東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

2.発芽&移植(2日目~5日目)(薬:松木優佳)

2019年10月 9日 (水)

 こんにちは。こちらはハワイのハイビスカスです。ハワイというとハイビスカスのイメージがあるかと思いますが、案外咲いていませんでした。逆にプルメリアは庭なんかにも普通に咲いていました。イメージと現実は異なるものなんですね。

 

 さて今回は2日目~5日目についてになります。

~今回の内容~

①観察記録

②気づいたこと

③前回のコメントに関して・感想

①観察記録

2日目

10月6日(日) 曇り

○屋外 11:46 25.0℃ 湿度49%、19:23 20.0℃ 湿度66%

○暗室 19:32 21.5℃ 湿度69%

 

 朝8時、パクチーとキャベツは好光性種子だそうなので、黒キャベツもおそらく同じだろうということで、外に出しました。また、昨日うっかり肥料をひとつまみ程度(10粒はないと思います)撒いてしまったので、残っている固体は回収しましたが、ふあふあMIXについてはすでに種を撒いてしまったため掻き回すわけにもいかず、大部分が残ってしまいました。それで、土をいじっているときに気がついたのですが、かなり色々なものが混ざっていますね。種に似た赤黒い石や、肥料に似た白い石、腐葉土やら大きい石...意外と大きめの粒が多いと感じました。

 


黒キャベツ

20191006_024917706_iOS.jpg 8時に外に出したので写真では4時間ほど経過しています。ここに置いたということが伝われば十分と、出かける前に急いで撮ったので蓋の結露で見づらいですが、よく見ると

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 黒キャベツが発芽しているような...シャーレに載せてからは一応17時間経っているとはいえ早くてびっくりです。

 そして帰宅後

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 15粒中12粒(80%)の発芽が確認できました。種袋では発芽率80%だそうなので、播種から26時間で80%を達成しました。この日はもう暗いので翌日移植することにします。

 


ブロッコリーの芽

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 ブロッコリーの芽も発芽が確認できました!ざっとみて2/3は発芽しているでしょうか。こうして見るとちょっと気持ち悪いですね。

 

3日目

10月7日(月)曇り時々雨

○屋外 14:11 19.7℃ 湿度75%

○暗室 14:49 19.7℃ 湿度68%


 

ふあふあMIX

 前回筋蒔きと言いましたが、勘違いしていました。直線上に適当に乗っけただけでした。

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 よくみると所々発芽していました!(スマホの接写性能が低いのでややボケていますが...)測りづらいですが長さは2mm程度のようです。

 


 

黒キャベツ

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 15粒中14粒(93%)発芽しました!発芽していない種は見るからに小さいので発芽しなさそうな予感がします。少し乾燥していたのか根毛が生えていました。また、一つは種から全体が出ていました。長さは5mm前後のようです。

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 大きめのものを6つほど、六角形に移植し、まだまだ発芽途中なので軽く霧吹きで表面を濡らしました。余った種は捨てるのも勿体ないので庭に撒いておきました。雑草並みの生命力があれば大きくなってくれることでしょう。

 


 

ブロッコリーの芽

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 ほとんどの種が発芽していました。一弾と気持ち悪くなった気がします。

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 容器が細長いので取り出すのが大変だったのであまり詳しくは調べられませんでしたが、大体大きさは4mm前後のようです。

 

4日目

10月8日(火) 曇り時々雨

○屋外 16:44 21.1℃ 湿度96%

○暗室 16:50 20.2℃ 湿度72%


ふあふあMIX&黒キャベツ

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 ふあふあMIXは発芽の総数が増えました。また、ふあふあMIXも黒キャベツも根毛が結構見えています。水やりをすべきか迷いましたが、雨がちで湿度が高いので見送りました。大きさはまだ小さいので非常に測りづらいのですが、どちらも7mm程度といったところでしょうか。

 


パクチー

 アブラナ科がすぐ発芽したのに対しのんびりしているパクチーですが、調べたところ発芽には1週間以上を要するようなので、気長に待とうと思ったところ...一見変化なしに見えましたがよく見ると、

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 芽らしきものが出ているではないですか!3日目でこれはすごいです。まだちらっと見えただけなのでもう少し生えるまでこのまま待ちます。

 それと、参考にしている記事に「パクチーはお隣さんとお互いに支え合う植物」とあるので、これだと発芽率が高くないと少ないのではと思い、種を増やしました。そもそも自然の状態だと2つずつ生えることを考えると確かに高密度で植えた方が良さそうです。また、どうやら種の殻、取れるそうなので殻を外して挑戦してみます。触った感じ硬そうですが、爪でごりごりやってたら案外取れました。種は多めの水に漬けて、水が蒸発したらちょうど良いぐらいの塩梅にしておきました。蒸発量が少なくても、種は水に浮くので酸素不足にはならないと思います。

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ブロッコリーの芽

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 思ったより伸びて長さは最大2.5mmになりました。最頻値は1.5mmぐらいでしょうか。なんだかもやしみたいに見えますね。気持ち悪くなくなってきました。密集しすぎないほうが上に伸びやすいようです。

 

5日目

10月9日(水)晴れ

○屋外 9:52 40.3℃ 湿度15%、13:55 34.7℃ 湿度16%

○暗室 9:51 19.5℃ 湿度70%

20191009_005320390_iOS.jpg 朝みたら温度が40℃近くあってびっくりしました。下がレンガなので熱しやすいのだと思います。流石に土が乾いていたのでたっぷり水をあげました。肥料も流せていればよいのですが...


ふあふあMIX&黒キャベツ

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 どちらも子葉が開いてきました。丸が2つくっついたような葉です。縁が赤くなっている葉もありました。適当に撒きすぎたかなと思いましたが、密集しているところの方が成長がはやいようです。高さはどちらも1cm弱でした。

 


パクチー

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 殻が上側の種が発芽しているのかわかりにくいので、ひっくり返してみました。赤で囲まれているのがひっくり返した種です。いくつか芽が出ていそうですが、殻が下の種と比べると遅いような気がします。それと芽と言っていましたが、これはおそらく根ですね。移植はまだ様子を見ようと思います。

 

②気づいたこと

 ふあふあMIXと黒キャベツは種も似ていれば芽と子葉も似ているし、成長速度もほぼ一緒です。ブロッコリースプラウトは遮光しているため徒長していますが、芽の見た目はかなり似ています。一方パクチーは給水してからかなり時間がかかっています。水がちゃんとないと発芽したくないということなのでしょうか。しかし3,4日で根が出てくれたのはありがたいです。

 

③前回のコメントについて・感想

 はなおさんは私も見ます!エビとドーナッツ...確かに混ぜるのはいけません。言語に関してはセレクトが独特ですね。しかし中・東欧はぜひ行ってみたいところです。

 科って結構大事なんですね。ミックスは現状ほぼ見分けがつきません。黒キャベツも混ぜたらわからなくなりそうな見た目をしていますね。縁が赤いのが種類由来なのか環境由来なのか気になるところです。

 ブロッコリースプラウトの種子密度、もっとですか。どうしても重なると発育が悪くなるイメージが先行して控えめになってしまいます。後、水の加減は本当に難しいです。特に発芽したては敏感なので何かあってからでは遅いというのがプレッシャーになります。蒔き直すとまた寒くなってしまいますし。置き場所(外)については野良猫はネットで対策済です。玄関脇なので風も大丈夫かと。とはいえ週末の台風は相当やばいそうなので中に入れておいたほうがいいかもしれません。室内の方は.窓辺に置きっぱなしだと、深夜まで起きていた場合中途半端に長時間明るくなってしまうので、だったら頑張って最大限明るくした方が良いかなと考えていました。消灯したら窓辺に戻すつもりではいます。とにかく植えてみないとどうなるかはわかりません。

 

 今回は毎日書きたいことが思いついてしまうのでちまちま書き溜めていました。毎日変化があるので成長を見落とすまいとついつい気になってしまいます。それと、観察する時間帯が毎日バラバラなのが良くないと思っていますが...生活リズムをなんとかしないといけないですね。頑張ります。(文字数:3075)

コメント

松木さんこんにちは

 二回目の投稿、早いですね! 今のうちは栽培に次々発見があり、植物に振り回されることも多々ありますが、面白い時期でもあります。

 さて最初のハイビスカスの写真が綺麗ですね。ハワイでは普通に庭木にされているハイビスカスですが、この花を見る限りやや古い交配種であるコーラルタイプの品種かな、と思います。日本で高価な鉢植えにされているのはより新しいハワイアンタイプの品種が多く、花弁が厚く色が華やか、そして花付きも良いように改良されています。

 まあ、原産地でのびのび咲いている花もいいものです。

 ちなみにですが日本原産の花もいくつかありまして、アジサイとかヤマユリなどがそうですね。ヤマユリは明治時代、ヨーロッパの万博に出展され、そのあまりの豪華さに他を圧倒しました。その結果ヨーロッパに日本からヤマユリの球根が空恐ろしいほど大量に輸出され、日本の近代化を支える資金源となったという裏歴史があるのです。

 さて本題ですが、肥料のことは、その程度でしたらあまり気にすることはありません。お渡しした種類の植物は多少の肥料には耐えます。

 土についてよく観察されました。庭土と違って、根の張りが物理的に制限されてしまう鉢植え用の土は、その分だけ非常に考えて作られています。その要求される性質は、l水はけ、水持ち、それだけではなく肥料持ちといったことも含まれます。理系の方ならば、土の鉱物そのものに陽イオン・陰イオンの交換能があり、そのせいで肥料を科学的に吸着していることを知っておいてもいいでしょう。

 いろいろな粒子に見えるのは、それぞれ各粒子に有用な性質があり、ブレンドして性質を決めているからです。粘土的なもの、軽石的なもの、有機物的なものとかですね。そのブレンドの微妙な違いにより、ぴったりに適合する植物もまた変わってきます。お渡しした土はわりと広範囲の植物に適合するタイプです。

 さて発芽の様子を見ますと、上手に管理され、順調にいっているようです。案外と発芽は早いものでしょう。光について言えば好光性種子といえども、明るいところ(すなわち自然界では葉に覆われた下ではない状態)であるという情報を与えれば充分なので、敢えて日に当てることはありません。温度計を見ますとけっこう上がっています。

 発芽率もいいものです。小さい種は未熟だったのでしょうか。農家では質の良い種子を予め選り分けて播いたりする(塩水で浮き沈みを見て選別する)ことを行ってきました。今は少なくとも種苗会社で売っている種子はあまり問題がありません。特に日本の種苗会社は優秀です。

 鉢に黒キャベツを移動しましたが、その数は適正です。6つを6角形に配置するのもいいですね。いずれは1~2株だけ残すのですが、そのタイミングについては後で聞いて下さい。残りは庭へということで...... しかし、本当に庭にバラけて......

 ふあふあミックスも順調ですね。

 パクチーはきちんと参考サイトを見ていますね。リンクを張ってくれたおかげでよく分かります。殻を上手に割って対処されましたか。ちなみに当研究室では受講生の選んだ植物のうちいくつかを選んで栽培をスタートさせています。パクチーはそのまま播いてしまいました。

 ブロッコリースプラウトは順調です。色を見ますと遮光もきちんとされているようです。真っすぐ上に伸びるかどうかはまだこれからのことですね。

 レンガの上の温度、確かに高いのですが、短時間ならそんなに問題ではないのかな、と思います。これからどんどん寒くなりますし。静岡久能山の石垣イチゴのような保温効果がありますでしょうか。

 さて、間引きの時期ですが、ふあふあミックスはもう少しで間引きの時期ですね。確かに初期は密集している方が生育がいいのですが、本葉が展開してきたら間引きましょう。子葉の下の部分(胚軸といいます)が徒長すると一見生育が良く見えるのですが、あとで厄介です。

 全体としてとても植物を気にして頂いて、とても良いことです。展開ゼミの主眼ではありませんが植物を好きになることも目的ですので、是非可愛がって下さい。

 報告はトピック的なことや、疑問のワンポイントでも構いません。

 最後に言語のことですが、私は英語が苦手&嫌いなもので...... 

 その不規則性と語順制限、そして綴りと読み方の不一致、何よりも母音の種類の多さ! 世界的には母音は5~7個である言語が多数派です。ちなみに語順制限がなく、主語の省略ができる言語も多数あります。外人は主語をはっきり言うから論理的だとか、自己主張が強いとかいうのは全く嘘ですね。

 面白い言語では、フィンランド語は日本語より母音が多いですし、ハンガリー語は受動態が存在せず、姓名の順が日本語と同じだったりします。

ではまた、記事お待ちします。

ラボスタッフ・オガタ