東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

12*いろんな話(いろいろ)&スプラウト2nd収穫(農:岡田和花)

2017年12月27日 (水)

温室内温度と里帰りの話
 寒いですね。
 冬休み期間で里帰りをするのですが、その間の温室および植物の皆さんへの対応を考えるために、最近温室の開口部を全開にして放置し、温室内の温度を調査しました。その結果温室内の温度がおよそ5~20℃になるということがわかりました。もっとも深夜帯はみれていないので最低温はもっと下かもしれませんが...。開口部全開でも意外と暖かい空気を保ってくれているようです。
 晴天時の日中は20℃近くなるのでここがちょっと暑すぎるような気がしますが(たまに茎ブロッコリーがくったりしています)、天気予報の感じ的に多分そんなに暑くはならないだろうと思ったのと、温室には猫等からの荒らし被害防止の意味もあるのであんまり温室外に出したままでかけたくないと思ったため、「植物 in 温室~開口部全開ver~」で出かけようと思います。

 なお、里帰り期間はいつもの水やりスパンとほぼ同じなので、出かける前に多めの水やりで大丈夫だと思っています。追肥も帰ってきてからの日でスパン的にちょうどよさそうですし。留守中にイレギュラーが起こらないことを祈るばかり...。



茎ブロッコリーの話
 あんまり進展がなくて報告することもない茎ブロッコリーさんですが、一応現在の大体の大きさを報告します。

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 12月24日 14:00ごろ 曇天 外気温9℃ 温室内10℃(±5)
 20cm物差しと比較すると少し小さいですが、葉が茎に垂直に生えているわけではないことを考えると実際は左右の葉の大きさを足すと20cm以上になりそうです。折るのが怖いので広げませんが...。

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 12月24日 14:00ごろ 曇天 外気温9℃ 温室内10℃(±5)
 それから、茎がふっとくなりました。付け根のほうが細いので倒れるんじゃないかと心配ですが今のところ安定しているようです。ブロッコリーの茎も、頑張れば可食部なので大きくなっていただけるのはうれしい限りです。

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 それから、同じ写真を加工したものですが、

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 赤丸のとこ!お分かりいただけるでしょうか!
 子葉からのわき芽は大きくなり、さらに上の葉の方にもわき芽が見えています!かっこいい!すてき!どのわき芽がブロッコリーを供給してくれるんでしょうね。

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 そういえば、茎ブロッコリーは3.5号鉢と5号鉢で育てているのですが、明らかに5号鉢で育てているもののほうが成長が遅いです。土が少ないほうが成長が遅くなるようなイメージがあるのですが...。
 原因として、


 ・3.5号鉢のほうが追肥の効果が出やすかった。
 ・鉢の置き場所による日当たりの違い(温室内で3.5号鉢の後ろに5号鉢を並べていたので)
 ・単純に個体差。


が、考えられるのですが...。別に病気なわけでもないのであんまり問題視していませんが、とりあえず、日当たりのために置き場所は変更しておきました。追肥の増量については一度にやってもよい限界量がわかっていないので保留です。



ミニニンジンの元気なのの話と成長しない話

 ミニニンジンの元気な奴の三枚目の本葉が開きました。

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 12月24日 14:00ごろ 曇天 外気温9℃ 温室内10℃(±5)
 それにしてもミニニンジンって茎ブロッコリーに比べると成長がおそいですね...。何度も言っていることなんですけどね。いつまでも小さいのでこいつも仲間たちのように倒れるんじゃないかとはらはらさせられます...。

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 それから紫になってしまった株ですが、

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 12月24日 14:00ごろ 曇天 外気温9℃ 温室内10℃(±5)
 二枚の本葉の間の付け根の写真なんですが、赤丸部分、三枚目の本葉が出てくる気配すらないですね。このまま成長が止まって終わりなんでしょうか。それから、付け根部分の色が薄茶色っぽいのも気になります。えー枯れちゃうのかなぁ...と心配は尽きません。



スプラウト収穫した話

 結構前に栽培を始めたレッドキャベツスプラウト2ndを12月25日にようやく収穫しました。前回の栽培期間が一か月かからなかった(10月21日~11月11日)のに対し、今回は一か月と一週間ほど(11月19日~12月25日)かかっています。寒くなったのも原因の一つかもしれませんが、今回は前回よりもスプラウトを長く伸ばすことと、しっかり緑化させることを意識したのでその分栽培期間がのびたのだと思います。

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 写真は25日に収穫されたスプラウト(密度小産)です。
 20粒種を蒔いたのですが...

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 三本しおれていました。写真はしおれ加減がわかりやすかった二本を。(どうせなら三本並べて写真撮ればよかったと後悔)
 右のほうのやつなんかあれですね、ミニニンジンの倒れた奴の根元に似ている...。我が家になんかやばいものはびこっているんですか...。

 こういうしおれたのがあったのは密度小の方だけでした。おそらく、緑化させるときに窓際に置いていたので密集していない密度小ではダイレクトに寒さが堪えたのではないかと。

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 ともかく、密度小のスプラウトも密度大のスプラウトも収穫して、データを取りました。茎と根の色が変わる境目で切り取って収穫しました。

 収穫時の密度別のスプラウトの葉と茎の合計の長さ(単位はすべてcm)

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 密度小の表中のデータのうち、赤字になっているものがしおれていたもののデータです。また、密度大のうち「-」で表されているデータは成長不良を起こしてスプラウトの可食部が得られなかったものです(根が出たけど芽がのびなかったり)。なぜ密度大にだけこういうのが集まったかは謎です。というか、密度大の条件で育てると、発芽の時は一つ一つ観察できても、周りがある程度成長してしまうとそれぞれにスポットを当てた観察が難しくなるため、収穫をして根元のほうがみえるようになるまで気が付きませんでした...。

 さて、これも箱ひげ図に直すと(成長したかしてないかで考え、赤字のデータを含み、「-」データを含まない)

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 (第9回更新の箱ひげ図よりグレードアップしました。各データが見やすくなっていると思います。)

 密度小のが収穫できたスプラウトの長さに少し大きくばらつきがあることがわかります。最長も最短も密度大のが大きいですが、平均は密度小のが上。しおれたものを抜いた可食部の長さの総和を求めたところ
 密度小 119.9cm  密度大 111.4cm
でした。密度大で起こった成長不良や密度小で起こったしおれがその密度のせいだと考えた場合、密度小で育てたほうがたくさんスプラウトを食べられる、といえる、かも、しれない。

 ううん、ここで一回目のスプラウトのデータもあれば比較できたのですが...。しおれさせたもんなぁ...。この比較を誰か来年の受講生さんに引き継いでもらえたら面白そうです。

 あ、因みに、第9回更新で重さ量るとか言ってて、それで一応量ったんですけど家庭用の最小目盛りが1gのものではどちらも量ることができませんでした。残念。



 本文を書く前に書く内容を表すサブタイトルを書いておいて、それに沿って順番に書いていくと書きやすく、また書き漏らしがないことがわかりました。ただ、話題が変わるときに話題の間をつなげる言葉を考えなくてよくなるので楽だけどちょっと頭の使う領域が狭くなったように感じます。

 12回目の更新はこのくらいで...。
 

コメント

岡田さんこんにちは。

 今回は盛りだくさんの報告、見てるのも楽しいものです。

 先ずはブロッコリーの成長ですが、本当に大きくなりました。収穫は、気温が上がり始めた頃、急に花蕾が出てきます。これだけ茎も太くなり、栄養が蓄えられていれば期待が持てます。当研究室のロマネスコ(ブロッコリーは植えていない)よりも順調なくらいです。

 温室内の温度が結構上がるようです。これは意外なことでした。今後、温度を見る際には外気温との差を是非教えて下さい。その差が温室の効果を示すので。また、時間帯と日射量も見ておけば完璧ですね。

 温室が小さいので温度変化が急なのかと思いますが、感覚的には22,23度を超えれば植物に悪影響が出るかもしれません。蒸散量が急に増えるとくったりします。ただし少しくらいの萎れは数時間で回復します。換気全開でこれほどというのが驚きですね。安全のためには開け気味の方がいいのですが、本当、意外でした。

 このことは是非、温室を同様に作っている受講生にも知ってもらい、温度のレポートが欲しいところです。ちなみに当研究室の立派なガラス温室、真面目に計測すると午後6時以降、外気温と温室内温度とは全く差がありません。保温の作用は無いのですね。このことからすれば、植物を可愛がって夜間の低温から守るために室内に取り込む受講生が多くいますが、あんまり意味がないと分かります。

 さて、帰省中の水やりについても日数を計算して考えておられるようです。ただし、天気予報ではそう暖かくなることは無いようであっても、予想外に暖気がくることもありえます。なので水を充分やった際にプラスチックの鉢受けに1.5cmでも水を貯めておけば安心ですね。逆に寒いと凍結しますが、鉢が割れるほどにはならないと思います。

 株の大きさの違いですが、ご自分で書かれている通り、これだけでは何ともいえません。ただし、不思議だなあで終わっているのではなくきちんと仮説を立てているのが良いですね。特に予想外に鉢が小さい方が生育がいいという現実を踏まえて書いていますね。

 ミニニンジンは、変色した方はさすがに・・・ ですが他の株にまで蔓延する兆候がないので一安心です。そのことを心配していました。

 さて次にはスプラウトです。一番初めに竹定規が目に留まりました。まだあるんですね! なんでこんなマークなのか分かりませんが、昔とちっとも変っていません。

 さて、萎れている原因は、まあ不明ですね。それをはっきり見極めて集計から除外しているのは良いことです。実験的にはどこでボーダーを引くのか悩んだりしますが、この場合は萎れがくっきりしていて分かりやすいものでした。

 実験結果をプレゼンするのに、計測値を書き加えた今回の箱ひげ図は適切だと思います。普通は平均値とエラーバー(結果のバラツキを分散として計算)だけを表すものなのですが、よりダイレクトに数字を直接見せられる方が分かりやすいですから。見る人が成長の様子を容易に想像できます。

 生長不良の割合、これだけではなんとも言えません。それより平均値の差がほとんど無いのに正直かなり驚きました。バラツキに対し、この差は無いに等しいです。あれほど密度が異なる条件なのに・・・ 通常には密植の方が伸びやすい(理由は未だ不明。もちろん光条件を除いても)と考えられるのですが。20粒では密植といっても脇がスカスカなので明瞭な条件の差にならなかったのでしょうか。次にバラツキに関して、いくつか考えられることもありますが、なんともいえない差です。

 まあ、このデータを残し、来年の受講生の参考にしてもらいましょう。

 重さを計るのは計量器の都合もあるでしょうね。キッチンメーターもやや高めであれば0.1g単位になりますが、一般的なものでは1g単位ですね。

 文章の書き方はそうやって、パターンを考えながら、自分の中にノウハウを蓄積するものです。このゼミの目的の一つでもあります。そういうものは実際に繰り返し書いてみて初めて納得し、自分の引き出しになるのです。

 そういえば帰省といってもそちらは遠いですね。高速バスはあるのですが、時間長いです。春夏の長い休みであれば、仙台からフェリーという手があります・・ まあ私であれば青春18キップで行きますね。私も大阪から仙台に帰省するのに一日あれば余裕で行けたものです。決して鉄ヲタでなくとも楽しいものでした。景色も、仙台と比べれば静岡の辺りはなんと緑が多く、春らしいことか・・ 各地の駅そばも味が違います。これ、かなり違うんです。長くなるのでやめますが・・

 ではまた、引き続きアップお待ちしています。

 ラボスタッフ・オガタ


農学部・岡田さん

 おはようございます、遺伝の渡辺でございます。昨日の積雪で、温室の上にも雪が。これまでも雪に降られることはありましたが、植物体がこのように守られているという写真ははじめてのような。。研究室のガラス室も今日の太陽光で、雪が解けてほしいものです。茎ブロッコリー、根元に近い部分が少し細いですが、上部に行くに従って、太くなって、腋芽もしっかり生長したり、休眠している状態であったり。いずれ、よく管理できているのだとお見ます。子葉からでている腋芽は大きくなるので、これは、とても小さなブロッコリーができると思います。あとのは、頂芽のブロッコリーを収穫すると、腋芽が生長を始めると思います。もちろん、収穫できます。その当たりは、講義が終わってからの観察になると思いますが、是非、記録して、投稿してみて下さい。後輩たちの励みになると思いますので。去年も半数くらいの受講生が、投稿してくれて、大きくなった様子を報告してくれていましたので。ラボスタッフのオガタくんも書いてくれていますが、細かく考察しているのは、とても素晴らしいです。感動!!基本、F1品種なので、そろいはよいはずなので。。。もちろん、環境によって、変化はあるはずで。。。もう少し大きくなって収穫する頃に、新たな結論が見えるかもしれないですね。是非、推論しながら、観察を続けて下さい。

 緑のニンジンは、これからですね。このペースで大きくなってくれればと思います。水管理、施肥をやってみて下さい。紫になったのは、。。ピンチですね。もどったとき、どうなっているか、新しい葉っぱがでてくれることを祈っています。

 スプラウトについて、元dataを提示して、グラフ化。すてきです。というか、進化形の箱ひげ図を作っていて。これで、色々なことが一度に分かるような形になっていて。スプラウトの重さが分かると、確かにおもしろいですね。家庭用の電子天秤では。。。大学にあるものであれば、10mgくらいは識別できるので。次年度、収穫するときに、研究室に来て、個別dataがほしいという方のために、対応すればよいというのが、岡田さんが残してくれた課題として、分かったのはよいことです。ぜひ、次年度の方。記事を読んで、チャレンジしてみて下さい。サブタイトルをおくというのは、実験でもそうですね。あとは、頭を使うのが少なくなったのであれば、今週のまとめのように、全体として、こんなことが分かったとか、相互関係として、こんなおもしろそうなことが見えてきたとか。そんなことはどうでしょうか。いずれ、最初にあったように、帰省をしている頃でしょうか。年明けの記事を期待しています。あとは、ラボスタッフのオガタくんのコメントも参考にして下さい。では、よいお年をお迎えください。


 わたなべしるす

 PS. 刈谷市がトヨタの出発の豊田自動織機のスタート地点とは。。。昨日、全然別の話をしていて。ふと話題に。刈谷市豊田町、と豊田市があるとは。。。