東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

【アウトリーチ活動】上島町立魚島小中学校・ふるさと出前授業、仙台市立桜丘小学校・理科特別授業、第77回宮城県高等学校生徒理科研究発表会、仙台市立鶴谷小学校・理科特別授業、宮城県仙台第三高等学校・イノベーションフェスタ(10/30, 31, 11/6, 7追記)

2024年10月31日 (木)

 この記事を書いているのが、10月最終日。明日からは11月。朝の寒さは秋らしくなってきましたが、日中の気温は20oC近い気温に。来週からは朝の気温も一桁の予報。ちょうど、プロ野球の最後のシーズン。科学的なニュースといえば、「動物培養細胞に葉緑体を移植」という記事が。詳細は新聞論文に譲るとして。
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 10/30(水):上島町立魚島小中学校・ふるさと出前授業「花の不思議な世界」

 今年度最初の「ふるさと出前授業」は上島町立魚島小中学校から。コロナ禍ではなくなったのですが、リモートでの出前講義もOKを頂けるところには「リモート」で。もちろん、その分、事前打ち合わせをして、聴講頂く児童生徒の皆さんに精一杯楽しんで頂けるような工夫を。上島町立魚島小中学校は毎年、小学校、中学校合同で行っていますが、今年は小学校5年生から中学校3年生までの10名。

 身の回りの花の名前を写真から考えるところ。これかな、あれかなと考えてしっかり答えてくれていました。また、講義で題材とする「リンゴ」は10年弱前の先輩たちが「リンゴ」の種子をまいて、発芽したものを大事に育てていると。是非、来年の春には「リンゴの花」が咲いているのを観察してみてくださいね。講義の中で、雌しべの先端に付着した花粉が吸水し、花粉管伸長が見られるところから、花粉がどうやって膨らむのか考えてもらったり。最後は、開花したときの状態とリンゴの果実の関係から「逆立ち」していることも理解できていました。大きな歓声が上がったのは、リンゴを縦ではなく、横に切ったときの断面。普段やってみないことをやってみることが大事ですから。いろんなことにチャレンジしてみてください。

 この記事を書いている時にはすでに魚島小中学校のHPに記事がuploadされていました。ありがとうございました。中学校3年生は来年から高校生ですね。魚島とは異なるところで学ぶことになると思いますが、「ふるさと出前授業」での学びを活かして下さい。
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  10/31(木):仙台市立桜丘小学校・理科特別授業「花の不思議な世界」

 仙台市理科特別授業は、10/10(水)の仙台市立新田小学校に続いて2校目は、仙台市立桜丘小学校。今回は開花から結実までの話。昨年度と同様に事前に植物の受粉、受精について考えていることを調査頂き、それを元に今回の入口は小学校では「メダカ」を素材とする受精のところから。メダカでは見えにくいかもしれないですが、「サケ」等の受精の様子はテレビなどでも見るわけですが、植物の場合、どうなっているのか。雌しべの先端の柱頭に花粉をつけることはできるけど、柱頭に入った花粉の中身はどこに行くのか、何が起きるのか、植物にも受精が起きるのか、その当たりまで突っ込んだ話に。植物と動物を比較すると、受精卵には卵黄が残っているけど、その代わりになるのが胚乳、あるいは子葉。重複受精の仕組みも。植物では見えてないけど、意外と共通しているのは理解できたのではないでしょうか。
  20241031182035-b3a79f47c4f52d3d46a18663a75dc93c3ab904dc.JPG 20241031182106-04302a292449c5be0887b744909d1e246b605c87.JPG20241031182128-8521ec2b52a92bdf1a002d6ff30fcc6a34757e54.JPG 後半はリンゴの果実の部分、これはどこが成長したのか、このあたりは動物とは少し違った側面。また、自家不和合性という遺伝的多様性を維持する機構、最近、赤系でなく、黄色系のリンゴの育種が多い原因などについても、考えてもらい、最後は質問タイム。講義時間を10min以上超過しても足りない特別授業でした。

20241031182207-ee63d300ac6597c6ea03777f464ed651a0e158fd.JPG20241031182225-51485adaf00a817b087dc52f954996f33b64e091.JPG 11/6(水):第77回宮城県高等学校生徒理科研究発表会・審査員

 朝から冷たい雨。ようやく、気温と日付けが連動した気候に。翻ってとても短い秋だったような。紅葉も始まり、落葉も。次年度のかがわ総文祭2025の予選も兼ねた宮城県内の高校生を対象にした理科研究発表会の審査員を仰せつかり、total 20課題を超えるポスタープレゼンテーションへの質疑と評価。チャレンジングなテーマ、解釈を工夫するとおもしろくなるテーマ、高校生らしい着眼点・解析のテーマなど、とても多様で評価をどうするのがよいかという点も審査員を悩ませるような興味深いものでした。12月の再審査のあと、総文祭代表が決まるとか。更なる発展を祈念しつつ。
  20241107143216-d8c74626eb8b202d9383af5a5c3415b555db0522.JPG 11/7(木):仙台市立鶴谷小学校・理科特別授業「キャベツとブロッコリー」

 仙台市教育センターからリクエスト頂いている「理科特別授業」。10月の新田小学校、先週の桜丘小学校に続いて、鶴谷小学校が3校目。コロナ禍で実施が困難であったグループ学習、プレゼンテーション、質疑応答を含んだ「キャベツとブロッコリー」の講義を実施。きっかけは、館小学校から異動になった先生からのご推薦。つながりに感謝とともに、ありがとうございました。
  20241107142158-0822b3ddf36a6f8f8d7c09fb9ed8151e2056fb2b.JPG 講義のスタートは植物の形態的特徴と植物種を超えた共通点の復習から。根、茎、葉、花がどのような関係になっているのか。これまで栽培したことがある植物などで理解。では、キャベツとブロッコリー、見かけは大きく異なるけど同種で雑種の作出が可能。それを模造紙に書いて、プレゼン、質疑応答。total 9つのグループで児童の間でのしっかりとした議論も。学校の帰り道、自然観察などで改めて植物観察をしてみて下さい。 
 20241108175155-08829e501dd100677fa43cc5c223af00f3ecbd90.JPG 講義の前後に佐藤校長先生、仙台市教育センター・中堤先生を交えて、昨今の教育事情、抱えている問題などについて、議論の時間を頂きました。ありがとうございました。
 
 
 11/7(木):宮城県仙台第三高等学校・イノベーションフェスタ・コメンテーター
 
 午前中は仙台市立鶴谷小学校と重なり、午後からの参加。午前の部では県内外から5つの高校も参加。午後からは台湾の連携高校との英語での交流。この年代でここまでできるのかと・・。よい刺激を頂きました。ありがとうございました。
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 わたなべしるす

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