研究経過
【総説】植物のDNAメチル化多様性とダイナミクス(川勝班)
May 15, 2019 10:22 AM
Category:研究成果
main:川勝班
日本育種学会の英文誌 Breeding Science 誌に、植物のDNAメチル化多様性とダイナミクスに関する総説が掲載されました。これまで行ってきた国際共同研究の成果です。
DNAメチル化は遺伝子発現やトランスポゾン活性に関与するエピジェネティック修飾です。DNAメチル化は体細胞分裂・減数分裂を経ても受け継がれるため、DNAメチル化パターンの差異は表現型の多様性に寄与しうることが知られています。トランスクリプトームおよびDNAメチロームの統合解析からDNAメチル化機構やDNAメチル化の役割が明らかにされてきましたが、DNAメチル化と作物の農業形質の関係も明らかにされつつあります。これらの情報はエピゲノム多様性を利用した作物育種に役立つことが期待されます。また、人為的なエピゲノム編集は優良形質を持つ新品種の創出のための魅力的な新育種法となるかもしれません。
<総説> Kawakatsu, T. AND Ecker, JR. Diversity and dynamics of DNA methylation: epigenomic resources and tools for crop breeding. Breeding Science in press