東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

近況報告(農:竹本泰)

2019年12月22日 (日)

温かくなったりぐんと冷え込んだり、体調管理が難しい季節です。インフルエンザの予防接種は安心のためにも受けた方がいいですね。インフルエンザの患者の絶対数は仙台市が群を抜いていますが、割合的には石巻市が一番多いです。マスクをつけて歩いている学生を見ると受験生かなと思ってしまいます。そういえば、センター試験が来年変わることがなくなったとか。。。振り回されている今の高校2,1年生は大変です。

さて、画像はお手をしたまるとずんだです。まるは2回目の登場ですがずんだは初ですね。川内北でお世話を始めた4匹のうちの1匹です。2匹ともこちらをのぞき込んでいるのはご飯が待ちきれなかったのでしょうかね。よく聞く話では猫は頭が良くないので、飼い主がご飯を2日分と思ってお出かけしてもその日のうちに食べてしまうとか。餌がいつでも食べられるとは、猫にとっては常に食べ放題ですね。その結果がふくよかな体型ということですか。

オガタさんは弘前に行かれていたのですか。私も是非とも行きたい場所の一つです。弘前公園に弘前城、そして桜!!せっかく東北にいるので来年、再来年の春には行きたいです。


栽培記録

今回は最近載せられなかった植物の栽培状況について報告します。

ちょい辛ミックス


12/22(日) 13:39 気温8度

81日目

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こころなしか、最後にちょい辛ミックスを載せたときよりも元気がないように見えます。そこで、よくよく見てみると(左の画像)徒長というかほとんど根の部分まで出てしまっています。もう徒長の心配はいらないと考えていたのですが、これに関しては違ったようです。個体が小さい分、茎も小さいので風の影響を受けてしまうのですね。とりあえず土寄せをしましたが、帰省前には対策を施そうと思います。

ブロッコリー

79日目

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2株が息を吹き返しました。こまめな土寄せのおかげでまっすぐ育っています。葉も広がっていて茎も太さが出てきました。ただ、黄色い葉(写真右)があるということは、施肥のタイミングが遅かったのですね。調べたところ、ブロッコリーは緑植物春化型・植物体バーナリゼーション型だということがわかりました。これは一定の大きさに成長した後、低温に一定期間さらされることで薹立ちするというものです。上のURLにブロッコリーの薹立ち後の画像が載っているのですが、こんなにもまがまがしいというか不格好たとは知りませんでした。薹立ちできるところまで行けば次世代が育てられるので、もともとある種と別で育てて比較してみたいです。

最近のちょい辛ミックスとブロッコリーを観察していて気づいたのですが、土が1週間たっても乾いていない!!これは、根が張れていないということになります。ブロッコリーは立て直したのであまり心配をしていないのですが、ちょい辛ミックスは心配です。大きくすると息巻いていたのですが、、、

コメント

竹本さんこんにちは

 インフルエンザの予防接種、ホントに有効かいな、と素人くさいことを考えたりしますが、それではダメなんでしょうね。しっかり受けといた方がいいのでしょう。尤も、罹っても数日休めばそれでいいのですが......

 受験に関して、確かに今の人は大変ですね。制度そのものが変わるとか変わらないとか。正直言って東北大は受験勉強が必要なほどの大学ではないとずっと思ってきました。しかし、自分の娘が大学受験する時に、実はかなり難しい大学だったのだな、と思い知ったものです(まあ、うちの娘は教員養成系なのでそもそも視野外、そして数Ⅱの32点で終わってる)。

 ネコ写真はよく似た二匹ですね。ネコが馬鹿かと聞かれたら、間違いなく馬鹿です。少なくともうちのネコは大馬鹿です。風呂のへりを往復して歩いていて、足を滑らせてお湯に落ちてパニックになるほどの馬鹿です。そしてもちろんエサをどんどん食います。うちはいつでも食べ放題にしていますので......

 かなり太ったネコだったんですが、あるとき私がダイエットを始めて家で食べなくなったら、ネコもエサを食べない! 体重が7.2kgから5.1kgに激減しました。慌てていろんな種類、国産のも外国産のも、缶も生も買っては与えました。結局のところ、私がダイエットをやめるとネコもエサを食うという結果に。しかしその時の癖というか「絶品懐石」か「三ツ星グルメ」しか食べなくなったというとんでもない奴です。

20191223141118-2651f8ffae953222f22aca9ff352fd09003b1adb.JPG 今では体重も7.2kgに戻り、こうして出かけるのを玄関で妨害します。

 さて植物は悪い状態ではないようです。

 徒長に関して胚軸部のことを述べていますが、それ以外のところは伸びていませんし、葉の緑色も悪くありません。ただ株が風でふらつくのもいけませんので土で固定すればいいですね。ただしもう増し土ができるほどのスペースがなさそうです(たぶん水やりで土がこぼれるほどになっている)。株元を抑えるか、あるいは周囲につまようじをいくつか刺して固定を図るか、ですね。

 施肥や水やりについて、考察された通りです。寒くなると植物の水の吸い方も減りますので過湿になりがちですね。ただし油断もいけません。カレンダーがあれば印をつけておくのが安全です。帰省時に乾かしてしまわないかどうか、これは日数によります。過去記事をよく参考にして下さい。10日以内なら単純な腰水で充分なんですが、その方法について誤解をする人が毎年出てきます。あくまで水は下から1/3、です。

 さて、花芽形成についてよく調べました。その通りです。

 日長と花芽形成については中学校でも習うことなので広く知られていますが、低温要求などはあまり知られていません。

 キャベツやブロッコリーのブラシカ・オレラセアは植物体型春化ですね。ただしその春化に必要な深さはまちまちのようです。当研究室のブロッコリーで昨年からもう一年以上栽培しているものがありますが、今の時期に蕾が上がっています。

 そういった春化の研究はかつて農学科の一大ムーブメントでした。その成果によって、例えばイチゴの周年生産が可能になり、一年中イチゴショートが食べられるわけです。イチゴの苗をわざわざ高地の冷涼な場所に持っていき、そして低地で育てることで花芽の時期を調整します。

 農学部の人に向けてですが、花芽形成を早めて本来の時期より出荷を早くすることを「促成栽培」、逆に出荷時期を遅くすることを「抑制栽培」といいます。決して成長を抑制するという意味ではありません。

 ほんとについでに言いますが、花芽形成と開花はパラレルではありません。多くの植物では花芽形成は早くとも、ある程度時期を置いてから花を咲かせるのが普通です。それまでのタイムラグを休眠期間といいます。例えばチューリップなどの多くの春咲き球根類は低温で休眠が打破されます。サクラなどもそうなので、桜前線は基本北上しますが、逆に沖縄では低温が少ないので開花が早くなりません。一方、カトレアなどの植物では積算日照時間で打破されます(品種によってそれが異なるため夏咲き・秋咲き・冬咲き・春咲きがある)。

 イチジクなどは前年に花芽形成したものが夏に咲いて実るが、その年に花芽形成したものもまた秋に咲いて実り、結局年二回収穫になるとか、変な植物もあったりします。

では、また記事おまちします。

ラボスタッフ・オガタ