研究経過
イネの葯組織特異的な小分子RNA生合成を誘導する転写因子を特定-野々村班
February 13, 2018 10:32 AM
Category:研究成果
main:野々村班
小分子RNAは、遺伝子の転写や翻訳の抑制を介して、個体発生やウィルス防御などで重要な働きをします。私たちは今回、葯を構成するタペート組織で発現するイネEAT1転写因子が、減数分裂期特異的に24塩基長の小分子RNA生産を誘導することを発見しました。EAT1は、小分子RNAの素材となる前駆体RNA、および前駆体を24塩基長に切断するDCL5酵素をコードする遺伝子の転写を直接活性化していたのです。また、小分子RNAの一部はタペート細胞に隣接する減数分裂細胞へと移動する可能性が、減数分裂細胞で発現するMEL1タンパク質の解析から明らかになりました。小分子RNAが、植物の減数分裂細胞と周辺の体細胞の協調的な発生制御を取り持つ伝達役として機能する可能性を示唆する成果です。
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<発表論文>
Seijiro Ono, Hua Liu, Katsutoshi Tsuda, Eigo Fukai, Keisuke Tanaka, Takuji Sasaki, Ken-Ichi Nonomura
PLOS Genetics 14 (2), e1007238 (2018), doi: 10.1371/journal.pgen.1007238