[73日目]温室の作成とミズナ・ブロッコリーの経過(1588字)(農:八巻慶汰)
2018年12月17日 (月)
こんにちは。農学部1年の八巻です。今年も残すところ2週間程となってしまいました。前回のオガタさんからのコメントで仙台では雪虫が飛んでいたとの事でしたが、実家がある福島でもこの時期になるとちらほら見かけます。年末には家を開ける予定なのでその前に坂谷さんもやっていた温室作りに挑戦してみようと思います。
まずはミズナとブロッコリーの経過報告から
[67日目]12月12日 10.5℃ 50%
ブロッコリーは依然としてすべての個体で大きな本葉(5~6㎝程)が3枚、出始めの小さな本葉(2~3㎝程)が1枚、個体の高さは11㎝程となっており、ミズナは本葉の数は数えることはできませんが増えているように感じられ、また、水受けの桶からはみ出た葉っぱの本数も2,3本増えているように見受けられます。前回、先週追肥を行った報告をしましたが、追肥をするまえから追肥をする後で格段に成長の度合いが上がったという程ではありませんでした。今のところ肥料切れなどの症状は見られないため、次の追肥はやるとしたら一か月後の1月の中ごろに行いたいと考えています。
[72日目]12月17日 11.2℃ 45%
順当にゆっくりと成長しています。ブロッコリーは本葉の様子はほぼ変化していませんが、高さは1㎝程伸びて12~3㎝程になりました。ミズナの大きめの本葉の長さを図ってみたところ、10㎝を超えていたので目標の20㎝まであと半分といったところでしょうか。
ミズナは横から見たところ(以前からですが)右側に全体が寄っているように見受けられます。朝方の日光があたる角度が植物体が向いている方角なのではないかと考えられますが、生育の前半のほうで植物体が倒れ気味だったので矯正された可能性もあると見ています。
継続して水加減に気を付けながら栽培を行って行こうと思います。
次に、温室の作成報告です。
まず材料は、
・プラスチックスチロール
・段ボール
・大きめのビニール袋
(・すのこ)
家にあった上記の材料をつかって作成しました。方法としては、スチロールを一つ土台とし段ボールを垣根状にぐるりと設置し、上部に屋根として同じ型のスチロールを設置した非常に簡素でお粗末なものです。段ボールは日光が入るように開閉可能なように設置しましたが、いまだに日光条件が心配なので成長が芳しくないようであればより周囲の段ボールを削って見たいと思います。最後に全体を通気口を設けた大きなビニール袋で覆い完成としたのですが、ビニール袋が思ったより小さく全然風を防げているように見えないのでもう少し大きなものがみつかったら随時改良を施し、またビニール袋だけで不十分であるようなら不織布などが保温素材として良いのではないかなあと考えています。
温度計もまだないため、今後設置しどれだけ保温ができるかも試してみる予定です。
前回コメントで頂いた「脱窒」ですが、私は水質の濾過・浄化層についての話題で聞いたことがありました。魚の養殖などで使用される水槽では、魚の糞や餌の残りから排出されるアンモニア態窒素を亜硝酸菌・硝酸菌の硝化作用によって最終的に硝酸態窒素に変化させますが、アンモニア態窒素より少ないとはいえ硝酸態窒素も魚に対する毒性が0ではないため、「脱窒」によってN2に完全排出するという植物栽培ではマイナスに働く「脱窒」を利用して生物濾過を行う機構です。脱窒させるための層はできるだけ酸素を少なく保っていたような気がするので、植物栽培では逆に土の中にも酸素がいきわたるようにすれば脱窒による窒素成分の減少を和らげることができるのではないでしょうか。
次回は引き続きミズナ・ブロッコリーの成長報告です。また、温室の改良があればそちらも報告したいと思います。次回もよろしくお願いします。
今回の文字数:1588字
コメント
八巻さんこんにちは
今年も残り少ないです。学生生活がこうして終わっていくのも寂しいものですね。いや、まだ終わってないうちには寂しいとは思わないかもしれません。私も学生時代はなーんにも考えずにただ過ごしていました。ただ、自分の子供が大学生だと、一日一日その学生時代が終わっていくのが寂しいですね。
そういえば子供が学生になったあたりから私も映画で気を紛らわすことが多くなりました。月に10本以上というのは自分でも多いな、と思います。さすがに最近は何でもかんでも、ということはなくなりました。先月のガンダムナラティブは迷いましたが見送りました。行き過ぎ感満載で。
まあ今日はドラゴンボールを見に行くつもりです。あ、もちろんアニメばかりではなく、まともな映画も行きます。青春学園系が一番の好みですから。
今年の映画、自分的には当たりは少なく、「カメラを止めるな」はさすがに人気作で面白く、「銀魂2」も結構楽しめました。「センセイ君主」もよかったですね。
さて、ミズナとブロッコリ―は着実に成長しているようです。追肥について、これはよく考えられたと思いますが、順当に10日に一度与えて下さい。成長度合いを観測して頻度を調節するというのも間違いではありません。ですが、肥料は水に溶けて流れ去ります。植物に肥料を効かせ続けるのが大事ですから、定期的な補充が必要になります。肥切れが目に見えてからでは成長がぎくしゃくしますので与えていって下さい。
細かく写真を撮られていますね。もし気のついたことがありましたらクローズアップも活用して下さい。そういえば、他の受講生のミズナに比べ、紫色の部分が少ない気がします。だからどうということはないのですが生育環境の違いが表われたものです。面白いですね。
また間引きは適宜行って下さい。
温室は工夫して作られたようです。家にある材料を使って、考えたのですね。スチロールの有効活用がオリジナリティーになっていると思います。段ボール箱はそのままではなく、底面をスチロールに合わせた形にしているのですか。
効果は温度計で計測できますので、私もそれが楽しみです。昼間の温度を光合成可能な温度にするのがキモです。暑すぎでもいけません。一方、夜間の保温性は期待しないで下さい。特に暖房するのでなければ外気温と同じになります。覆っても、動物と違って熱を出す生き物ではありませんから、温度は上がらずそうなります。受講生の多くがそこの違いに戸惑うようです。そのため不織布とかは必要ないかもしれません。風については強風で植物が傷つけられていたら対策の対象ですが、通常にはそこまで気にすることはありません。
その温室のビニールに関して、全景が分かりませんが見える限り小さくはないようですね。しかし植物の収まっているところがとても狭そうに見えます。葉が横に当たっているのもさることながら、水やりや写真撮影に差し支えるようでしたら狭すぎです。もっと大きくしないといけないかもしれませんね。そして肝心の日当たりについて、冬の日射は上からではなくかなり斜め横から入ります。この温室では日射が相当量妨げられるような気がします。少なくとも真横からみて植物が大半見えるくらいにしないと日射が足らなくなります。温度よりも日射重視にしましょう。もっと大きな段ボールにするか、これを使うのでしたら前面の段ボールを8割がた取り払うのがいいと思います。上面のスチロールは補強のためかと思いますが、そこにも工夫が要りますね。
脱窒現象についてよく調べました。その通りです。植物栽培では問題になる現象でも、水質浄化のためには大変有効な現象になります。硝酸態でも高濃度になれば魚に害になりますね。具体的には酸化的条件下の槽と還元的条件下の槽を用意し、交互に水を通し、アンモニア態・硝酸態を微生物によって変化させることで、脱窒させます。
わずかな魚を飼う場合もそうなのですが、大きな生態系、河川などにおける水質浄化にも非常に大切な考えです。誤解を招くことが多いのですが水質浄化の本筋は、窒素やリンといった養分を水から取り去ることです。それができなければ、オゾンで滅菌しようが木炭入れようが全て無駄になります。微生物投入など逆効果もいいところです。窒素については、先ほどの脱窒を利用して除去できます。リンについては非常に困難なことで、地道に水生植物などを繁茂させてそれを除去することにより間接的に取り去るしかなく、重要な問題になります。昨今では洗剤の補助剤に入っていたリンを無くし、水質保全に配慮した洗剤に変わってきていますね。
植物栽培での脱窒を防ぐことは、自分で考えられた通りです。ただ厄介なことに水田などでは途中で栽培環境を変えるものです。水がなければ酸素が充分入りますが、水を張れば還元的になります。それでなくとも土の深いところに行くにつれ、酸素の供給が細菌による消費に追い付かなくなり還元的になってしまいます。そのうち土壌学で、土の色と鉄の状態(三価鉄とニ価鉄)についての話を習うでしょう。
ではまた、温室の改良を期待しています。
ラボスタッフ オガタ