東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

ハツカダイコン第1弾の収穫(農:沼澤芽生)

2016年11月 3日 (木)

最近はまた一段と気温が下がり、野菜たちの成長がゆっくりになっているのが分かります。

ですが、ついに......ハツカダイコンは収穫まできました!

2本あった第1弾ハツカダイコンのうちの1本です。

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先に収穫できなかったもう1本の話からします。

1週間ほど前から、成長の遅かったものは、速い方に栄養を吸い取られていくかの様に、変化が見られなくなってしまいました。

そしてだんだんしんなりしてきたので、枯れてしまう前に今の状態で食べようと思い、とりました。

根は膨らんでいなかったので、ラディッシュではありませんでしたが、おいしかったです。

野菜栽培では何が起きるか分からないから、多めに育てておくに越したことはないと、身にしみて分かりました。

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成長の遅かったハツカさんは、茎と葉がねじれていて、もとから少し形が変わっていたので、それがうまく育たなかった原因かと考えています。

同じ時期に同じように発芽して、移植した他の2本は元気に育っていたので、水や肥料、光が原因ではない。

また、他の方の記事を見ていても、鉢に3本は元気に育っている様なので、他の個体に栄養が吸い取られていたわけでもない。

すると遺伝子なのかな、と。

渡辺先生からのコメントでダイコンにも奇形があると知りましたが、おそらくそれであったのかと予想しています。

根は膨らまなかったにせよ、ここまで成長してくれたこと、良かったです。

成長の遅かったハツカさんで驚いたのが、1枚の本葉が大きくなりきっていないうちに、次の本葉がでてきたことです。

そして、大きくない本葉が3枚の状態から変わらなくなりました。

葉は開ききっていないというか、縮れているというか、そのような状態でした。

成長が順調でなくても、次の葉をだそうという生命力に脱帽しました。

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そしてここからは、収穫の話です!

しばらく記事に上がっていなかったハツカダイコンですが、実はあまり変化が見られなかったのです。


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この写真の上側がハツカダイコンの第1弾です。

写真の状態の子葉2枚と本葉4枚からは、本葉が大きくなることも、新たな本葉がでることもなく、3日ほど変化がほとんどありませんでした。

ただ、葉に気を取られているうちに、根はしっかり成長してくれていました。

土から少しだけ見える根はとても太く、同時に赤くなっていて、ダイコンらしいです。

ただ、この後どうしようか迷いました。

名前は二十日大根ですが、20日で収穫できるのは暖かいときで、秋〜冬期は30〜40日が目安、50日かかることもある、と見たからです。

栽培を開始したのが10月6日。11月2日の時点で28日しかたっていない!

仙台が涼しめの地域であることを考えると、ちょっと早すぎないか?

その上、昨年の先輩の記事を見てみると、収穫時の葉の数は同じでも、もう少し葉が大きい...まだ成長中なのか?

それに少し見える根の色も、まだピンクに近く、もっと赤くなるのか?

と迷いに迷い...

ですが、土からでている根に何やら線が見えて、収穫することにしました!

周りの土を少し掘り、そのまま引き抜き...

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このような風に育っていました!

ダイコンになっていない部分の根が想像より長く(およそ3cm)、しっかり根をはっていたのが分かります。

膨らんだ部分の大きさは3.2cm、薄ピンク色で、楕円形でした。

そして、収穫の決めてとなった線とは、

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「ス」ですよね...。

収穫時期を逃すと、でてしまう「ス」。

気をつけようと思っていたのに、迷っているすきにできてしまいました。

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食べてみると、うん、辛い! ダイコンの辛味です。

冬は甘いラディッシュができるが、収穫が遅れると甘みが減り辛味が増える(http://plantersaien.com/根菜の育て方/yu-rin流!二十日大根の育て方)というのと、

「ス」と合わせて考えてみても、収穫時期を過ぎてしまっていたようです。

けれど、辛いものが嫌いでない私には、とても美味しかったです!

子葉と本葉は味は似ているけれど、食感が違いました。

本葉には小さな毛が生えていてざらざらしていますが、子葉はサラサラです。

味はカブの葉と同じような味でした。お漬物にしたらおいしそう。

ただこの時期でもう収穫期を逃していたのは、気温を考えると、やはり早すぎる気がします。

そして、昨年の大和田さんの記事と比べると、葉が少し小さく、緑も薄めであることも気になります。

肥料が足りなかったのかと考えているので、同時進行中の第2弾では肥料を今回より増やそうと思います。

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それでは、中間発表の準備をしていきたいと思います。

コメント

農学部・沼澤さん

 遺伝の渡辺でございます。等間隔で記事をuploadされているので、野菜の生長がゆっくりになったのに気がついたのだと思います。とてもよいことですね。この日々の変化に気がつくこともこの展開ゼミでの大事なポイントですから。栽培というのは、色々なことが起きます。急な温度変化、雨というか、この場合は水管理だと思いますが、。また、展開ゼミのスタートが10月と言うこともあって、もう1ヶ月くらい早くできれば、初期生長を大きく取れて、少し寒くなっても、少しずつ成長できるのだと思います。

 前置きが長くなりました。ちょっとした違いによって、うまく生長できるのもあれば、そうでなくて、途中でだめになるのもあります。遺伝的背景が同じようなものでも、違う結果になったり。わかったつもりでも、うまくいかないこともたくさんありますので、チャレンジしてみて下さい。収穫できたハツカダイコン。niceです。で、問題の「す」がはいるというもの。基本、「す」がはいるのは、中央部です。掲載されている写真から判断すると、ある種の「生理障害」と考える方がよいのかも知れないです。中心部が、「すかすか」になっていたら、「す」が入っていたと考えられますが、食味などの文章を見る限りは、そんなイメージもないので。で、葉っぱの色が少し薄いのはありますね。追肥をしてみて下さい。10月の中旬くらいまで、ずいぶん暖かかったのが、よかったように思います。基本は、積算温度だと思いますので。第2弾も楽しみにしておりますので。そうそう、少し寒いですが、水管理はしっかりできているので、ハツカダイコンの種子があれば、今から、播種というのもチャレンジングでよいと思いますが、どうでしょうか。もちろん、中間発表もがんばって下さい。では、では。


 わたなべしるす

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沼澤さん

ラボスタッフマスコです。こんにちは。収穫おめでとうございます。

ハツカダイコン"カラフルファイブ"は、色の異なる5種類のハツカダイコンがランダムに混ざって入っている種子です(赤・白・紫・ピンク・薄桃紫色)。恐らく、沼澤さんの収穫したものはピンクのものでしょう。ピンク、薄桃紫等の色薄い系のハツカダイコンは、赤・白のハツカダイコンに比べ、心なしか葉の色も薄めのような気が経験上しています。ダイコン上のヒビのように見えるところは、胚軸の皮が割れた残り。ダイコンが太りはじめ、色が付き始めている途中のところだったと思います。もうちょっと放置するともう少し太ったと思いますよ。ダイコンが太り始めたら追肥をすると、よりスムーズに太ります。残りのハツカダイコンも、必ずしも赤ではないはずなので、どんな色が出来るか、楽しんで観察してくださいね。

ラボスタッフマスコ