【5】広瀬ちぢみ菜編(工:佐々木ひなた)
2020年11月17日 (火)

こんにちは!
今回は、すっかり報告が途絶えていたメインお野菜その2「広瀬ちぢみ菜」についてです。
本来記事は一週間前に書き上げていたのですが、作るだけ作ってアップし忘れていました...すみません。
前回記事で述べたもう一つのメインお野菜「CR雪あかり」同様、広瀬ちぢみ菜は10月12日にシャーレに種を蒔き、およそ一日後には発芽しました。それから半日後には鉢に植え替えています。
広瀬ちぢみ菜栽培
栽培3日目 10月15日 7:43 気温20℃ 湿度59%
無事、芽が出てきました。まだ葉は黄色です。
栽培6日目 10月18日 17:30 気温14.6℃ 湿度64%
大きさにばらつきはありますが、双葉がしっかり開いています。葉の縁が淡い黄色っぽくなっているのが気になるところですが、そのままで放置してしまいました。
結果的にはきちんと生長できましたが、インターネットで調べてみたところ、葉の色の異常についてはそれぞれ意外と細かく原因があるようです。以下に参照したサイトを示します。
初心者が判別できるかは別として、硫黄や鉄、亜鉛の不足によって葉は黄色くなることがあるそうですが、もらったばかりの土ですので、肥料の不足は考えにくいかと思います。
栽培12日目 10月24日 16:40 気温14.6℃ 湿度55%
記録する間隔がいっきに空いてしまいました。一部本葉が出てきています。背丈が伸びたのと風のせいで斜めってしまったので、この後周りの土を寄せて、なんとか真っすぐに直しました。(前回記事のオガタさんコメント曰く、すぐ土が流れてしまうので、あまり意味がないようですが)
栽培13日目 10月25日 15:25 気温17.4℃ 湿度37%
1日の経過だけでも、葉が大きくなった気がします。葉は未だに白っぽいというか、黄緑色をしています。
栽培16日目 10月28日 11:07 気温15.7℃ 湿度63%
前回の観察から3日経ち、水をあげました。そして、本葉が出てきました。「広瀬ちぢみ菜」という名前にあるように、葉が縮れています。本葉の拡大写真も載せておきます。
栽培22日目 11月3日 15:58 気温15.9℃ 湿度42%
本葉が大きくなり、枚数も増えてきました。コカブの「CR雪あかり」同様、本葉が大きい1枚だけのものもあれば、同じくらいの大きさの本葉が2枚あるもの、全く本葉が出ていないものがあります。同じ時期に植えた同じ植物でも、こうやって違いが出るのは面白いです。
風が強く、日差しも出ており土が乾いていたので、この日も水をあげました。
栽培24日 11月5日 気温11.2℃ 湿度66%
元気よく育っています。写真左上の株の本葉に小さく穴が開いているのが確認できます。この時点では、芽が出た際に葉に傷がついていて、それが葉が大きくなってから目立つようになってきたのかなと思いましたが、結論から申し上げますとイモムシの仕業でした。
栽培26日目 11月7日 7:15 気温9.5℃ 湿度73%
今回は朝の観察です。ベビーリーフやCR雪あかりが特に萎れていたので、一緒に慌てて水をあげました。本葉は大きくなるにつれて葉の縮れ具合も増し、葉自体もしっかりしてきているような感じがあります。
栽培31日目 11月12日 9:20 気温5.1℃ 湿度71%
ついに栽培開始から1か月が経過しました。
毎日少しは必ず見るようにしているのですが、一番大きい本葉に開いた穴が気になります。ということでよく見てみると、イモムシでした。
写真中央付近、本葉の茎のあたりにいます。
イモムシを見たり駆除したりすることは苦手ですが、爪楊枝の先でなんとか取り除き、潰させていただきました。このあと少し時間が経ってから、もう1匹が茎の分かれ目の元にいることに気が付き、駆除しました。
大事に育ててきたのにも関わらず虫に食われてしまうのは少し残念ですが、無農薬で自分の手で育てたということで仕方がないことなので、害虫にはこれからまた注意したいと思います。
イモムシを取り除いた後、間引きを行いました。5つの株があったので、2つを間引き、しばらくは3つを育ててみることにしました。
before
after
また、根本の方を見るとひょろひょろとしていて、不安定そうに見えたので土を全体的に足すとともに、前回記事のオガタさんからのコメントにあったように土を足すことにしました。土を足した後、中央に肥料を10粒ほど与えました。それからたっぷりの水をあげました。
before
after
ちなみに間引いた2本ですが、根がしっかり張っていたようで、ゆっくり慎重に引き抜きましたが、プチっと音を立てて根っこは途中でちぎれてしまいました。こちらは、CR雪あかりの間引いたものと合わせて食べました。
たまたま冷蔵庫にあった大豆の水煮と千切ったちくわにマヨネーズと胡椒をかけて、間引いたCR雪あかり(コカブ)と広瀬ちぢみ菜を上にのせてレンジでほんの少し温めました。
電子レンジで加熱したせいなのか、間引いた野菜はそこまで青臭さなく食べることができました。
おわりに
記事の更新間隔がだんだん広がってきました。脱落しないように頑張りたいと思います。今回記事での一番のハプニングとすれば、イモムシです。はじめにもらったタネについての説明書きのコピーを改めて読んでみたところ、防虫対策をお薦めします、と書いてあったので、過去の受講生の方々がどのように乗り越えてきたのかを参考にしながら、害虫対策作戦を練りたいと思います。
コメント
佐々木さんこんにちは
申し訳ありません
コメントは平日なら一日一回は確認しているのですが、日付が遡って表示された場合には見つけられないことがあります。特にスクロールの下を越えた場合には。そのためこの記事も11/27になって発掘されました。もうコメントを付ける必要もなさそうですが、こちらで見ていることを知らせる意味もあって書かせて頂きます。
さてこの記事ではチヂミナの話ですね。こうやって植物ごとに書いて頂くと、とても読みやすいものです。
鉢の植え付けも、子葉の展開も良し、です。特に今後を考えて鉢の中心ではなくやや縁に寄せているのが素晴らしいです。そして子葉の色ですが、あまり気に掛ける必要はありません。品種や個体によってこうなることはよくあります。しかしそこに気が付き、調べたことは褒められます。
まあそのサイトではいろいろ列挙してあったと思うのですが、大した内容ではないと思います。物事は「頻度」と「判別」が大事なのです。列挙のような情報は使えません。
栄養素の中には、確かに硫黄や亜鉛不足で葉の色が薄いことがありますが、そんなに見るものではありません。佐々木さんが工学部なのでもう少し言うと、植物の養分は「窒素・リンサン・カリウム」の三大成分の他、「マグネシウム・カルシウム」、ここまでが重要です。他のホウ素や銅などは微量要素と言われて、大した量は必要ありません。というより土壌に全く存在しないわけではなく、溶出できるpHになっていないから植物が吸収できなくなることがほとんどです。
土壌というか地球の元素成分については割愛します(工学部生でも知っているでしょう)。
話は戻って、主要な栄養素である窒素は、自然界では雷や微生物合成によって、肥料ではハーバー・ボッシュ法によって作られます。だいたい土に1m2当り20g施します。また窒素は移動しやすい元素であり、土壌中でも、植物体内でも移動します。使われる用途は主にタンパク質中のアミノ酸の成分としてですね。一方、リンサンは移動しにくい成分で、ほとんど土壌に吸着され、植物は苦労しながらそれを取り込みます。用途は核酸成分です。問題なのは窒素は空気中にあるために問題ないのですが、リンは元々鉱物です。案外知られていないのですが、その可掘埋蔵量は限られていて、この先何らかの技術革新が無ければ枯渇が避けられません。レアメタルのような戦略物資にされていないために気付かれないのです。ある意味代替のものがある石油などよりもよっぽど深刻な問題で、リンがなければ世界の農業が崩壊します。興味があれば、リン枯渇、ナウル国といったワードで引いて見たらいいでしょう。同様な意味で銅はありふれた金属ですが消費に対する可掘埋蔵量は意外に少ないですよ。
ここまで書いてから言うのもなんですが、肥料というだけで数限りない情報があります。工学部であっても知っておいて損はないことが多くありますね。まあこの先そういったことを書くこともあるでしょう。
ちなみに追肥は10粒よりは多め(その倍)に与えて下さい。頻度は10日に一度程です。
さて成長は進み、本葉のチヂミナらしいところを観察し、間引きも行いました。萎れることも経験しました。
成長のバラツキがあるのは植物として自然なことです。本当は作物として揃っている方が望ましいものです。揃いのいい一代交配種(意味略)で、しかもパッケージに揃いがいいと書かれていても完全にはそうなりません。
イモムシはよく見つけました。この種類は私も分からないのですが、広範囲の野菜にこんなイモムシがつきます(蝶の幼虫ではない)。葉を観察したからこそ早期にこれが分かりましたね。通常はこの時期に害虫は出にくいのですが、やや気温が高い日が続いたので出てしまったのでしょう。引き続き、そういうのが見つかるか観察して下さい。
間引き株は実食されたのですね。たまたま大豆とチクワがあったというのが凄いですね。私もスーパーでは常に何でもグラム単価を計算する人間ですが、チクワは本当にコストパフォーマンスがいいですね。
では、中間報告のコメントは渡辺教授がしますが、内容自体は私ももちろん見ています。
ラボスタッフ・オガタ