平成28年度文部科学省科学研究費補助金 新学術領域研究

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研究経過

第19回日本蛋白質科学会年会・第71回日本細胞生物学会合同年次大会で本領域共催のシンポジウムを開催しました(西川班・井川班)

July 5, 2019 10:40 AM

Category:学会での企画

main:井川班, 西川班

 2019年6月26日に、神戸で行われた第19回日本蛋白質科学会年会・第71回日本細胞生物学会合同年次大会で、西川周一(公募班、新潟大学)・井川智子(公募班、千葉大学)両班員がオーガナイズする本領域共催のシンポジウムを開催しました。シンポジウムのタイトルはProteins Controlling Membranes: Morphogenesis, Interaction and Fusion(膜を操るタンパク質:形態形成・相互作用・融合)であり、細胞内外での膜の形態形成や相互作用、融合ではたらくタンパク質に焦点をあてたシンポジウムとなりました。

 

 シンポジウムは、井川班員によるイントロダクションの後、6名の演者による発表が行われました。まず、奈良先端科学技術大学院大学の末次志郎博士によるBARドメインタンパク質に関する講演、東京工業大学の中戸川仁博士によるAtg40というER phagyにおける膜動態にあずかるタンパク質の講演がありました。続く2演題は、本領域からの発表でした。まず西川班員が植物有性生殖過程の核膜融合機構について発表し、その後井川班員が重複受精過程の配偶子認識で機能するタンパク質についての発表を行いました。

 

 最後の2演題は、海外からの招待講演者によるものでした。まず、Benjamin Podbilewicz博士(Technion)が細胞融合タンパク質ファミリーFUSEXINに関する講演を行いました。このタンパク質ファミリーには、シロイヌナズナの配偶子融合ではたらくHAP2/GCS1や、線虫の体細胞融合ではたらくEFF-1が含まれます。Podbilewicz博士の講演は進化的な側面まで含む話であり、とても面白いものでした。最後は、Gavin J. Wright博士(Wellcome Sanger Institute)の講演でした。Wright博士はマウスIzumo1の受容体であるJUNOの発見で有名です。タンパク質科学的アプローチによるJUNOの同定から最新の話題までとてもエキサイティングな発表でした。

 

 本シンポジウムは、懇親会翌日の朝8時45分からであったにも関わらず、植物以外の分野の研究者も多く参加し、アクティブな質疑応答もあり、とてもよいシンポジウムになりました。海外からの演者の招待には本領域のサポートをいただきました。改めてお礼申し上げます。

 

sympo1.jpg

シンポジウム終了後に撮影した集合写真。

左からPodbilewicz博士、中戸川博士、末次博士、東山領域代表、Wright博士、西川班員、井川班員