東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

③ カイワレ大根収穫・実食 ー水の管理は難しいー(農:小島蒼太)

2021年10月17日 (日)

先日は一緒に頑張っていくメンバーの顔を見ることができてよかったです。ぜひ、これからよろしくお願いします。

さて、今回の写真は高校2年生の夏に登った北岳からの景色です。私は高校時代は山岳部に所属していました。藤枝東高校の山岳部員だった山田君とは大会の時に何度か顔を合わせたことがあります。まさかこんなところで巡り会うとは、、やはりこの授業には何か運命みたいなものを感じます。

 

今回の記事は前回はまとめきれなかったカイワレ大根の緑化~実食(10月10日(日))のまとめです。

 

目次


1. 緑化

2. 収穫:原因考察

 2.1. 問題1:茎が折れてしまった問題

 2.2. 問題2:根元にカビが生えていた問題

3. 実食

4. まとめ


1. 緑化

10月10日(日)朝の気温は21℃。天気は4日ぶりの晴れ。本当は前日に緑化したかったのですが、雨だったために延期になりました。この日は1日出かける用事があったため、朝からベランダに出して緑化させることにしました。

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夜、帰宅して見てみると、、、店で売られているものと比べると少し薄いですが、しっかりと緑化していました。一方で、前日から元気がなかった茎はさらに折れてしまっています。

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2. 収穫:原因考察

緑化が完了したため、ついに収穫です。しかし、プラコップからカイワレ大根を取り出す際に新たな問題を発見しました。根元の部分に少しカビが生えてしまっていたのです。茎が折れてしまった問題に加えて、最後の最後に問題が露呈してしまいました。これら2つの問題の原因について考えたことを記します。

 

2.1. 問題1:茎が折れてしまった問題

2日ほど前から急に元気がなくなり茎が折れてしまった問題ですが、当初は背丈が伸びたために細い茎では支えきれなくなってしまっただけで、しょうがないことだと捉えてしまっていました。しかし、収穫の際に下に敷き詰めていた紙の土台を取り出すと水分がかなりなくなって乾きかけてしまっていたことに気が付きました。そのため茎が折れてしまった主な原因は、水分不足により茎が萎れてしまった状態になったために高い背丈を支えきれなかったということであるという説が強くなりました。植物体が大きくなったがために必要とされる水分も最初の段階よりも多くなっていたことに気がつくことができませんでした。次に栽培をする場合には、割り箸で土台を押してみて湿り気を確認するなど、水分不足を防ぐ工夫をしたいと思います。

 

2.2. 問題2:根元にカビが生えていた問題

紙の土台を取り出すと、根元の部分にカビが少し生えていました。

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この問題については、私が現在考えている主な原因は2つあります。

① 種子の表面にカビが付着していた

カビの多くが落ちた種子の外皮についていたため、最初の記事に載せたカイワレ大根の種子の写真を見返すと、いくつかの種子の表面の一部が黒くなっていることに気がつきました。普通に外で育てる場合には多少カビがついていても外皮はすぐに外れてしまうため多少のカビでも問題にはならないと思うのですが、カイワレ大根の場合は外れた外皮は湿った土台の上に落ちるため、そこでカビが繁殖してしまった可能性があります。この黒い部分がカビであったのかは分かりませんが、栽培を始める前に一度種子を洗っておくと良かったかもしれません。

② プラコップの底の部分の換気が悪かった

これは2本目の記事を見返していて気付いたのですが、10月7日あたりからプラコップの底の部分が曇っていました。つまり、紙自体に含まれる水分量は少なくなっていたものの、周辺の湿度はかなり高くなっていたことが分かります。おそらく、植物体の密度が大きくになるにつれて空気の通りが悪くなってしまっていたのだと思います。アルミの蓋の部分は穴を開けるなどして空気が通るようにしていたのですが、プラコップ自体にも底から3cmほどの高さに穴を開けておくとよかったかもしれません。


3. 実食

本当だったらサラダにして食べたかったのですが、カビがついている部分を切り、短くなってしまったことに加え、適当なドレッシングがなかったため今回は味噌汁に入れていただくことにしました。少し萎れ気味だったカイワレ大根も、3分ほど水に浸すとかなりシャキッとして水々しくなりました。少し辛味もあり、美味しかったです。

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4. まとめ

順調に育ってきたように見えたカイワレ大根でしたが、最後に問題が発生してしまいました。また、この問題に対処するには土台本体の「乾燥」と土台周辺の「湿気」の相反するような原因をどちらも解決しなければならないということも分かり、水の管理の難しさを実感しました。たかがカイワレ、されどカイワレ。最初から野菜作りの奥深さを痛感しています。この教訓を生かし、他の野菜栽培も頑張りたいと思います。

コメント

農学部・小島さん

この講義は不思議な人間関係があり、こちらもびっくりです。1年間、教養の講義を受けているだけでなく、基礎実験等をしたからでしょうか。よく考えていると思います。

緑化をするとき、日照に気をつけているのもなかなかです。次回、トライするのであれば、是非、自宅にいるような土日で緑化をして、時間変化を観察するとかはどうでしょうか。もちろん、他の受講生の方も。そうしたら、色がつくことにどれくらい時間がかかるのかということも観察できるか。あと、水管理はカイワレダイコンだけでなく、通常の栽培でも「徒長」との関係で同じですね。難しさは。

今週から気温が下がります。室内の温度も下がるかと。暗黒条件にしているとき、温度が低いと、カビは生えにくいですね。生長のスピードは遅くなりますが、。。種子、カップを洗うそれは、トライする価値はありますね。何より、自分で栽培したものを食する。おいしいと思います。


わたなべしるす