東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

温室をつくりました(経:阿部遥太)

2018年12月25日 (火)

こんにちは。前回の記事で述べた通り、気温がだいぶ下がってきたので簡易温室を作りました。今回の記事は作成した温室についての報告です。写真の量がかなり多く、長い記事となることがよそうされますので、今回は「温室作成について」のみで、次回を「温室の効果とタケノコハクサイのの栽培状況」と題して記事を分けたいと思います。


 それでは始めます。作り始める前に先輩の記事を見てからすみずみまで計画的に作るのが賢い方法かもしれません。しかし、どうすればよいのかをすべて知っている状態で作るのはなんとなく面白くなく思います。ですので、まずは自分の思いのままに作った後に先輩や他の受講生の温室作成の記事を細かく見て自分の温室の問題点を把握し、それぞれ解決していくという形で温室作成を進めていきます。

 絶対に必要であろう箱もビニールもないのでとりあえずダイソーに材料を買いに行きました。買ったものは、以下の3点。

①とりあえず大きな箱が欲しかったのでプラスチック製の折りたたみコンテナ。大きさは説明書の通りです。

②冷気をシャット&結露防止という名のシート、これは買う予定ではなかったのですがたまたま見つけ、寒さを防げそうだなと思い購入しました。

③最後にテーブルクロス(透明)です。テーブルクロスならば普通の袋に使われるようなビニールよりも破れにくそうだと思い買いました。価格はコンテナが500円、他がそれぞれ100円です。余談ですが、ダイソーの商品を見ていると、昔よりも100円でないものが格段に増えた気がしました。200円や500円といった、はるかに高額な商品がゴロゴロあります。でも、店名はあくまで「ダイソー」であって「100均ショップ」ではないので文句は言えません。

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次にテープを用いて折りたたみコンテナにシートを貼り付けていきます。シートが思ったよりも大きかったので、折りたたんで両端をテープでまとめ、小さくして使いました。4枚もあるので内側だけでなく外側にも貼りました。

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4辺すべてにシートを貼り付けてしまうと日光が入らなすぎるので正面の1辺だけはシートを貼らないでおきます。

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 次に、シートを貼らなかった前面を加工します。ここには光が入るようにテーブルクロスを使いました。テーブルクロスはとても大きかったので2等分し、一方を前面に、もう一方を蓋に使いました。蓋は広告紙でごみ箱を作る要領で立体化し、端同士をテープでつないで作成しました

次に中身です。底のプラスチックはあまり厚く無くて冷気がベランダの床から伝わってきそうなので、布か何かを敷きたいと思いました。新品のぞうきんや綺麗なタオルを使うのはもったいないですし、雑菌が住んでいる使いかけのぞうきんやタオルを使うのも嫌なので、捨てる予定だったTシャツをたたんで入れました。また、ちょうどzozotownからの荷物が届いて段ボールを手に入れたのでこれも使います。※左の写真は蓋ではなく上部が前面です。

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これで試作品が完成しました。

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ここから、この試作品の問題点探しをしました。オガタさんのコメントを読んだり、他の受講生が作成したものと比較した上で見つかった問題点は以下の通り。

①通気口がない(参考:2017年の受講生、岡田さんの記事)

②他の受講生のものよりも、日光が植物に届くようになっていない(参考:2016年の受講生、鈴木さんの記事)

③水が入ったペットボトルがない。(参考:2016年の受講生:鈴木さんの記事へのオガタさんのコメント)

④反射板がない(参考:2016年の受講生、鈴木さんの記事)

結構いいものができたと思っていたのですが、欠落だらけの温室でした。一つ一つ解決できるよう、試作品に手を加えて行きます。


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まずは①です。前面下部3か所に通気口をあけました。参考にした記事のコメントには。「夜に閉じられるならばベスト」と書いてあったので、テープ一つで閉じられるような通気口にしました。


②ついてです。

できるだけ日光の妨げを減らすため、前面を切断して取り払いました。

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③についてです。現在家にペットボトルがないので、明日飲み物を買って用意したいと思います。


④についてです。前面だったパーツと段ボール、アルミホイルを組み合わせて反射板を作りました。蓋に穴を開けてこのパーツを挿入し、箱と壁(ベランダでは窓)の間に挟んで角度を調整して使います。右の写真で手に持っているのは反射板と15㎝定規です。

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反射板だけでなく、段ボールの内側にもアルミホイルを貼り付けました。

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反射板の効果を確認したかったので、反射板とアルミホイル付き段ボールありの状態と無しの状態の写真を比較しました。ありのほうがビニールに当たっている光の量が多いように見えます。よかったです。

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以上で終わります。次回は温室の効果とタケノコのハクサイの現状についてです。(1969字)

コメント

阿部さんこんにちは

 今回は温室作りですね。確かに過去記事を読み過ぎるのも面白くないもので、自分のアイデアを制限することはないと思います。ただし、これから学部に行って勉強する上では過去文献をよくよく当たって下さい。むしろそれが足りない学生の方が圧倒的に多いからです。その上、学問というものは何の分野でもまだまだ追及すべきことが山ほどあります。思索が生きることはいくらでもありますから、先行研究を見過ぎるくらいでちょうどいいのです。

 さて制作手順を見ますと、頭には大まかなイメージが入ってますね。そのイメージは悪くありません。必要な大きさと丈夫さを把握しているようです。予算も高いのか低いのか、コンテナを後で何かに流用できるのであればいいかもしれません。受講生の中には、考えられる限り理想を追求する人もいれば、絶対に家にあるものだけで0円で作る人もいます。これは各人の考えです。まあ、私が受講生ならO円かも...... 手前事ですが学生時代は金がなく、ゴミ袋を窓に貼り付けて防寒対策をした記憶があります。

 ダイソー商品も100円以外が増えてきました。ここは一つ、経済学部的な視点での考察も欲しいところです。物価上昇のため、同じ商品を100円で提供できなくなったための止むを得ない値上げなのか、客足が多いので商品拡充のためなのか、利幅の取れる商品に誘導して利益を得るのか、いずれにせよ100円で買える安心感と分かり易さというこれまで築いてきたイメージを捨ててまで行うことでしょうかね。経済学的にいかがでしょうか。

 次にコンテナにシャットアウトシートを貼っています。このシートの厚さを見ますと断熱性は低く、結露を防ぐような目的に使うもののようです。温室というものは、暖房器具で加温するのでなければ、断熱は全く必要ありません。

 テーブルクロス、切って使いましたか。実は、温室はスキマを全く作らないように製作し、後で通気口を設定して調整するものです。まあ、丁寧な工作に見えますので、つなぎ目はうまく処理しているようです。

 Tシャツを使っているのも凄いですね。ただ、そこに水がついてしまうと、処理が厄介そうです。

 さて、基本を仕上げ、ここから問題点を洗い出しての工作になりますか。通気口の設定、開口部の拡大、そして反射板ですね。

 アルミホイルを使うのは普通なのですが、ここで過去の受講生にない、驚くべき仕掛けを設けています。それは、角度の調整まで考えた仕組み、ですね。温室外に反射板を設け、光を導入することは過去にもありましたが、強度を保ちながら角度の変化ができるものは見てない気がします。これは大変に褒めてあげたいものです。

 さて力作ありがとうございます。上手な工作ですね。そして思考の手順として、概要、実践、問題点把握、対策、工夫、非常に論理的な構成でした。大学生として基本ができているな、と思います。

 その上で言うのですが、足りないものがあるとすれば、目的の把握が若干薄かったかな、と感じました。

 すなわち展開ゼミで製作する温室の目的とは、日中の日射の熱を逃さず、ある程度の温度に変えることです。少し話は外れますが、世の中の温室の多くは暖房を使うので夜間の断熱性が問題になったりします。植物によっては保湿のためであることもあります。稀な例として、病気を防ぐため逆に雨から守る(ブドウなど)ためであったりします。

 話を戻しますと展開ゼミの場合、カバーが目的ではなく、断熱も要りません。

 逆にスキマなく覆うこと(通気口は後で考える)、日射を妨げないこと、強度があって風に飛ばされないこと、水やりなどができる大きさがあること、が必要になります。目的から考えるとこうなのですね。むろんやってみて問題点を考えるのも必要なのですが、最初から目的を強く把握していれば回り道をしなくて済みます。これは他の受講生にも言うのですが、温室ならとにかく日射が問題なのでそれを妨げたら本末転倒になります。ビニールやポリ袋を使うなら、なるべく大きなものを切らずに使って隙間を作らないで下さい。

 さて、阿部さんの温室、効果がどうなるか楽しみです。温度などを測定しましたら是非結果を教えて下さい。

ではまた

ラボスタッフ オガタ