東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

1.準備&計画・播種(1日目)(薬:松木優佳)

2019年10月 6日 (日)

 始めまして。薬学部一年の松木優佳です。出身高校は仙台の聖ウルスラ学院英智です。好きなことはYouTube鑑賞で、東海オンエアさんやきまぐれクックさんをよく見ています。それと、ゲーム実況なんかもゲームのジャンルにこだわらず色々と見ています。好きな食べ物はえびとドーナツです。サークルはゴスペルサークルに入っています。TGLプログラムに参加しておりまして、最低一回の海外留学が必要ということで、早速この夏にSAPでハワイに3週間ほど行ってきました。学校後に毎日ビーチに行けるのは最高ですね。なかなか贅沢な3週間を過ごさせていただきました。

 野菜の盆栽...?と思っていたのですが、鉢植えってことだったんですね。だいぶ前に夏野菜(きゅうり、なす、プチトマト)を育てたことがあるのですが、かなり親主体だったので今回は自分で色々試しながら半年間頑張っていこうと思います。よろしくお願いします。

 ちなみに上の画像は庭に咲いていた花です。折角なので庭でもなにか育てようと思ったのですが、何の農薬を撒いているのかわからないので食べ物を育てるのはやめておくことにしました。

~今回の内容~

①目標

②道具

③計画

④種の観察・下準備

⑤播種

⑥感想

①目標

・4種類の野菜の生育を通してそれぞれの特徴や生育環境の違いを比較する。

・見やすい文章を心がける。

 種袋を見る限りでも生育温度が違ったり、スプラウトと鉢で扱いが異なったりしているので、そういった違いを意識しながらこのゼミを進めていけたらなと思っています。また、見てくださる方に何が起こっているのか伝わる記事が書けるように頑張ろうと思います。

②道具

先生から以下のものを頂きました。

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  • 鉢(5号×1、3.5号×2)
  • 肥料
  • シャーレ
  • ろ紙
  • コップ
  • 名札

 

また、以下のものを購入しました。

  • プランター(白)
  • ペットボトルにとりつけて霧吹きにできるノズル
  • 定規
  • 温湿度計(写真には入っていません)

③計画

 今回はスプラウト種、ミックス種、そして普通の種の3種類ということで、それぞれブロッコリーの芽ふわふわミックス(小松菜、丸葉山東菜、春撒き山東菜、紫たか菜)、そしてパクチー黒キャベツことグルメケールの4種を育てていこうと思います。次に生育場所を紹介します。

 


ブロッコリーの芽

 スプラウトは遮光して育てるということで、この昼でも暗い部屋の赤丸部分にある引き出しにしまっておこうと思います。ブロッコリーの芽の発芽適温は20~25℃、生育適温15℃~25℃ということで、エアコンの入らないこの部屋は冬場は少し寒いかもしれませんが、基本的にちょうどよい温度を保てるかと思います。スプラウトは何度も収穫できるので、第一回は育てきることを目標に、第二回以降は色々条件をかえながらやっていこうと思います。

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ふあふあMIX黒キャベツ

 ふあふあMIXの発芽適温は15~30℃、生育適温は15~25℃。と今後寒くなるとやや不安ですが、育てやすいそうなので光量重視でで白いプランターで育てていきます。一方黒キャベツの発芽適温は15℃~25℃、生育適温は5~25℃と他の作物に比べかなり低温でも成長するようなのでこちらもで5号鉢を使って育てます。外の様子なのですが、雨で種が流れたり根腐れしないように屋根のあるところに置いてます。ただ、ここだと11時~3時ぐらいしか日が当たらないので多少調整するかもしれません。

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パクチー

 パクチーの発芽適温は15~30℃、生育適温は15~30℃。温度を重視するなら屋内、光を重視するなら屋外にすべきところです。なので、2つに分けて育てたいと思います。一応条件を同じにするためにパクチーは3.5号鉢で揃えますが、室内の方が頻繁に確認できますし、状態によって手をかける頻度も変わってくると思うので他の条件は一緒にできないと思います。部屋の様子ですが、日中は東南の一番明るい部屋の窓際に置き、夜は部屋の証明の直下においてできるだけ明るくします。

 パクチーの栽培に関してはこちらの記事を参考にして進めていきたいと思います。最終的に種までもっていけたら嬉しいですね。

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 昨年度の植木さん記事を参考にして、流石に光量子密度計は手に入らないので、スマホの照度計で部屋の明るさを測ってみました。が、アウトカメラとインカメラで結果が違いました。

照度計.png

左がアウトカメラ、右がインカメラでの結果。

(下の看板照明などは結果には関係ありません。)

 写真を分析して明るさを計算しているようで、照明にかなり近づけることで9999lxを出すこともできてしまいましたが、まあ1000lx程度はあるのではないでしょうか。


過去の記事を見る限り徒長が頻繁におきているので光量水の量には特に気をつけたいと思います。昨年の番場さんの記事のコメントにて今年は土の保水力が昨年より高め(教授が覚えていればですが)だそうなので、水のあげすぎには注意ですね。水やりは基本的に霧吹きで行うつもりです。

④種の観察・下準備

ブロッコリーの芽

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 ブロッコリーの芽の種です。直径は1.5~2mmで球形です。色は赤っぽい茶色からいものまでありました。グラデーションに並べてみました。


ふあふあMIX

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 ふあふあミックスの種です。小松菜、丸葉山東菜、春まき山東菜、紫たか菜の4種類が混ざっています。大きさはすべて直径1.5~2mmで球形で、赤っぽい茶色黄色っぽい茶色緑っぽい茶色、黒がありましたが、明確に区別することはできませんでした。また、色に関わらず表面に白い毛か斑点のようなものがある種もありました。芽が出たら区別できるかもしれません。


黒キャベツ

20191004_120131702_iOS.jpg 名前を書き忘れましたが、黒キャベツの種です。こちらも大きさは2mm弱の球形で、赤っぽい茶色からっぽいものまでありました。


パクチー

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 他3(6)種と全く違うパクチーの種です。直径は2~4mmで球にとんがりがついていました。色は薄い黄土色です。これ単体でもコリアンダーとして食べられるようで、パクチーの匂いがしました。このパクチーの種ですが、この一粒あたり「種」が2つ入っていて、1晩水につけて割ることで発芽率を挙げられるそうです。ということで

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 水につけておきました。パクチーの種は水に浮くようです。また、表面が油っぽいようで、シャーレの壁にくっついていました。水を含んだ後は壁からも離れるようになりました。一晩...というより22時間ほど経過して、水が黄色くなりました。この水からはパクチーというよりセロリの匂いがしました。これを親指と人差し指で転がすとプチッと鳴って簡単にヒビが入り、割ることができます。

20191005_075944557_iOS.jpg 水を吸ったあとの大きさは直径3~4.5mmと一回り大きくなっていました。また、2mm程の小さい殻には種は2つはいっておらず、1つしか入っていませんでした。どおりで小さかったようです。


 パクチー以外は大きさも色もほぼ同じ種でした。参照元を忘れてしまったのですが、過去の記事で種子の色がグラデーションになるときはおそらく成熟度の違いだとあったので、そうなのだと思います。ふあふあミックスについては、小松菜と山東菜はアブラナ科アブラナ属ラパまで一緒なのでほぼ同じたねなのだと思います。たか菜も同じくアブラナ属なので、この4種はたねでは区別できないのだと思います。

播種

 早くしないと寒くなる...と思いつつ、種をもらってから2日経過してしまいました。

 


黒キャベツ&パクチー

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 シャーレにろ紙をひいて水を入れ、黒キャベツとパクチー、それぞれ種を撒きました。パクチーは殻が下の方が芽が出やすそうと思ったので、外側12個は殻が下、内側7個は殻が上になるようにしました。また、殻が下だと種が水を吸えるか微妙なので水は少し多めにしました。余った分はキッチンペーパーを湿らせて適当に置いて置きました。パクチーは発芽率が60%と黒キャベツの80%や他の植物に比べてかなり低いので頑張って欲しいところです。

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 室温26.2℃。黒キャベツにはちょっと暑いかもしれません。日曜は涼しくなるようなので大丈夫だと思っておきましょう。あとで調べたらパクチーは好光性種子で明るいと発芽するそうなので、温度の問題もありますし、後ほど外に移動させます。


ふあふあMIX

 逐一調べつつもたもたしていたら竹本さんが更新していました。そこで土作りを忘れていたのに気が付きました。パラッと肥料を撒いて下受けの皿に水が出てくる程度に水をいれます。ついでにふあふあMIXの種を撒いておきましたが、本当に適当に筋蒔きしたので何粒撒いたのか数えるのをすっかり忘れていました。まあ、これはとりあえず収穫できればよしとしましょう。

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ブロッコリーの芽

 金さんの記事を参考にしました。ネットは用意できなかったので、根が張りやすそうなコットンをさいてふわふわにして苗床にしました。時計を入れるのを忘れましたが17:50に撒きました。

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 水をかけたらあんまりふわふわしなくなってしまいましたが...多分種袋に書いてあるキッチンペーパーよりは根が張りやすいと思います。

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 引き出しにinして放置経過観察です。乾燥するようならラップで対処しようと思います。今気が付きましたがもしかしたら苗床が薄すぎたかもしれません。水平方向から撮った写真がないので、次回嵩上げと水平からの写真も撮ろうと思います。

⑥感想

 書き始めて驚きの5時間経過してしまいました。画像はスマホとパソコン、クラウドで共有しているのでそこに時間はかかっていないですし、入力は早い方だと自負しているのですが...見出しなど手探りでやっていたからでしょうか。おかげで土曜更新にしようと思っていたところ日曜になってしまいました。次回からはもう少し効率よく書きたいです。(3,865字)(あ、これは長いせいですね。)


追記:この記事を書いたあと、先輩方の記事を色々とみて回ったところ、これ、肥料は余計でしたね。残っている分だけでも回収しておこうと思います。また、実際販売されているスプラウトは根っこで自立しているような見た目ということを考えると、あまり高さが無くてもなんとかなるような気がしてきたのでそのまま進めることにします。この状態から動かすのも怖いですし。今後そのあたりを実験できたらと思います。

コメント

松木さんこんにちは

 本年受講生の中でも二人しかいない仙台出身者ですね!

 このゼミは植物を栽培するものですから、気温が非常に重要です。ついでに言うと、受講日程的に仕方ない面があるのですが、ややスタート時期としては遅めになり管理に若干工夫が要ります。つまり何が言いたいかというと、仙台の気候を知っていて予測をつけやすい仙台出身者はわずかなアドバンテージがあります。是非とも頑張って下さい!

 趣味は、なるほど今風ですね。実は私も娘の影響で、じんたんなどのゲーム実況や、阪大ユーチューバーはなお、などを見たりします。

 エビとドーナッツもいいですね(混ぜたら危険)。回転すしではエビ5連続くらい行きましょう。私とうちの娘が行くと、エビ・メロン・エビ・フライドポテト・エビ・鴨蕎麦・エビ・ミルフィーユ・エビ・チーズケーキ、の無限ループになります。

 さて、ハワイで三週間というのもゴージャス(死語)ですね。アクティブでいいことです。昨今では海外に大胆に行くのは女子のほうがずっと多くなっていますね。そういう活動はとてもうらやましく思います。ちなみに私などは海外に行ったことがなく、形から入る人間なので、セルビア語やポーランド語、リトアニア語などを独学していますが何の意味もありません。むしろ青春18切符で日本の田舎に行ってるだけで人生終わりです。

 野菜の盆栽、これは教授の付けた言い方で、なかなか言い得て妙だなと思います。本来、お渡しした鉢(五号鉢)は栽培には小さいのです。つまり根の張りはどうしても制限があり、その意味で盆栽なのです(植物は根を制限すると小さいうちから成熟する)。でも経験上この鉢でも栽培できることが分かっています。

 さて庭の花、これはぱっと見ると小さいバラのように見えますが、インパチエンス(アフリカホウセンカ)の八重咲種ですね。虫が付きにくく、暗い場所でも花を付けますのでいいものです。

 さて本題に入って、見やすく構成されているのはさすがです。見る人の立場に立つのは重要です。書き方は各項目を先に出しているのですね。フォントや色使いも面白いものです。

 目標もしっかりしています。まあ、植物栽培に慣れるのもその一環なんですが、そういった目標を文章化できるのは立派だと思いました。

 用具について、温度計は必須としても、プランターなどを用意して頂けるのは嬉しいですね(これを見ている一人暮らしの人は、スペースのこともありそこまでしなくて構いません)。

 栽培植物はほぼアブラナ科、パクチーだけセリ科でしょうか。違いを見ていきましょう。「科」の違い、植物学的にはそれでかなり性格がグループ分けされます。植物に慣れた人は栽培時に科の違いを意識するだけで、大外れしないくらいになる、重要なものです。

 さてスプラウトの置き場は分かりました。なんとなく暗い場所のようです。

 後で詳しい栽培の様子を書かれていますが、コットンを使っているのですか。過去記事を参照にされたのですね。もう少し種子密度があればな、という気もしましたが、二回目も考えているとのことでリソースが限られたのかと想像します。

 乾燥についてはもちろん注意ですね。極端に種子が水没しないように、しかし乾ききることがないように、書かれている通り苗床が厚い方が失敗が少ないかもしれません。まあ、見えるくらいの厚みであれば、ブロッコリースプラウトなら短めですのでいけると思います。

 他の植物ですが、置き場はとりあえずここでいいでしょう。日照について言及されてすが、正にその通りです。強風にさらされず、ネコなどが寄らない場所の中で、なるべく日の当たる所を選んで下さい。一日4時間当たるのであれば先ずは良しとしましょう。

 種子袋の発芽適温は大切な「レシピ」です。天ぷらでもケーキでも作る時には温度をしっかり管理しないといけません。

 まあ、この場合はミックスも黒キャベツもパクチーもそれほど苦労しないで発芽・初期成育すると思われます。

 パクチーは室内と室外で分けてみるのでしょうか。面白い試みですね。他の条件まで言及しているのは立派です。結論から言うと、室内で温度重視とはいっても夜温が高いことは植物にとって決して優しいことではありません。鉢の移動も大変なら窓辺で固定してもいいかもしれません。植物は移動を嫌うのと、夜間の照明は期待したほど光合成の足しにならないからです。

 人間の目の調節機構は優秀で、夜間の室内照明で充分明るく見えてしまうのですが、昼間の直射日光と比べたら百分の一です。人間の目は光を「情報」としてみるわけで、調節機構がありますが、植物は光を「エネルギー」にしないといけないので正味の強さが必要です。

 照度の測定は面白いですね。精度はともかくスマホでできるんでしょうか。単位のルクスというのは古いもので、今はマイクロアインシュタインと呼びます(ちょうど気圧のミリバールが古く、ヘクトパスカルに変わったようなものです)。ルクスで言うと、二千もあれば室内には充分ですが、直射日光は十万もあります。

 この展開ゼミで一番の大敵は光不足による徒長です。しっかり過去記事を見られている通りです。しかし水については、これはもう人によって感覚が非常に異なり、コメントに苦労する部分でもあります。目安としては、土の表面がわずか乾いて色調が変われば、鉢から水が出てくるまで大量に与える、これが基本です。置き場にもよりますが今のうちは3日に一度くらいでしょうか。

 霧吹きは発芽前でしたら優しくてよいのですが、根が張ってきたらそれは使わず、しかりと与えて下さい。鉢を見ますと水やりの分(鉢のふちから土までの縦の長さ=ウォータースペース)が充分あるようですね。一回に多く水をやるというのは、肥料分の余りを流すこと、新鮮な空気を供給することなど多くの意味があり、守って下さい。具体的な量については過去記事参照です。

 さて種子の観察はこの通りですね。パクチー以外は似ているでしょう。逆にパクチーは形も性質も違うようです。実は私も殻を割る作業があることなど初めて知りました。それを行う様子、来年の受講生にとって非常に意義ある記事になったと思います。コリアンダーの匂いがするのはもちろんそうですが、漬けた水からセロリの匂いがするとは...... セロリも同じセリ科なので似ているのでしょうか。ちなみに多くの植物で種子から溶け出す物質は発芽阻害物質であることが多いですね。

 次のステージである播種、パクチーの種子の置き方の工夫が面白いですね。水の量は適切かと思います。案外発芽は強力に吸水能があるようなので、多すぎないくらいがいいでしょう。

 好光性種子と嫌光性種子の違いと、その生態における意味合いなど、これも過去記事参照です。植物は生存のためにきちんと戦略を立て、策を練っています。

 そういえば私も薬学部のカリキュラムは知らないのですが、少しは植物のことを知っていくのが役に立つかもしれませんね。漢方薬は、すっかり脇役になった感がありますが、その各薬効成分に相乗効果があるだけではなく、植物由来のマイクロRNAが存在し情報物質として動物体内に移行、そして各臓器に影響するというのがごく最近のトピックです。興味があれば、それも調べたら面白いですね。

 肥料の量が分からないのですが、パラっというのが数十粒以上なら多すぎですので、その場合には充分水を流して洗い落とさなくてはならないかもしれません。

 それと受講生のみなさんはペトリ皿から鉢に移すのが遅くなりがちですので、根が確認できたら移して下さい。

 最後、5時間も頑張られたのは大したことです。次回以降、よりピンポイントに、スマートにして、時間がかからないようにできたらいいですね。

ではまた、記事お待ちしています

ラボスタッフ・オガタ