、といった効果もあります。

 4.5cmのハツカダイコン、きれいですね。結球とは言いませんがよく肥大しました。味のレポートもありがとうございます。ハツカダイコンはあまり味噌汁に使うとは聞いたことがないのですが、どうなりますでしょうか。それと葉の部分も充分食べられます。

それでは

ラボスタッフ オガタ