東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

一週間前に比べて...(農:川口菜月)

2020年10月19日 (月)

 こんにちは!栽培を始めて一週間以上経過しました。私はベランダで栽培しているため、鉢受けをせずにそのまま置いています。ベランダには天気が良ければ午前中に日が当たります。水は土が乾き始めたらあげるようにしています。20201019104703-8c3e30aaae7eb79baff7da29837debcceeabdae9.JPG

 さて三種類の植物なのですが、コメントを読むのが少し遅くなってしまいいくつか失敗がありました。まず、ベビーリーフの間引きが遅れてしまったことです。ベビーリーフはすくすく育っていると思っていたのですが間引きが遅れたことで写真のように茎が長くなってしまいました。急いで間引きましたが茎が伸び過ぎてしまったせいか少ししおれているようにも見えます。写真は間引く前と後、そして間引いたベビーリーフです。20201019104851-2fbd79a2b9133f3d924d8d9fa1390abbf7e60eac.JPG20201019104908-aafe75a5f0fc1729080afa73b167cfdc9a73d29a.JPG20201019104925-65028677bd1a1f378263304202beb01077f7a9b3.JPG

 もう一つはかいわれ大根です。だいぶ成長してもう少しで透明コップの縁にたどり着きそうです。遮光もきちんとできているようで葉は黄色をしています。しかし、先生のアドバイス通り、通気性が良くなかったためか黄色い葉に所々黒いカビらしきものが発生してしまいました。調べてみるとかいわれ大根の種子の傷が葉に現れ、黒くなるということで少しほっとしました。しかし、茎の部分にも少し黒っぽいところが見られ、カビの可能性も十分あるので空気が通るように穴を開けて光の当たらない机の下の隅の方に置くことにしました。20201019105008-c0f03ca94a554b0c5f4bb890080105428bfe1b95.JPG20201019105023-cf13802cd74d3c7f326390b4f26e13009dcb5d2b.JPG

 カブはシャーレで発芽したものも植木鉢で発芽したものも順調に育っています。写真に青い丸で囲っている芽が植木鉢で発芽したものです。植木鉢で発芽した芽の方が茎も少し太く、しっかりと根を張っています。カブは本葉が出てから間引くらしいのでもう少し観察を続けようと思います。20201019105045-008c009dc45b7999276228261741eaeb755fe381.jpg

 先週は晴れの日が多く、日光をたっぷり浴びさせることができました。けれどもカブやベビーリーフの成長の速度が遅くなっている気がするのは気温もだんだん低くなり夜中には15℃を切っていることが関係しているのかなと感じます。寒さ対策として考えているのは夜の間、植木鉢を保温アルミバックに入れることです。百円ショップでいろいろ考えた結果これが一番簡単だと思って購入したのですが・・・よく考えるともう少し寒くなれば昼の間も15℃を下回るようになって昼も寒さ対策を行わないといけなくなるのでやはり日光を遮らず保温できる透明な栽培用のケースが必要かもしれません。少し振り返ってこのゼミを取ってこられた先輩方の対策を見て、参考にさせていただきたいと思います。

今回も最後まで読んでいただきありがとうございました!

コメント

川口さんこんにちは

 栽培はざっと見たところ順調のようで何よりです。気温のことに触れられていましたが、仙台市はここからどんどん気温が下がり、外にいづらくなるものです。一年生の方はまだそれを知らないと思います。仙台の特徴は冬に天気が良く、低温ではありますが極度に寒い日はありません。一番寒くなるのは2月10日ぐらいで、0/-5℃くらいが最低ですね。年によっては水道管凍結がありますので油断できません。ドカ雪が2、3回ありますが、根雪になることはあまりないものです。街中ならば雪で困ることはまずないですね。そして一番の特徴は、春が遅い! とにかく寒いのが4月まで続き、特にその終わり頃には強風が吹き荒れることがあります。

 川口さんのご出身の関西といえば、私は学生時代は大阪の御堂筋の北端、箕面市でしたが、仙台と比べてゲリラ豪雨が凄いな、そして夏に夜が暑いな、と思った記憶があります。

 さて今回の報告内容ですが、ベランダの陽当たりはそこそこのようです。それは栽培上最も重要な情報であり、今回はそれがクリアできそうで何よりです。しかし鉢受けはやはり必要になります。おそらく水が出ても不都合ないということなのでしょうが、確実に一度に必要な量の水をやっているかの確認と、コンクリートの冷気が直接鉢に伝わらないためです。そして正月に帰省しますので、鉢受けの水によってその間対処しなくてはいけません(そのやり方については、家を空ける日数によりますので、その時期にお話します)。

 ベビーリーフのミックス種子は見事に発芽し、もさもさになりました。いち早くその対処に動いて間引きをしたのは大変結構なことです。写真で見る限りもっと間引きを強くして、この半分以下でいいと思います。ベビーリーフは小さいうちに収穫するので多少混みあっていてもいいのですが基本はお互いに押し合いへし合いになってはいけません。既に徒長しかかってますので間引いて陽に当てて下さい。ミックスとはいえ必ずしも全部の種類を含めて収穫しなくてもいいのです。

 それと今現在はまだ種子の消毒薬が完璧に分解されたか分からないのですが、この後一週間を過ぎれば、ベビーリーフでもコカブでも間引きを食用にして構いません。

 さてカイワレは遮光もよく、無事に伸長してきています。毎年その黒いところの話が出るのですが、食用には構いません。しかしもうわずか数日で一気に遮光を解いて緑化ですね。換気孔を設けるのは良いのですが、その場合は遮光に気を遣うべきです。かすかに光が当たって伸長が止まり、しかも緑化まで至らなくなれば、様子を見ているうちにやがて種子のエネルギーを使い果たして食用にならなくなります。基本は完全に遮光→10cm以上伸びたら一気に光に当て、2日で緑化させて収穫、という流れです。

 コカブの様子も順調ですね。鉢に直接播いたものとペトリ皿のものとで差が出たこと、当方としても新しい知見であり、来年からの展開ゼミに役に立ちます。当方としても今年は例年より暖かいのかと油断していたらしっかり気温が下がってきてしまい、展開ゼミも成長がつまづかないようフォローしなくてはいけません。あ、保温について過去記事を参考にして下さい。基本は、皆温帯性植物なので、仙台の冬でも枯れることはありません。屋外放置で結構です。わざわざ屋内に入れる必要はなく、移動は要りません。

 それと受講生の皆さんが勘違いしやすいのは植物は動物ではありません。そのため夜間の低温に気を遣うことは要らず、夜にカバーをかけたり暖めたりしてはいけません。動物や熱帯性植物の場合は、最低気温が重要になるのですが、少なくとも温帯性植物は寒さに耐える機構が備わっています。むしろ保温が必要なのは昼間です。なぜかというと、植物が光合成するのはもちろん昼間であり、その時にある程度の温度がないと酵素が働かず、せっかく光があっても光合成できなくなるためです。そして、夜間に保温すると、夜間の呼吸消耗が大きくなってしまい、むしろ植物の首を絞めます。これは昼夜間の温度差が大きい山形や福島の果物がおいしいのと同じ原理です。

 おまけに植物は自分から熱を出すことはしないため、くるんで覆っても温度はさっぱり上昇しません。当研究室は温室を持ち、研究用に植物を栽培していますがそれは暖房のない無加温です。日中の気温を太陽熱によって高め、しかし夜間は外気と同じだけ温度が下がります。それでオッケーなのです。

 ではまた記事お待ちします。

 ラボスタッフ・オガタ

20201019150124-553765fc9f978920846d2e6127f79fb4dec09087.JPG 写真はどうでもいいものですが、フカヒレなのにサメが馬鹿に陽気なのがいいですね!