11. ミズナ紅法師 赤丸二十日ダイコン ニューコメット⑧ 86日目~94日目(宮教大:金あおい)
2019年1月11日 (金)
一番初めの写真は、「くわい」という食べ物だそうです。お正月に初めて食べました。さつまいものような、栗のような味がしました!
私は、このお正月、温湯温泉(ぬるゆおんせん)行ってきました。ふろに入って、食べて、寝てを繰り返し、ゆったりと過ごしました。
ミズナ(ミズナ紅法師)、ニューコメット(赤丸二十日ダイコン ニューコメット)を育てています。
今回は、植物の観察に加えて、①温室づくりについて、②収穫したミズナのアントシアニンの色の実験を報告したいと思います。
〇 オガタさんからのコメントに対して
・ さて、写真で見ますとミズナは大きく育ち、収穫の時期になりました。これは葉を随時取って収穫しているのでしょうか。
;ハツカダイコンも次第に成長してますね。収穫近いでしょう。
→ 前回収穫したミズナは、鉢から育てたミズナとは、別のプランターで育てていたものです。間引いたミズナや、余った種で育てたものが成長していたので、収穫してみました。
今回は、別のプランターで育てた二十日ダイコンと、鉢で育てた二十日ダイコンを収穫して、味や断面などを比べました。また、鉢で育てていたミズナも、一部収穫し、食べてみました。次回の報告で、触れたいと思います!
・食レポは喜多方ラーメンですか。とても綺麗に作っています。さてそこに入れると紅が青くなったんですね。面白いことです。食品の化学も身近で分かり易いですね。実は中華麺には、小麦粉のグルテンを安定化させて麺のコシを出させるためにアルカリが加えられています。主には炭酸カリウムです(ちなみに体に害はない。そして中華麺が黄色いのもこのアルカリのため)。逆に言えばアルカリが入っていなければ中華麺とは言いません。
それで、ミズナのアントシアニンがアルカリによって青く見えた、ということだと思います。
鍋ではあんまり青くなったりしてないように写真では見えます。ついでですが、おそらくラーメンの醤油が濃いと、そこには有機酸が含まれていますから青くならなかったと思います。また、加熱時間が長いとこれまたアントシアニンが分解されてしまうので青くならない気がします。この場合は絶妙だったのでしょう。
→ 前回ミズナをラーメンに入れると、ミズナは青くなり、鍋に入れてみると青くはなりませんでした。アントシアニンは、紫キャベツのように、色の変化がみられると思い、今回は、お湯とお酢にミズナを入れて比較してみることにしました。
まだコメントをいただく前に実験をしたので、その段階では、ラーメンにミズナを入れると青くなるイメージで、お湯に入れても青くなると思っていました。しかし、そのようにはなりませんでした。やはり、喜多方ラーメンと鍋でミズナの色に違いがあるのだとわかりました。何が違うのだろうかと疑問に思っていました。
その後、オガタさんからコメントをいただき、中華麺にコシを出させるために、アルカリが加えられていると知りました。よく考えてみますと、ラーメンを作る際に、ミズナを入れたタイミングは、麺をゆでた後、そのゆで汁に紅法師を入れていたのです。そのため、青い色がはっきりと出たのだと納得しました。食品化学、面白いですね!ありがとうございます!!
・ 水槽で温室というのも、意外に展開ゼミ初ではないかと思います。自宅生ならではですね。それを使う効果がどれほどなのか興味あるところです。
→ 私の家では、金魚とメダカを飼っています。使わなくなった水槽がいくつかありましたので、再利用致しました。透明ということで中も見えますし、太陽光も入ります。頑丈ですので風や雪の重さにも強いです。うまくいけばよいなと思います。
今回の報告では、温室の中の温度と外の温度を測定いたしました。温室の中は、外の気温より約2~2.5℃程、温かくなっていました。
〇85日目 夜、雪が降り積もっていました。温室をつくらなければと思いました。
〇 86日目
① 温室づくり・植物の観察
(② 収穫・食レポ )
③ ミズナのアントシアニンの実験
をしました。
②の収穫・食レポについては、次回報告したいと思います。
①温室づくり
準備物:
水槽、水槽のふた(どちらもガラスで透明)、本立て、透明テープ
作り方:
写真のように、水槽を横にして、水槽の上部分が太陽を向くように設置しました。水槽のふたが倒れないように、水槽のふたを横に取り付け、上の部分を透明テープで固定しました。下の部分は自由に開閉できるようにし、鉢を取り出すことができます。水槽のふたが倒れないように、本立てで安定させました。
空気が出入りできるように、少し水槽のふたを傾けて隙間を空けて設置しました。水槽の中には、温度・湿度計を入れておきます。
ちょうど、作成後に雪が降ってきました。温室によって、雪は直接植物の上にはいきませんでした。
植物の観察
〇 86日目 約2℃、約60%(15:53頃)
・ 分かれ目からの本葉の最大の長さ (前回と比べて±)
ミズナ(3つのうち一番左側のミズナ): 24.2cm(+0cm)
ニューコメット: 10.2cm(+0cm)
←右側のニューコメットが最大の長さをもっていました。
・ 本葉の数 (前回と比べて±)
ミズナ(3つのうち一番左側のミズナ):約45枚(+約1枚)
ニューコメット(左側・右側の順に):14枚(+0枚)・10枚(1枚)
↓ 左側のニューコメット
↓ 右側のニューコメット
・ ミズナについて
丸い◎のような、年輪のような斑点がありました。同じ葉の中で数が以前より広がっていました。斑点は、外側に生えている2枚にあり、太めの茎の葉にありました。除去すべきか。食べることはできるのか。調べてみます。
ミズナは、前日に雪が積もっていた重さで、外側にある葉で、柔らかく、ぐったりとしているものがありました。
3つある株のうち、右側と真ん中の株間が、1.5㎝と狭いので、間引きが必要なのかもしれません。または、混み合っているミズナを収穫しようと思います。
・ ニューコメットについて
こちらの葉は、先端から、黄色くなって枯れています。
一番外側で、葉に割れ目がない葉が枯れてきています。
また、クシュっと縮れているもの、
茶色に近い黄色になっているものもありました。
③ ミズナのアントシアニンの実験
別のプランターで育てていたミズナを収穫しました。
前回言っていたように、ミズナを、お湯やお酢に入れて、アントシアニンの色の変化を見てみたいと思います。
・ 生のそのままのミズナ
→ 味は、濃厚で、うまみがありました。苦みはなく甘みを感じました。
・ 沸騰したお湯に10秒間ミズナを入れた後、取り出したミズナ
→ 葉の裏側も緑になり、全体的に緑が濃くなったように感じます。
ゆでるとシャキシャキ感を感じ、また、茎は塩分が感じられ、より甘さも感じられました。
次に、もう少ししたら色が喜多方ラーメンの時の様に、青くならないかと期待して、長めにお湯に入れてみました。
・ 沸騰したお湯に、100秒間ミズナを入れた後、取り出したミズナ
→ 色が抜けてきてしまいました。薄い青色のゆで汁がでていました。
くせがなく、味があまりなくなってしまいました。ゆで汁においしい成分が抜けたようです。
(上から順に、生、10秒お湯、100秒お湯、酢)
・ 酢にミズナ
→ 茎が赤くなり、酢に染み出ていました。
酢による赤色で、色どりがきれいなサラダになりそうです!
〇 87日目 温室の温度を見てみました。
温室内: 約2℃ 外の温度:―1℃ (16:55頃)
この日も、二十日ダイコンを収穫し食べました。後ほど報告します。
〇 88日目 温度を測りました。
温室内: 約26℃ 約42% 外の気温:11℃(日中)
温室を見ると、水蒸気が内側のガラスの面についていました。
温室内の温度がこんなに高いのは、温室の中の温度計に直接日光が当たっていた可能性があるので、あまり参考にならないかもしれません。
この日は、多めに水やりをしました。
〇 90日目
温室内 約4℃ 約60% 外の気温:1.5℃ (20:50頃)
・ 分かれ目からの本葉の最大の長さ (前回と比べて±)
ミズナ(3つのうち一番左側のミズナ) :20cm(―4.2cm)
左側だったニューコメット :9.2cm
← ニューコメットは、前回までは右側の本葉で、最大の長さを測定していたのですが、収穫しましたので、今後は左側を観察していきます。
・ 本葉の数 (前回と比べて±)
ミズナ(3つのうち一番左側のミズナ)
: 53枚(+8枚)
ニューコメット
: 13枚目(―1枚)
ニューコメットの葉が一枚枯れました。
・ ミズナについて
さらに全体的に紫色の葉が増えてきました。
斑点が広がってきました。また、枯れている葉もありました。
風通しが悪く、水が乾燥しにくく土が湿っているようにも感じましたので、風通しを考える必要があるかもしれません。カビなのでしょうか。少しだけ、この日は温室の隙間を大きめにし、空気が入るようにしました。また、今度天気のいい日中に、風に当てたいと思っています。斑点について調べていたのですが、白さび病かもしれません。低温多湿の気候も発生の原因となるともありましたので、心配になりました。
また、今回、鉢で育てている、3つ株があるミズナのうち、右側と真ん中の背の高いミズナを収穫することにしました。
今回収穫したミズナは、葉の裏まで紫色になっているものもあります。また、斑点があるものも一緒に収穫してしまいました。斑点があるミズナは、炒めて、ラーメンの具になりました。特に体には影響はありませんでしたので、よかったです。
〇 94日目 温室内 約4.5℃ 約68% 外の気温:2.5℃ (16:44頃)
水やりをしました。斑点は湿度が高めなせいかも知れないと思い、晴れていたので、午後風通しのため外にだしました。温室に入れることで、土が乾きにくくなり、腐らないか心配です。
・ 分かれ目からの本葉の最大の長さ (前回と比べて±)
ミズナ(3つのうち一番左側のミズナ) :19.5cm(―0.5cm)
左側だったニューコメット :9.3cm(+0.1cm)
・ 本葉の数 (前回と比べて±)
ミズナ(3つのうち一番左側のミズナ)
: 62枚(+9枚)
ニューコメット
: 14枚目(+1枚)
そのうち、ニューコメットの葉が一枚枯れてきていました。
・ ミズナについて
高さのあるミズナで、折れているものがありました。温室に入れる際に、気を付けたいと思います。また、そもそも温室の高さが低いかもしれません。上に上に伸びたいと思っているとしたら、ミズナにとってストレスになるかもしれません。どうするか考えたいと思います。
斑点がありました。
ミズナの中に枯れているものがありました。茎のもとの部分がポロっと落ちてしまいました。形はとがった形をしていました。
写真中央の株の外側の茎がポロっととれてしまった後の写真です。
また、ミズナの先端がくるっと丸まって、これから枯れそうなミズナがありました。水やりが遅かったかもしれません。(2016年 田阪さんの記事のコメント)
・ ニューコメットについて
真っ黄色になっている葉がありました。これは、茎の途中で少し折れているので、枯れてきたのだと思います。
黄色く枯れる関連で、菅原さん記事へのオガタさんからのコメントで、肥料切れだけでなく、寒さのために、この季節は下葉が数枚枯れると知りました。
次回は、今回報告できなかった、二十日ダイコンとミズナの収穫と観察、食なども含めて、報告したいと思います。
本日の記事の文字数(4631)
コメント
金さんこんにちは
正月に温泉とは、ハイソ(死語)なご家庭のようです。写真のクワイは縁起物で正月によく食べられるものみたいですね。私も植物自体は見たことあるのですが(湿地植物)、食べたことはありません。
ラーメンの麺に混ぜられているアルカリは、「かん水」という名前で呼ばれていて、内容の表示に書いてあるものです。その昔中国ではかなり内陸部の草原地帯でないと取れなかった貴重なものらしいですね。天然に産出するものの他、草木を焼いた灰をまとめて置いて、石化したものを使ったそうです。今でこそアルカリは工業的にソルベー法などで大量に作られ、ガラスやパルプ製造に使われます。化学の力は凄いですね。理科で習う化学反応式、まことに偉大なもので知っておいて損はありません。ちなみにですがアルカリの他、窒素も昔は貴重なものでした。むろん肥料にもそうですが、火薬としてです。昔の火薬はベンゼン系ではなく、硝酸塩を直接酸化剤とした黒色火薬です。天然に産出する窒素(チリ硝石など)が無い国では、この硝酸塩を得るため、トイレを集約して窒素をかき集めてなんとか取り出していたようです。火縄銃がトイレ臭いですね。
さて今回の報告では温室が凄いことになっています。そんなに金魚とメダカがいたのでしょうか。ちょっとしたマニアな感じがします。金魚の世話も案外と大変ですから。金さんがお祭りの金魚すくいで大量に取って来たのを、パパが生かしておくためだったのでしょうか。
それらの水槽、フタを前向きにして置いてあるのですね。ちょっと不思議に思いましたが、使いやすいように考えられています。それで先ずは温室の効果です。ちょっと分かりにくいのですが、もう日が陰った時間で、総じて2~3℃ほど外気より高いのですね。これは思ったより高い数字です。無加温の温室であれば日照がなければほぼ外気温と変わらなくなります。ガラスに断熱性はあまりありません。逆に日照があれば、外気より15℃も上がったのですね。これは順当です。ガラス面が曇ったということはそれなりに温度が高くなって蒸発したということでもあり、また隙間が案外少なくて水蒸気が逃げなかったということです。もっと密封性が高ければ温度はもっと上がって植物には良くなかったでしょう。日中20~25℃くらいが光合成に適していて、さすがに30℃を超えると枯れることはありませんが良くはありません。つまり隙間として適正、あるいはもう少し隙間があってもいいですね。
植物の成長では、ハツカダイコンの葉が若干枯れているでしょうか。まあ葉が大半枯れたり、あるいは根が割れるなどあればもう収穫した方がいいですね。記事では段階を追って収穫されているようです。その食レポもお待ちします。
ミズナも引き続いて丁寧に葉の大きさと数を追って調べていますね。こうした客観的な数字で成長が把握できるものです。そういえば、農学部の授業で昔は層別刈り取りといって、ムギなんかの畑で、上から10cmごとに全ての葉を取り、その合計面積を機械で測定するということをしました。すると、なんとなくこのあたりの葉がゴミゴミしてるなあ、ではなくきれいな数字として把握でき、知見を得られるものでした。
ミズナの成長に併せて収穫していっています。株間は狭いのですがミズナはけっこう葉がスカスカなせいか密植に耐える植物ですから気にしなくともかまいません。ですが大きさ的には収穫してもいい時分です。まあ、最後2株だけ残して、本来のミズナのかなり大きい状態を見るのも面白いかもしれません。私も見たことがないのですがけっこう大株にもなれるようです。
そしてあれこれ考えられて世話をされていますが、まあ場所の移動までしなくてけっこうです。確かに葉の白い斑点は白斑病かもしれません。この病気で枯死に至ることは少ないですし、食べても害ではありません。病気ということでは葉が元から抜ける、という方が気になります。得てして水やりが頻繁すぎるとそんなこともあるのですが、病気でなる場合もあります。菌核病や軟腐病ですね。これは白斑病よりも致命的になりやすい病気です。もしどんどんと葉が萎れて抜ける感じがありましたらお知らせ下さい。
ミズナの茹でる実験も面白いですね。アントシアニンは熱で分解されたり、湯に溶け出たりします。グルタミン酸などのアミノ酸系のうまみも溶け出しやすいものです。クロロフィルも溶け出るのですが、相対的に多くありません。それに茹でると細胞間の空隙が水で埋まって透明になりますからクロロフィルの緑が余計はっきりします。これが茹でると緑が増して見える理屈です。
最後、食べるということに関して、この間生協でこんなものを見つけました。気仙沼あたりの特産らしいです。しゃれたネーミングですね。
ラボスタッフ オガタ