東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

ちょい辛ミックスの経過(農:高橋悠太)

2023年1月23日 (月)

こんにちは。高橋悠太です。

最近はテスト期間となり、勉強の方も中々忙しくなってきました。そんな中でも植物の手入れは怠らないようにしていきたいと思います。

この写真は前回10月頃に育てたちょい辛ミックスの写真です。今回は前回から栽培を始めたちょい辛ミックスの経過についてお伝えしていきたいと思います。

質問:このちょい辛ミックスについて、栽培し始めるのが遅くなってしまったこともあり、もう少し生長した様子も記事にしたいのですが、最終報告が終わってから15回目の記事を出すということは可能でしょうか?やり始めるのが遅れた自分が悪いのですが、もし可能でしたら幸いです。

5日目、10日目のちょい辛ミックスの様子

以下は、上から4つが5日目、その下4つが10日目の写真である。

41986.jpg41987.jpg41988.jpg41989.jpg41990.jpg41992.jpg41993.jpg41991.jpg

※5日目、10日目それぞれ全体、密集エリア、ばらまきエリア、3cm間隔エリアの順となっている。

あらすじ:前回から再びちょい辛ミックスを3エリアに分けて栽培し始めた。1つは約3cm間隔を取り余裕をもたせて配置したもの(3cm間隔エリア)、2つ目はあえて一カ所に密集させて配置したもの(密集エリア)、3つ目は前回のようにばらまいたもの(ばらまきエリア)である。種子はそれぞれ18個ずつとした。

これを栽培し始めてから10日が経ち、発芽する個体が多くなってきた。密集して育てているエリアは発芽率が最も高く、ばらまいたエリアが最も低い。具体的には、発芽率は密集エリアが10/18(55%)、ばらまきエリアが7/18(38%)、3cm間隔エリアが8/18(44%)である。ちなみに温度は一律12℃付近、水も全て一定となるように与えている。

この発芽率の差は、単なる個体差によるものと考えてよいだろう。ただ、全体的に発芽率が低いのが気になるところだが、これはやはり気温が低いことに起因するのだろうか。

密集エリアではすでに個体同士が絡まり合っていることが見てとれる。他2つのエリアは個体間での相互の接触はまだないようである。この違いが、後の生長にどう影響していくのかは観察すべきポイントである。また、発芽している個体の生長率はそれぞれでは差があるものの、エリア間での差はあまり見られなかった。

今後の栽培の中でこのエリアごとの生育の差がより顕著になっていけば面白いのだがどのような結果になるのだろうか。

コメント

農学部 高橋さん

育種の渡辺です。2回連続で2つ同じものが投稿されていたので、新しい方を残して古い方を1つ削除しました。念のため、確認下さい。スプラウトにすることが目的だと思います。だとしたら、徒長をしてよい訳なので、気温はもう少し高くてもよいかと思います。家にいる時間はそれが可能かも知れないですが、講義に出ていない、夜に高温を作るのは難しいかもしれないですね。書かれてあるように、密度効果が分かるためには、気温が20oCくらいはほしいように思います。今の時期はなかなか難しいようね。今週が最終報告の〆切です。しっかり対応して下さい。それ以外については、今日月曜日の夕方にラボスタッフのオガタさんからのコメントが投稿される予定です。それも参考にして下さい。


わたなべしるす






高橋さんこんにちは

 最終報告が終わった後に、レギュラー記事を載せるのは大歓迎です! 数年前にはそういう受講生が多かったのですが、最近はあまりいないので寂しく思っていました。

 これは私の持論なんですが、何についても、「利害関係が無くなってからが勝負」と思っています。利害関係があるうちは、何かとコミュニケーションをとるものです。しかし実際は利害関係(例えばゼミで単位を取るとかいうことも含め)無しの時が重要で、後々響いてきます。高橋さんがもしそうすれば、こちらとしては長きに渡ってそのことを覚えていますし、髙橋さんがもしも必要な時に訪ねてきてくれても歓迎して対応するでしょう。

 さて記事は前回に続き、「播種形態と成長」の実験についてですね。10日でここまできましたか。正直、この寒さで、いかに室内といえども(12℃では)発芽できるか危ぶんでいましたが、どうにかクリアできそうです。発芽率が全般に低調なのは仕方ないですね。

 成長の差が見えるのはこれからでしょう。

 ただし、発芽率の段階でしっかり差がありますね! これはまあ個体差といっても仕方ないのですが......それでも差があります。学年が上がると、実験で「平均値」の他に、ばらつきを示す「偏差」、そしてそれを用いた「検定」のことを習うと思います。物理実験ならいざ知らず、生物の実験ではばらつきは避けて通れません。そこで、平均値の差を「差がある」か「差が無い」とするか、数学的に検定するのです。具体的には95%の確率で差がある、とかいう言い方で示します。

 今回の実験では検定までできないのですが...... 面白い差になりました。実は、差がついた原因を考えようと思えばできます。発芽時に種子からいろんな物質を出します。糖類はもとより、生理活性物質も含みます。その濃度が密集種子では高くなり、発芽を促進したのかもしれません。また呼吸で二酸化炭素を出しますので、その局所的濃度が関係したのかもしれません。本来、土の中で発芽すべき嫌光生種子は二酸化炭素濃度が高い方が発芽しやすいことが分かっています。

 さあ、最終報告の期限が来ます。それもまた期待してお待ちします!

DSC_1809.JPGラボスタッフ・オガタ