第12回 温室の設置と改良(3347字)(文:坂谷日向)
2018年12月24日 (月)
こんばんは、文学部の坂谷です。
遅ればせながら、オガタさん、お誕生日おめでとうございました。前回の記事に書こうと思っていたのですが、すっかり失念しておりました。申し訳ありません。さらに娘さんにサプライズでケーキを頂いたとのことですが、実は私も今年の誕生日に似たようなことがありました。私の場合は友人ですが、ちょうど誕生日に東京へミュージカルを観に行った際、泊めてくれた友人がサプライズでケーキを用意してくれていました。ケーキ云々よりも私の誕生日を覚えていてくれて、それで一緒に食べようとしてくれた気持ちがとても嬉しかったです。父と娘の関係といい、この誕生日のことといい、オガタさんと私は似ていることが多いので、記事に対するアドバイス等だけではなく、そういった日常のお話もいつも楽しみにしています。
それはさておき、今回の記事は温室の第2弾、設置の様子と改良について報告していきます。
★今回の内容★
1.温室の設置と改良
1.温室の設置と改良
第10回で温室の作成までは報告しました。今回はその設置と改良について書いていきます。設置は17日(1時半、気温1.2℃、湿度計測不可能)に行いました。また、同日に室内管理の方もスタートしました。しかし、1.2℃とはかなり寒くなりました。...と思ったのですが、第10回で報告した9日3時の気温は0.9℃と今よりも寒かったのを思い出しました。ふと、1日で1番寒い時間帯はいつなのだろうと思い、調べてみました。私の予想は日が出る少し前だと思っていましたが、どうもそのとおりのようでした。第2回で1日の温度を調べたときは日付が変わるか変わらないかというあたりが最低でしたが、それでも日の出あたりまではほぼ横ばいであること、あれから3ヶ月近く経ち、日に日に寒さが増していることを考えれば、日の出直前が1番寒いのは妥当ではないかと思われます。
さて、温室そのものを設置する前に、温室で管理する鉢にある防寒対策を行いました。
リンゴや桃などのネット、調べてみたらフルーツキャップというらしいのですが、それを向かって写真左のア(追肥有り・室外での温度調整有り)と写真右のイ(追肥有り・室外での温度調整有り)に巻きました。実家から送られてきたリンゴについていたものなので、わりと小さく、1鉢につき2つ使用しました。昨年の岡田さんの記事を拝見して思いついたこと(岡田さんは鉢の下に敷いていますが)なのですが、数が足りず岡田さんのように重ねる等の工夫ができていないので、空気の層はあまり作れていません。また、こちらのサイトで調べてみたところ、一概には言えないかもしれませんが、フルーツキャップの特徴として「腐食を防ぐ通気性・通水性」とあり、もしかしたらあまり効果がないのかもしれないなと思っているところです。しかし、何も巻かないよりは巻いていた方が幾分か温かいと思うので、とりあえずはこのままでいこうと思います。
工夫の1点目はもう使わないタオルを下に敷いた点です。地面に直置きではないとはいえ、少しでも寒さ・冷えを緩和するために行いました。また、このタオルはマイクロファイバー素材なので、水やりで濡れたとしてもすぐに乾くという利点もあります。
工夫の2点目は四隅に水の入ったペットボトルを設置した点です。まずはおととしの鈴木さんの記事で、「温度変化を防ぐために」というコメントを見つけたのが第1の理由です。なぜそれで防ぐことができるのかよく分からなかったので、調べてみたところ『水の比熱容量は他の物質よりも大きく、「温まりにくく冷めにくい」ことから、海辺や水辺では昼夜や季節の温度の差が小さくなるが、水の少ない内陸部では、昼夜や季節の温度差が非常に大きくなることとなる』というのを見つけました。比熱容量...? 「温まりにくく冷めやすい」というのは中学校の理科でやったような...? という感じでしたが、「内陸部では~」のあたりで納得しました。確かに盆地なんかは寒暖差が激しいので、その最たる例なのでしょうね。ペットボトル越しでもその効果はあるのかなど、少々疑問が残るところではありますが、それは今後の観察で実際に確認していこうと思います。また第2の理由として、風で温室がひっくり返されないようにするためです。第6回の記事で鉢が風にあおられ倒れてしまったことを報告しましたが、どうもベランダは突発的に非常に強い風が吹くことがあるようなのでその対策です。心配されるのはダンボールの強度ですが、これは作成時段ボールの中に100均で買った台を入れ補強していたので、大丈夫だと思われます。
ここまでいくつか工夫を紹介してきましたが、やはり大切なのはきちんと効果が出るかどうかでしょう。期待半分、不安半分で計測を開始しました。1つの温度計で測っているので、30分ほど誤差があります。
【夜間】(12月17日2時) 【日中】(12月17日12時)
室外気温/湿度 1.2℃/計測不可能 9.3℃/56%
温室内気温/湿度 0.9℃/計測不可能 10.9℃/59%
思っているよりも効果が出ておらず、どうしたものかと考えていたところ、17日の夜あることに気がつきました。 このように差し込み式でとめられるようにしていたのですが、どうも風にあおられて抜けてしまい、開口部が全開になってしまうようでした。そこで新たに水を入れ、口を紐で結んだペットボトルを2本用意し、紐の片端を温室のビニールに貼り付けました。
しかしながら、これでも開口部の前の方のみがめくれてきてしまいました。
これにはペットボトルを横ではなく前の方に持って行き、開口部の前部分も抑えることで対応しました。これで開口部がめくれるという問題は解決しました。この状態でもう一度温度を測ってみました。
【夜間】(12月18日1時) 【日中】(12月18日11時半) 【夕方】(12月24日18時半)
室外気温/湿度 5.0℃/76% 5.2℃/57% 2.4℃/計測不可能
温室内気温/湿度 5.1℃/80% 7.1℃/62% 3.8℃/計測不可能
温室は直したはずですが、思うような結果が得られません。岡田さんの記事を参考にしてみても、外気温が高いこともあるのかもしれないのですが、私のよりも温室内の温度が高くてどうしたものかな、という感じです。 タキイ種苗さんの家庭菜園野菜栽培マニュアルのキャベツの欄によると、生育適温は15℃~20℃(5℃~28℃の範囲)で、結球適温は13℃~20℃(28℃以上、7℃以下ではほとんど肥大しない)なので、もうすこし温度を高く保ちたいところです。熱源があるわけではないので、外気温とほぼ同じになってしまうのは仕方ないかもしれませんが、キャベツの様子もみつつ、今後も改良を重ねていこうと思います。温室に入れたまま室内に入れることも考えましたが、それでは比較にならないので別の方法を考えます。
また、第10回のコメントで「外気温と室内気温は建物の構造による」ということを教えて頂きましたが、調べてみたところ私の住んでいるところは鉄筋コンクリートの建物のようです。どうりで外気温よりもずっと温かく室温が保たれるのですね。また、暖房もついているので、温度を気にしつつ適切に使おうと思います。
●先週・今週の記事●
先週から今週にかけて拝見した記事で最もすごいと思ったのは、昨年の岡田さんの記事です。温室の作成で参考にさせて頂いたので、帰省時の温室の扱い方を重点的にみていたのですが、水やりのスパン、温度管理などを事前に実験的に試していて驚きました。私も水やりなどはどのくらい持つのかなど、今のうちに試しておこうと思います。
●今日の画像●
今回の記事の最初に使った画像は、まるごとキャベツで作ったリトルグリーメンです。キャベツの芯をくりぬき、適当に包丁を入れて細かくしたキャベツの中身を取り出します。それから、鶏もも肉を自分でミンチ状にしたもの、つなぎの代わりのパン、塩こしょうと混ぜ合わせ、再びキャベツの中に詰めていきます。あとはじっくりとコンソメで煮詰めれば完成です。リトルグリーメンの顔はマヨネーズと魚肉ソーセージ、海苔です。次回は海底に住む愉快なキャラクターを作ります。お楽しみに!
★次回予告★
・春くん(キャベツ)の生長記録
最後までご覧くださり、ありがとうございました。
(文字数:3347字)
コメント
坂谷さんこんにちは
まあ誕生日のことありがとうございます。そちらもそんなサプライズケーキがあったんですね。
イベントといえば、クリスマスの次は正月です。秋田で初売りがどのくらい盛大なのかは分からないのですが、若者は並んででも買うのでしょう。そして正月といえば神社なんですが、そういえば仙台の二柱神社ではなぜか「血液型別おみくじ」なるものがあります。そんな日本古来の伝統と、赤血球細胞表面にある糖鎖抗原とがコラボレーションというのも凄いものです。ちなみにうちではAとBとの組み合わせ、そして娘はABになってます。
さて、一日のうちで一番寒いのは、誰もが夜明け前と答えるでしょうが実際に検索などしたのは凄いですね。しかしまあ展開ゼミの植物たちには今の最低気温でもどうということはありません。
フルーツキャップは面白いですね。過去展開ゼミでそういう断熱材に触れたことがあったかもしれませんが、それはエアコン室外機なんかの冷たさを遮断する意味だったろうかと思います。この場合そういう意味にはなりませんが、何もしないよりは良いでしょうか。
そして下にはタオル、これは何か高級素材なのでしょうか、勿体ない気もします。
過去記事からペットボトルの水の話をよく引用されました。これは大変効果的なものです。夜間の保温と、何よりも昼間の温度の上がり過ぎを緩和します。一石二鳥、一挙両得の効果があります。計算すると2lの水で昼間の30℃から夜間の0℃までざっと60キロカロリーの熱を放出、これは電力に換算すると70Whのエネルギーになります。夜間の時間を考え併せ、概算ですが8Wの電球を保温のため付けっ放しにしたのと同じことです。
比熱容量の考えは日常でも使います。例えば、アルミの鍋よりも鉄やステンレスの方が比熱容量が大きいですね。すなわち、アルミ鍋は温まりやすく、クイックに牛乳を温めたりするのに好適です。ステンレスは温度変化が少なく煮物にいいですね。もちろん土鍋になれば分厚くてもっとも比熱容量が大きく、その熱伝導の低さともあいまって均一に加熱できます。ちなみに最近の炊飯器でIH(誘導電流ヒーター)加熱をしたり、厚釜にしたりするのは均一に加熱しておいしく炊くためです。
さて、温室の温度を実際に計測されています。これは大事なことですね。実際に計測する方は多くありません。その上で考え、工夫をしています。
まあ、昼間の温度だけ上がれば御の字(死語)なのですが、日射がなければもちろん上がりません。計測時の天気が非常に大事ですね。
それにしても上がらないので隙間が多いのでしょう。風でめくられたり、壊れてオシャカ(死語)にならないようにも、強度的に考えなくてはいけませんね。
さて最後、キャベツ丸ごとの力作料理です。本当に大したものです。
次回、あのキャラでしょうか。そういえばイカルドは実はタコというのが凄いですね。カニカーニーさんはともかくプランクトンは雑にまとめられているし、スポンジは既に生物ですらないというが面白いです。
ではまた
ラボスタッフ オガタ