東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

最終発表 その2(経:遠藤真由)

2018年1月15日 (月)

こんにちは。先日先生からご指摘いただいた通り最終発表の転記ミスがありました。申し訳ございません。なぜだかわからないのですが、先日の記事に残りの分をつけ足して更新する作業を何度やっても元の欠けた部分のある記事がアップされてしまうので新しい記事として分けさせていただきました。お手数ではありますが、こちらもご覧いただければと思います。よろしくお願いいたします。ちなみに前回の記事はこちらです。


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カイワレダイコンはサラダの中に入れて家族で食べました。味を比較するためにざる栽培のものとプラコップ栽培のものと市販のものの3種類を用意して自分でそれぞれ食べ比べをしてみました。味はというと、口に入れると鼻に抜けるようなダイコンの香りがし、後でピリッとした辛さがあるという私がイメージしていたカイワレダイコンの味でした。正直なところ、味の違いは分かりませんでした。母に食べたもらったところ同じコメントをされました。

中でも力を入れて取り組んだのは簡易温室の作成です。岡田さん直江さんなどに影響を受け、着手しました。ただ先人の真似をするだけでなく、自分なりに工夫を凝らすことをテーマに取り組み、日光を反射させるためにアルミホイルの代わりに保温シートを使い、地面の冷気が箱の中に伝わらないように発泡スチロールの脚を作るなどしてみました。後日のオガタさんのコメントによると保温シートは熱を発するものが周囲にあってこそ保温効果を発揮するそうなので完全に自分の思惑通りとはならなかったのですが、今のところ簡易温室のせいもあってかハツカダイコンは元気なのでよかったです。余談ではありますが、簡易温室を作って手をかけることで植物に対する思い入れが強まり、自分のモチベーションが高くなるという思わぬ効果もありました。

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簡易温室の作成はなるべく安く作ろうと主に百円ショップで必要なものを揃えました。強風でビニール袋が吹き飛んでしまったので、それを防ぐためにはビニール袋と段ボールをくっつけるのではなく、ビニール袋で箱ごと覆ってしまうのが良いのではないかと思いました。

(2) それ以外の科目への波及効果の事例

本講義の内容はハードなものでしたが、その分他の勉強にも役立ったと感じた部分がいくつかあります。

一つ目は、パソコンの操作に慣れたことです。講義を受ける前まではそもそもパソコンの操作が苦手であることもあってあまり積極的に取り組んできませんでしたが、記事の作成を通して、パソコンの操作の仕方やレイアウトなどを自分なりに工夫できるようになってきました。最初はリンクの張り付け方などがわからなかったのですが、特に文字をクリックすると他のサイトに飛ぶことができるものは画期的でした。これらのことはプレゼンのある授業でパワーポイントを作成するときにも役に立ちました。

二つ目は、計画を立てて締め切りに余裕をもって提出するということです。私は中間発表の提出期限に間に合いませんでしたが、その時の反省と渡辺先生の『課題を言い渡されたその時から締め切りだと思って取り組む』という言葉を聞いてからは締め切りのある課題を早め早めに取り組むようになりました。その結果以前まではギリギリに焦って提出していた課題を余裕をもってクオリティを高く仕上げられるようになったと思います。今作成しているこの記事も、余裕をもって提出することを目指して計画的に取り組んできました。

三つ目は、自分の中で考察をする癖がついたということです。これまでの講義では自分の態度は受動的なもので、聞いたことを知識として覚えるという意識が強かったのですが、本講義で植物がなぜそのように育ったのかなどの考察をするようになってから、自分なりに考察をするのが好きになりました。こういうものだ、と自分の中で完結するのではなく、なぜこうなるのだろうか、もしもこういう場合ならどうだろうかというように思考を広げるようになりました。特にこれが実感できるのが経済学の専門科目の講義です。植物の研究や考察を客観的な科学的根拠に基づいて行うのと、社会の現象を経済学の視点で考察することは意外と似ている点があるのではないかと思いました。

四つ目は相乗効果もあるかもしれませんが、(4)でも述べることですが、長い文章を書けるようになってきたということです。私は今セメスターで社会の構造という社会問題を考察する授業を取っていましたが、その講義には毎週参考文献を読んでそれに対する自分なりの意見を書くという大変な予習がありました。Wordで作成した今までの自分の予習を見直したところ、始めは600字ほどでしたが最近は1200字もの文章を書いていました。正直これは自分でも驚きです。

(3) 毎日の観察によって身についたこと、感じたこと

私は中間発表で後半に向けての目標として②いろいろな視点から観察する眼を身に付けることを掲げました。講義の前半までは毎日の観察とはいかなかったのですが、後半では毎日少しでもいいので植物と向き合うことを心掛けてきました。その結果、最近のカイワレダイコンの観察では朝と夜でも長さが変わって成長していることなど隙間時間を活用して観察し続けたことで小さな成長にも気が付けるようになりました。前半ではハツカダイコンを枯らしかけたことが2回ほどあったのですが、後半ではそれがなくなりました。それは、毎日観察することで植物の状態に気が付きやすくなり、軌道修正が可能となったためだと思います。これまでは何か一つのものを集中して観察する機会がなかったのですが、今回植物を観察してルーズな視点でとらえていたものがアップの視点に切り替えられてきたのを直感的に感じます。

(4) 文章を書くという点で開始前と後でどのような変化があったか

大学に入学してから中間や期末といったようなまとめとしてのレポートは何度か経験しましたが、この展開ゼミのようにコンスタントに文章を書くという経験は初めてでした。そのような意味では全くの新しい挑戦といえましたが、普段のレポートにも活きてくることを含めて私が学んだことは2つです。

1つ目は、文章も書く場面によってどのようなスタイルで書くかをTPOを踏まえて判断する必要があるということです。恥ずかしながら、私の初回の記事の文章は「講義」の一環で書いた文章としては少々不適切なものでした。それに、私たちの投稿した記事はSNSと連動していて一般の多くの方の目に触れるという点からも発言には気をつけなければなりませんでした。しかし、正式な学術書とも違い、先生方とのコミュニケーション媒体でもあるのであまりにも形式ばった文章を書くのも少し違うような気がしました。実際に、直江さんなど記事の始めに自身の近況報告を書いている方が見受けられましたが、記事の導入部分として面白いと感じました。後半の投稿では私も真似させてもらいました。また、文章という相手との対面がないメディアであるため、自分が本来意図したニュアンスと相手が受け取った内容に差が出ないようになるべく誤解のない、わかりやすい内容にすることを心掛けるようになりました。

2つ目は、文字数を多く書くことに抵抗がなくなったということです。正直これは野菜以上に私にとっては収穫かもしれません。この講義が始まった当初はパソコン操作事態に不慣れであるのも含め、1つの記事を完成させるのに2時間半ほどかかっていました。一つの記事を書き終えるとまた次の記事を考えるのが億劫でした。しかし、回数を重ねていくごとに書くスピードが上がり、以前も記事で言ったのですが今では40分ほどで記事を完成させられるようになりました。また、記事を作成することに対する抵抗感もなくなり、むしろ文章を書くことが楽しく感じられるようになりました。文字数についても前半の記事の文字数平均が字なのに対し、後半では字に増えたことも成長の一つです。回数については最終発表までの目標として①講義が終わるまで記事を12回アップロードするとしていましたが、私よりも上をいく方は多いものの達成することができました。

(5) 客観的に物事をとらえて自然科学的なものの見方をすることについて自分が習得できたと思う点、他の受講生を見習ってさらに研鑽したい点

自然科学的なものの見方について得たものとしては、客観的にかつ正確に物事を観察することの重要性を挙げたいです。この講義ではただ単に植物が大きくなったと表現するのではなく、植物のどの部分が、何㎝くらい、色はどのようであるかなど植物を客観的に第三者の目にもわかりやすく示す必要がありました。始めは定規で生長を測るのに苦労していましたが、今となっては普段の生活で「それって大きさどのくらい?」と尋ねられた時に思わずメジャーを手に取りそうになるときがあります。また、植物自体だけではなくそれを取り巻く環境も重要でした。当たり前ですが、植物が育つ過程では環境が植物自体に影響しているため、私がペットボトルで栽培していたハツカダイコンが枯れてしまったときなどは様々な要因を考える必要がありました。その要因を考察する過程は多角的に考える良い機会になったと思います。その一方で渡辺先生が何度もおっしゃっていたように、自分で見て触れて感じたことも大切にするという面との二面性を感じました。実際に定規をあてて葉や茎の長さを測り数値として観察することと、土を手で触って水やりのタイミングを自分で感じ取ることなどとではそこから手に入る情報の質が異なるのでどちらも重要なのではないかと思います。

他の受講生に比べて自分が至らないと感じた点はとても多いです。中でも特に感じたのは観察への探求心です。榊原さんは水を与える量を計測して一らっしゃいましたが、自分にはそのような発想はありませんでした。発想だけでなく、実際の計測には大変な労力が必要だったことと思います。また、杉山さんなど植物を写真に収めるだけでなくスケッチしている方もいました。その時は気が付きませんでした。スケッチを通して新たな気付きを得たり理解を深めたりするのに役に立つのだと思うと、私も初めからやっておくべきだったと反省しています。また、私も簡単なビニールハウスを作成しましたが、始めに作っていらっしゃった岡田さんの影響でした。岡田さんは8時間もかけて作っていらっしゃいましたが、創意工夫には驚きました。菅原さんはロマネスコの生長を細かく計測し、さらにそれを表に整理してまとめていてとてもわかりやすいと思いました。このように今挙げたのはほんの一部の例ですが、自分が気になったことや改善案を計画的に実行するところをもさらに見習いたいです。

(6) 上記の内容を踏まえてこれからの大学生活にどうやって活かしていくか、まだ収穫していない植物をどのように管理したいか

紆余曲折をしながらも何とか最終発表を書き終えるに至るまでに自分が来られたのはもちろん自分が諦めなかったこともありますが、先生方や周りの受講生が与えてくれた刺激のおかげだと思っています。ありがとうございました。

これからの自分の大学生活では今回身に付き始めた観察眼をさらに伸ばし、自分の専門学問分野である経済学での分析力に繋げていきたいです。今はビッグデータなどをはじめとする数値的なデータを取り扱える人材が必要とされているので、文系のくくりにあるといっても経済学は理系の面も持ち合わせていると思います。また、その観察する観点は人によって様々であり、自分の視点だけで完結していては気が付けないこともたくさんあるのではないかと他の受講生の記事を参考にすることを通して実感しました。そういった意味で他人のアドバイスややっていることを自分に引き付けて受け入れていきたいです。

カイワレダイコンは収穫できましたが、残念ながらハツカダイコンは授業内で収穫まで至りませんでした。私の最終発表までの目標として③ハツカダイコンを最後まで育てて食べることも挙げていたのですが残念ながら現時点では未達成です。ハツカダイコンについてはこれからも今まで通りに栽培を続けて収穫したいと思います。今のように公に見せるような媒体はなくても、写真を撮って記録するなど自分で観察を続け、責任をもって栽培したいです。また、カイワレダイコンについてはまだ種があるので、日光に当てた状態で発芽するのか、期間は日光を遮断した場合とどう違うのかなど自分の疑問をもとに比較・工夫をしながら再び挑戦しようと思います。

最後になりますが、私が度々ご迷惑をお掛けしたにもかかわらず最後までアドバイスをしてくださった渡辺先生、ラボスタッフのオガタさんありがとうございました。


コメント

経済学部・遠藤さん

 おはようございます、遺伝の渡辺でございます。最終発表が(1)だけで止まっていたので、心配していましたが、無事に、最後まで書き上げて、しっかりまとめられていました。本文中にいくつかあったように、たくさんの苦労があったと思います。中間報告とか。もちろん、栽培面も。そうしたことでの失敗を糧として、経済学、あるいはその周辺領域のことに活かして下さい。〆切をどう考えるかは、人それぞれかも知れないですが、「〆切と言われた日を〆切にする」という心がけをすれば、心に余裕ができると思います。慌ただしくなると思うかも知れないですが、別の〆切がいつ来てもよい状態になりますので。計画性を持つことは、経済学でも重要でしょうから。

 自然科学であれ、社会科学であれ、それらは何らかの結論を得ることが大事です。つまり、自分がやったことで、何が分かったのかを考察すること。それを大事にして下さい。考察は自分の考えをまとめることですから。経済の成長という言葉にあるように、植物も生長します。そんな時、どの様な原因なのか、考えることと同じだと思います。

 文章の書き方も、それぞれの場面場面で、どの様な対応を考えるのか。大事なことです。web-baseでの講義としていますが、webでの記事はある意味ではレポートですが、受講生以外の方も見ることができます。そうしたある種、社会性を持った文章を書くこと、そんなことも、大学、社会人として、学ぶべきことなのだと思います。その意味では、分かりやすく、ただ、内容が薄くならないように心がけること。他のことでも同じかも知れないですが。これかもやってみて下さい。というか、経済はメディアに近いでしょうから。

 社会科学系の方に、自然科学的なものの見方というのは、少し大変かも知れないですが、それでも、そうした側面を持つことは大事です。特に、経済学は多様は変数を用いたbig dataを解析する時代になりつつあります。今回計測はできなかったようですが、どこを計ること、見ることが、その植物の本質なのか、経済でいえば、どこが経済を動かしているのか。それを見るためにも、今回の観察力は、大事だと思います。もちろん、経験と勘のようなものもおろそかにしないで。。これらを実行するためにも、経済学の課題などで、数値化、グラフ化を試みて下さい。

 収穫までまだのものもありますが、収穫できたら、食レポなど、また、報告してみて下さい。ここでの失敗はこれからの糧になると思います。がんばって下さい。


 わたなべしるす