[83日目]温室の改良と成長記録(1626字)(農:八巻慶汰)
2018年12月27日 (木)

こんにちは、農学部1年の八巻です。クリスマスも終わり、年の終わりの雰囲気が感じられる頃になりました。年末は自宅で映画でも見ようかと考えています。昨今ではNetflixやHulu、Amazon primeなどの定額動画配信サービスが物凄い勢いで成長していますが、VOD(ビデオ・オンデマンド)サービスの質と量は今後のビデオ業界を驚異的なまでに支配していきそうです。ただやはり映画館にはスクリーンで見る時の映像と音響の迫力があるため、劇場で見る需要は今後も維持されていくのではないでしょうか。
さて、今回は前回に引き続き温室の改良とミズナとブロッコリーの成長記録です。
12月19日[83日目] 10.2℃ 38%
前回のオガタさんのアドバイスにもありましたように、少し温室のサイズが小さすぎたせいかミズナの葉で折れてしまったものがありました。日光が十分に入っていないことも考えられるので、早急にこの日は温室を取り払い、後日改良をするように計画しました。
ブロッコリーは変わりなく高さ12.5㎝程、本葉の大きさは大きいもので6㎝程、四枚目の本葉である小さいものは2㎝程です。ミズナは少し体勢が悪く、やはり温室のコンディションが悪かったように感じられます。本葉は大きいもので約10㎝程です。
後日、温室の改良を行いました。
今回行ったのは主に以下の三点です。
・温度計の設置
百円ショップで購入してきました。本当はデジタル表示形式のものが欲しかったのですが、見当たらなかったのでアナログ形式のものになりました。
温度計は温室内に置いておきます。
・段ボールのカット
植物体にあたる日光の量が温室によって遮られている様子でしたので、側面を囲っていた段ボールのカットを施しました。
・上部のスチロールのカット
以前は中央にもスチロールが存在していましたが、これも強度の面で必要性が低く、日光条件の悪化につながっているのではないかと思い取り払いました。
改良をしたものが以下の写真です。
12月24日[88日目] 9.5℃ 41%
温室内の温度を見てみたところ、9.5℃と、同じ温度でした。(午後2時ごろ)
ブロッコリーは変わりなく成長しています。高さは14㎝ほどです。近づいて見たところ、本当に小さいですが本葉の五枚目が芽生えてきていました。大きい本葉は引き続き6㎝程です。
ミズナは同様に本葉が10㎝程になっています。
12月27[91日目] 9.7℃ 42%
温室内の温度は、10℃で、室外より0.3℃ほど高く、若干ではありますが、効果が出たように思われます。(午後3時)今回は少し遅れてしまいましたが、2回目の追肥をしました。前回の追肥と同様、ミズナは、表面に2か所、小さめに穴をあけ、頂いた肥料を一つまみずつ入れ、土をかぶせました。ブロッコリーも同様に表面に3か所肥料を埋めました。
ブロッコリーは三日前よりも体勢が良く、個体の成長の揃いが良いように感じられます。
ミズナも異常は見られないようです。
前回のコメントで自分のミズナの紫色の部分が少ないとあり、確かにと思い調べてみたところ、私が育てている紅法師は、紫色の部分がアントシアニンの色素によるもので、安定した発色には良い光・風通し・気温・潅水管理が必要とのことで、今後は発色も成長の目安にしてみようと思います。
また、私が育てているのは赤ミズナという品種の一つですが、ミズナには他にも紫ミズナという品種があるそうです。紫ミズナは茎の部分は緑色で、葉の部分が紫色になっており、アントシアニンは本葉の方に主に蓄積されるそうです。蓄積場所が違いますが、生育条件への適応の違いなどにより蓄積される場所が変わり分化したのかと考えています。
次回の報告は年明けになると思います。
渡辺先生をはじめラボスタッフのオガタさん、マスコさん、この記事を見ていただいてる方々には10月から3か月お世話になりました。ありがとうございました。
来年もよろしくお願いいたします。
【今回の文字数:1626字】
コメント
八巻さんこんにちは
年末はそんな過ごし方でしょうか。なんだか高尚です。若者は年の瀬に浮かれてウェーイ、というわけではないのですね。
動画配信サービス、確かに昨今では多いもので、顧客囲い込み合戦も盛んなものです。月々わずかな料金のようでも大量に低コストで配信すれば利潤は大きいのですね。そして顧客の嗜好情報も入るでしょう。
そういえば私も先頃そういった月々かかる経費のダイエットをしました。ケーブルテレビ廃止などです。それほど大きなコストではないのですがスッキリしました。
映画に関して、これは仰る通り娯楽として別ジャンルで生き残っていくと思います。私も映画をかなり多く見ますが、それは一つには足を運んで非日常を楽しむことがあります。そしてもう一つ映画は始まったら最後まで見なくてはいけません。家での鑑賞なら途中で止めて、などついやってしまうのですが、それが出来ないのも映画のメリットではないでしょうか。
映画といえば年末娘と「ニセコイ」でも見てこようかと思います。ドラゴンボールは結局私一人でもう見てきましたし。
さてミズナとブロッコリー、全般的にうまくいっていると思います。
温室の改良もいいですね。先ずは温度計、なんだかレトロです。昔の小学校教室にあったような感じですね。そして今回一番変わったことは、日照のことを最大限考えて作り上げていることです。結果として段ボールは柱状にだけ残されました。そしてこの場合上部にスチロールがあるのが特徴的ですね。今までの受講生の例にはあまり見かけないことです。
そうすれば強度が心配になりますが、風でいかがでしょうか。背面の段ボールまで取り払っているのでそこだけが心配です。またほとんどの受講生が温室の補強にトラス構造を取らないのですが、いつも見ていて惜しいなあ、と思っています。
ビニールで覆われていれば立派な温室です。スキマの量まできちんとしていれば効果がないことはないでしょう。計測された日の日照条件を知りたいところです。晴天で日照が良ければもっと温度は上がると思います。ただし、そういうことも含めてどれくらいの効果なのかこちらも非常に興味があるので、できればこれからも測定した分は報告して頂ければ助かります。そういうデータが今後に必要です。
ミズナの品種特性についてもよく調べました。私も育てたことがない紅法師ですが、そういう発色条件があるのですね。ただ遺伝子導入すれば勝手に発現するのではなさそうです。そして他の品種では葉にアントシアニンが蓄積されるものがあるとは、実は知りませんでした。遺伝子発現は非常にコントロールされているもので、引き金になる何がしかがあるのでしょう。葉と茎、何の違いがその引き金でしょうか。植物には不思議が多いものです。最近動物体内ではエクソソームという脂質膜に守られたスモールRNAが体内を巡って物凄く多くの情報を伝搬することが分かってきています。植物もまた同様の機構があるのかもと期待されています。情報という観点で見るとまだまだ研究すべきことはあります。
ではまた
ラボスタッフ オガタ