東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

[8] シュンギクのわき芽(農:菅原のの)

2017年12月10日 (日)

目次

1.シュンギクの生長(11/18~12/10)

2.シュンギクのわき芽

こんにちは。前回の投稿から一週間が経ちました。最近の投稿内容はロマネスコに偏っていましたが、今回はシュンギクについてお伝えします。寒さに負けず、生長しています。


1.シュンギクの生長(11/18~12/10)

11月18日(土) 11:10 最高気温13.4℃ 最低気温5.2℃

この時点で展開している本葉は8枚あります。一番長い葉はおよそ6cmとなっており、全長が10cmを超えています。

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11月27日(月) 9:50 最高気温8.9℃ 最低気温2.7℃

これまで、シュンギクの葉は二枚ずつ同調的に生長していましたが、5枚目からは違うようです。一枚ずつ、らせん状に葉が出てきて生長しています。中心から新しい葉のギザギザになるであろうものが見ることができます。葉序についてはまた図に書いて説明しようと考えています。

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11月29日(水) 11:20 最高気温15.6℃ 最低気温4.4℃

11/13に肥料をまいてから、16日ぶり2回目の施肥です。前回まいてからだいぶ間が開いてしまいました。写真の左右、2カ所に6粒ずつまきました。

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12月7日(木) 9:50 最高気温7.6℃ 最低気温0.0℃

ロマネスコもシュンギクも寒さからなのか、生長の過程なのか、葉が反るようになっています。面白いことにシュンギクは、上の方の葉は上方向に、下の方の葉は下方向に反っています。上の方の葉は上に反った方が遮るものがなくなり日光が当たりやすく、また、下の方の葉は上の方の葉の陰にならない場所を求めている、もしくは、上向きに葉を維持するエネルギーを抑えているのではないかと考えました。この方がそれぞれの葉に日光が当たりやすくなったり、省エネで生活できるのではないかと思いました。

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12月10日(日) 16:50 最高気温8.8℃ 最低気温1.5℃

シュンギクの葉に突然黒ずみができはじめました。今のところ小さいものも含めて3つほどあり、葉のギザギザの間にも黒くなっているところがあります。強く触ってしまったのでしょうか、外傷のように見えます。こんなにいっぺんに触って傷つけることもないので外傷でもないように思うのですが、栄養不足でできる黒い斑点や、炭疽病とはまた違うように私は感じました。不安です。

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2.シュンギクのわき芽

11月21日(火) 9:50 最高気温6.4℃ 最低気温1.6℃

1、2枚目の本葉の上側からわき芽が出ているのが観察できました。大きさは何cmほどです。はじめこれが何なのかわかっていなかったのですが、昨年の武田萌さんの記事を見なおして、これがシュンギクのわき芽なのだということに気づきました。大きさは1cmほどです。

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11月23日(木) 8:20 最高気温12.0℃ 最低気温4.4℃

わき芽が生長してきました。生長のスピードが速く、大きさは1.5cmほどです。2日間でおよそ5mm生長しました。

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12月2日(土) 9:30 最高気温6.3℃ 最低気温0.2℃

一番初めに出てきたわき芽はおよそ2.0cmまで生長しています。二枚のわき芽の間から新しいわき芽が見えはじめました。

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12月5日(火) 9:00 最高気温10.2℃ 最低気温0.7℃

1,2枚目の本葉の上からだけでなく、3,4枚目の本葉の上にもわき芽の元らしき葉のようなものが見えています。どんどんわき芽が増えるのでしょうか、楽しみです。一番初めに出てきたわき芽はおよそ2.3cmまで生長しています。

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12月9日(土) 11:30 最高気温6.0℃ 最低気温0.4℃

1,2枚目の本葉の上から出ているわき芽が光の方向に成長しているのが観察できました。他の葉の下から出てくるので、陰になりやすいのだと思うのですが、光により当たることができるようにうまく生長していくのですね。シュンギクのしたたかさが感じられました。

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シュンギクについてはおよそ3週間分の記録となってしまいました。着々と生長しているのが実感できますが、不安もあります。葉の出方が規則的なので注目して観察してきました。次にシュンギクについて記事にするときは、葉序についてもお伝えしようと考えています。

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コメント

農学部・菅原さん

 おはようございます、遺伝の渡辺でございます。シュンギクの生長、順調ですね。日照、施肥、水やりのコツを理解できているのだと思います。このペースで栽培を継続して下さい。病斑らしい拡大写真ありますね。病気なのか、栄養不足なのか、区別が難しいですね。実際の現場でもそうです。もう少し、様子を見てて下さい。あまりに広がるようなら、病斑らしきところを切除して下さい。手でちぎるのがよいです。はさみでなくて。はさみだと、万が一、virusがいると、感染する恐れがあるからです。先週の土曜日の写真を見る限り、よい感じだと思います。腋芽の生長など、これまでやってないところを計測して、グラフ化してみるなどしてみてはどうでしょうか。新規なことをやるのは、大事ですから。

 他のコメントは、ラボスタッフのオガタくんがまた、別途書くと思いますので。それも参考にして下さい。


 わたなべしるす



ー 追記 ー

 その黒ずんだ葉の原因、そんなに珍しいものではないのですが、原因の確定はまだできません。確かにご自分で調べられた通り、炭疽病の可能性はほぼ無いですね。葉焼けかもしれませんが分かりません。

 病気だとしたら、植物の場合は教授の書いた通り切除するのが簡単確実だと思います。他の葉にも広がるようなら早めにお知らせください。おそらく初めにインターネット検索などをすると思います。しかし、検索の悪いところは箇条書きの羅列でこれでもかと知識を押し付けてくるところです。実際の頻度は大差がありますので気をつけて下さい。例えば、体がだるいで検索などしようものなら末期ガンまで出てくると思いますが、実際の頻度はどれだけでしょう。

 さて、側枝の成長もいいですね。枝を増やす、ということはシュンギクも一段上のステージに成長できるぞ、と感じたのでしょう。植物はこうやって大きさや形態を変えて進んでいきます。

 枝が増えると、それだけ収穫も見込めますね。ちなみに野菜栽培で「摘心」という作業が多く登場します。それは敢えて枝を切って成長を止めることで、側枝を沢山出させたり、早く花をつけさせたりする作業です。シュンギクは敢えてそれをしなくとも側枝が適宜出る作物です。

 葉の反り方、葉序についても気のついたことありましたらまた報告下さい。

 ラボスタッフ・オガタ