東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

第12回 番外編 光のページェントとケヤキの関係(経:佐藤暢輝)

2022年1月 6日 (木)

第12回 番外編 光のページェントとケヤキの関係

皆さんこんにちは!前回の記事では、ベビーリーフを育てた日々を振り返り、当時の気持ちや、まとめてみた始めて気づいたことを記事にしました。

さて、今回は趣向を変えて、純粋な疑問を調べてみました。


渡辺先生のコメントを受けて

第10回第11回より)

>>その時は植物を何とかしようということで一生懸命だったと思います。それを冷静に振り返るのが、1つの異なる時間軸で見直すということ、そこからの気付きになると思います。

良い経験になったと思います。この授業以外でも、何かを終わらせた後は振り返りをして新たな気づきをえたり、それまでの経験を自分の糧としたいです。


>>こうした報告と会わせて現在栽培中の植物がどうなっているかを簡単に紹介頂ければ、その植物への時機を逸しないコメントができると思います。

現在の植物の紹介をした方が良かったなと思いました。ただ、帰省してしまったので、更新は次回記事(又は次々回)になりそうです。

本編

04.JPG

そもそもの動機

遊びに行く途中でヒカペを見たのがきっかけです。自分は岩手出身でヒカペを見るのははじめてでしたが、想像以上にきれいでビックリしました。

それと同時に、こんなにライト巻き付けて、光を夜当てまくって、木には影響がないのかなと疑問に思いました。そして、これはギリ植物関係だなと思い、今この記事を書いている所存です。

光のページェントの情報

電球数:42万球(全てLED)

グリーン電力:2021SENDAI光のページェントの期間中の使用電力1,000kwhは、バイオマス発電によるグリーン電力を利用しています

概要 | 2021SENDAI光のページェントより)

LEDが植物に起こす影響

○LED照明の作物への影響について

光による植物などへの影響は、これまでも多く研究されてきています。

・LED照明に限らず、青色光は作物の成長(伸長)を抑制します。(発芽の促進や花芽の成長には逆効果があるようです。)

・赤色光は発芽促進、花芽の成長を進めます。

(一般的な電照菊の開花制御などは、光の色より量が効果的なようです。)

このように光の色成分を有効に活用する事例もあり、適切な照明(色・色成分・量)を設計時に選択することが重要です。

LEDの危険性について/長野県より)

LEDで光合成できる? | 大塚商会←もっとLEDと光合成について詳しく書いてます。

光のページェントの光は黄色なので、植物の成長の抑制を妨げることはないと考えられます。

結論

浅い調べ物で恐縮ですが、定禅寺通りのケヤキはもう十分大きいし、落葉広葉樹林なので、冬はあまり成長しないのではないかという理由から、光のページェントはケヤキには影響はないと考えられます。

ケヤキについてはこちら


後書き

趣向を変えてみました。
この授業でブログを書いていなければ、ヒカペを見るたびに「ああ、いずれは素敵な人とハートの飾りで写真撮りたいな」とか「来年のクリスマスはここで良い思い出ができるんじゃないか」と悲壮な気持ちを抱えるのみだったと思います。

植物への影響という観点から、ヒカぺを捉え直せて楽しかったです。

次回、本編。ブロッコリー回か、二十日大根回です。お楽しみに!(1329字)

コメント

経済学部・佐藤さん

光のページェントですか。最近はホンモノでなくて、web上の写真を見るくらいです。また、バスの行き先案内板がこのイベントの関係で別経由になっているという表示はよく見かけますが。とはいっても、次に見るのは今年の年末までないのですが。

植物に光を当てると様々な影響が出ます。逆に利用する場合もあります。電照ギク栽培はよい例でしょうか。それからぼちぼち花屋の店先でウメ、サクラの枝に開花したものを見かけるかと。十分な寒さに暴露されていれば、枝を切って温度を上げると、花が咲きます。季節の先取りが花屋では重要なので。

また、この展開ゼミでも時々見かけますが、ホウレンソウを栽培して、室内に置く、あるいは室内の光が漏れるということをやると長日条件になり、葉っぱと葉っぱの間隔が広くなる、つまり茎が伸びている「抽苔」という状態になります。花茎が出ていると言うことです。研究室でも今年、同様のことが起きました。近くで長日条件になっているところからの光漏れで。この時期ですから、屋根があるようなところでなければ、雪などの影響で幼植物が成長するのは難しいし、街中なのでそうしたものもないかと思います。

ただ、植物は動かないので何も変化がないように見えるかもしれないですが、リンゴとサクラの写真です。写真をクリックすると、大きくなって見やすいかと思います。

DSCN3825.JPGDSCN3913.JPGリンゴは昨年の11月で、サクラは今日のものです。葉っぱが取れたところにあった腋芽が越冬芽として少しずつ大きくなっています。2月になると、もう少し見やすくなるはずです。つまり、1ヶ月ほどではあるかも知れないですが、腋芽の生長には何かの影響があると想定されます。詳細な実験をやった人がいるかは不明ですが、そんな実験結果を探してみる価値はあるかと思います。次回の時系列での整理を楽しみにしています。もちろん、最終報告も。。。。


わたなべしるす