東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

ミズナ=追肥・中耕・土寄せ編=(農:田阪初音)

2016年12月 4日 (日)

こんにちは、農学部1年の田阪です。ぎりぎりになりましたが、今週も書きます!

冒頭の写真は、先日、八百屋さんで買ったほうれん草をゆでたものなのですが、あまりに甘くて驚いて思わず写真に撮ってしまいました。名取産だそうですが、やっぱり寒いと甘くておいしいほうれん草ができるのでしょうか。

前回の記事で予告したように、先週日曜日にミズナの追肥を行ったので、それをメインに書きます。

ミズナ

51日目(1127日 1131分~1140分 室温18度 湿度51%)

追肥を行います!

しかし、闇雲に行って植物を傷つけたくないので、下調べをしっかり。

「一般的に追肥をした際、肥料と土を混ぜるように軽く中耕し、その土を株もとへ土寄せするというように、追肥、中耕、土寄せは一連の作業として行います。」(野菜と果樹の育て方|初心者も簡単栽培「追肥・中耕・土寄せ|このステップが野菜類を元気に」より引用)

そうなのですね。知らなかったです。

農学部の土肥さんのように土寄せをしていらっしゃる方はいたのですが、追肥をする時にワンセットなのは知りませんでした。

ここで、中耕や土寄せが何かもあまり詳しくなかったので、調べました。言葉の定義を書きます。

追肥...成長過程で、必要に応じて肥料を足してやること

中耕...固くなった土を軽く耕す作業。

【 中耕の効能 】

・土を軟らかくすることによって作物が根を張りやすくなる(根づまりを防ぐ)

・通気性を確保することによって根が酸素を吸収しやすくなる。

・土を攪拌することによって雑草を生えにくくする。

・水分や肥料を地中に染み込ませやすくなる。

【 中耕の方法 】

・物が育ってきている場合、根を傷つけないよう浅く耕す。

・耕した際、隙間に肥料を差し入れるなど追肥を行う。

土寄せ...作物の根元まで土を寄せてかけること。

【 土寄せの効能 】

・雨や風で露出してしまった根の乾燥を防ぐ。

・風で作物が倒れるのを防ぐ。

・土壌の通気性をよくする。

【 土寄せの方法 】

・中耕や追肥の際土をほぐしておく。

・作物の根元から枝分かれした所まで土をかける。 葉にかからないようにする。

農園教室ほっとふぁーむ「2.追肥と土寄せ より一部抜粋して引用)

これらの資料をもとに、作業を行いました。しかし、このとき、間違って追肥より先に中耕をしてしまったのですが、実際に行った順に書きます。

1.中耕田阪初音ー12月4日ー1枚目.jpg割箸で土を掘ります。田阪初音ー12月4日ー2枚目.jpg

根が見えました。(写真下)傷つけないように、ゆっくり慎重に土を掘っていきました。

ここで、少々根を観察。根というのは、茶色いイメージがありますが、むしろ純白です。日光に全く当たっていないので、色素の吸着がないからでしょうか。それから、ミズナの根は初めて見ましたが、髭みたいな感じです。双子葉植物なので髭根というわけではないはずですが。

2.追肥田阪初音ー12月4日ー3枚目.jpg

前々回の記事への、ラボスタッフ・オガタさんのアドバイス通り、もらった肥料をひとつまみ土に埋めました。

このような穴を一株につき一つの肥料穴、というように鉢に3カ所まきました。(写真に書き込もうとしたのですが、なぜか保存できなくて、掲載できませんでした...)

3.土寄せ

特に、徒長とかもないので、普通に肥料の上に土をかけ、乱れた表面を整えるだけにしました。土寄せはなし、で。

田阪初音ー12月4日ー4枚目.jpgのサムネイル画像

葉を観察したのですが、先などが黄色っぽくなっているものがあり、こころなしか元気がなさそうです。枯れないか心配です。追肥で復活すると良いのですが。役目を全うした子葉たちは全部枯れてしまいました。

もしすると、寒さと日照不足が原因かもしれません。日中、窓際に置いていたのですが、温度計によると、室内でも10度ほどになってしまっていて、非常に寒くなっている状態でした。しかも、窓越しの日光なので、直射日光よりも弱い光しか当たっていません。

やはり、工学部の鈴木さんのように温室を作るべきでしょうか...

57日目(123日 22時43分 室温18度)田阪初音ー12月4日ー5枚目.jpg

追肥のおかげか、成長が早くなっているように感じます。もはや「ミズナ」のプレートが読めないくらいです。

少し心配していたのですが、枯れることがなくて良かったです。田阪初音ー12月4日ー6枚目.jpg

今までは株の中心から新しい葉が生えてきていたのですが、外側からも新しい葉が生えてきていました。まだまだ葉が増えそうなのですが、どのタイミングで収穫するのが正解なのでしょうか...

ネットによると、収穫しても根を残しておけば葉が再生するそうですが、枯らすのが怖いです。適宜摘み取って、最終的に花を咲かせるのを目指すのもありかも、なんて考えています。

ところで、温度と日光に対する解決策を見つけました!

私の机の上です。カーテンを全開にしておけば、馬鹿にならないくらい日光があたることに気づきました。

そして、温度なのですが、先日、築38年アパートの我が家にガスファンヒーターが導入されましたおかげで、できるだけ締め切っていれば保温され、室内が10度を下回ることはないようになりました。日光からの温もりもあるので、ひとまず大丈夫そうです。ただ、これから寒さが厳しくなってくるので、ビニールハウス設置計画は進行させていこうと思っています。

また、このガスファンヒーターの温度計によると、百均の湿温度計が機能していないことがわかりました。室温18度を示していたものの、実際には14度くらいだったようです。今後、室温はこのガスファンヒーターの温度計を使おうと思います。

コメント

田阪さんこんにちは

 追肥・中耕・土寄せ、よく調べましたね。その通りです。また、それをよく実践されました。小さい鉢ですが、農作業の基本がよく分かりますね。マニュアルはたぶん畑用だとは思いますが。各作業の意味合いも書かれています。補足すると、肥料を土に混ぜるのは、局所的に濃度が上がって根を痛めるのを避けることと、土に混ぜて初めて肥料として有効になるタイプの肥料があるからです。化学的に分解したり、微生物で分解されるタイプのものですね。

 根は白いものです。むしろ健康な根は白いのです。それと、鉢のへりまでもう根が行ってることに注目して下さい。地上に見えるところよりよほど伸びてますね。ちなみにこれが進むと、鉢に接するところに根が固まって、それ以上伸びられなくなり、新しい根が伸びないと水や養分を吸収できない(根は新しく伸びたところで吸収するため)状態になります。これを園芸家は「根が回った」と表現して、新しく一回り大きな鉢に植え替えます。その際、そのままそっくり、ぽん、と植えるのか、土と根をほぐしてから植えるのかは植物によります。特殊な場合としてラン科植物はわざと鉢から根をあふれさせて空気中に出します。また、盆栽はわざと鉢を小さくして根を伸びない状態にします。そうすると上の木も伸びなくなります。だから盆栽は小さいまま何年もそのままなんですね。

 さて、ミズナいい感じです。この環境は悪くないようです。試しに温室もいいのですが、これも悪くないですね。順次食べていっても構いません。葉の数を半分残せば枯れないと思います。待てるのならもう少しおいてもいいですね。百均温度計ダメでしたか。でもファンヒーターが正しいのでしょうか。10℃はけっこう寒いですよ。

また、経過報告お待ちしています。ラボスタッフ・オガタ

-追記-

冬のホウレンソウは甘いですね。植物の冬支度を人間が利用する形です。

私もそれを狙って今からホウレンソウ播きました。