東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

最終発表!(農:榊原里奈)

2018年1月19日 (金)

こんにちは。農学部の榊原です。中間発表に続きギリギリの投稿になっていしまい反省しております...。それでは早速最終発表に移ります。

20180119113538-63b93192c80c2ee770b492936a68df6c1402619c.png(1) 植物、作物の栽培を行って、最初に想像していたよりも、たいへんだったこと、逆に、以外とうまくいったなと言うこと、という栽培について、感じたことをこれまでの発表のHPを引用(link挿入)するなどして、説明して下さい。

はじめに、想像していたよりも大変だったことは植物の世話と記録です。野菜は私たち人間が水やりや施肥を行わないと元気に育ってくれません。私たちには平日と休日、忙しい日やそうでない日があります。しかし、12月20日の最終発表のお知らせに渡辺先生が書かれていた「植物は毎日が平日」という言葉を見て気づかされました。
課題やレポートが忙しいからと野菜の世話や観察を後回しにしてしまったこともありました。「植物は毎日が平日」。当たり前のことですが意外と忘れがち、というか自分を優先しがちだなと思いました。キャベツとコネギを枯らしかけてしまった時も、きちんと観察をして早めに変化に気づき、記事を書いていれば危険な状況を回避できたのではないかと後悔しています。

次に、意外と上手くいったことは2点あります。
1つ目はキャベツの2回目の植え替えです。1回目に植え替えについて何も調べずに苗を引き抜いて根を傷つけてしまいました。きちんと植え替え方法を調べたり、他の受講生や去年の受講生の記事をよく病んでおけばよかったと思っています。そのため、2回目のときには慎重に、土ごと植え替えをしました。無事に植え替えた後も元気に成長してくれて良かったです。種をまいて発芽したときには数㎝ほどだった苗が100日ほどでこんなに大きくなったのかと感動しました。ある程度大きくなって本葉の数が増えてからは一見あまり成長を感じませんが、きちんと葉の数を数えたり、葉の大きさを測ってみると着実に成長しているのがわかり、とても嬉しかったです。
2点目はキャベツの2回目の植え替え時に二つの鉢植えを別々の環境で育てることにしたことです。水やりと施肥の頻度が同じであるのに、明らかに成長に差が出ました。

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写真は1月12日での1号と2号の写真です。左が1号、右が2号です。こんなに差が出るのかと驚きました。これはやはり最も気温が植物の成長に影響するといえるのではないでしょうか。室内での栽培はデメリットが多くありますが、元気に成長し、また屋外栽培との比較ができて良かったと感じています。

20180119113610-cf6a984d72d6abc1a3bcb0fcc5ab89da04574bd1.png(2) シラバスにも書いたように、植物の観察眼を養うことを目的としていましたが、それ以外の科目などへの波及効果もあったのではないかと思っています。どの様なところに波及効果があったかを実例を入れて説明して下さい。

この展開ゼミを受講して私が波及効果があったと感じるものは2つあります。
1つ目は数学の計算です。植物の観察では小さな変化も見逃さないように注意深く行います。その注意深さは数学の計算でも必要です。計算ミスをしないように注意しながら計算をし、計算後も間違いがないか確認をするようになりました。これは化学でも同じです。現在、化学Cで有機化学を学んでいます。有機化学では構造が1つでも異なるだけで別の物質になってしまいます。そのため、ノートを取る際に間違いがないかよく確認するようになりました。このように、植物の観察における注意力は他の科目でも発揮しています。

2つ目はやはり自然科学総合実験です。2セメに入り、大学に入学後初めての実験の授業でした。実験中はもちろんですが、特にレポートにおいて効果が大きかったように感じます。授業が始まったばかりの頃は実験後のレポートに何を書いたらいいのかよくわからずにいました。しかし、この展開ゼミでの観察や記事を書くことを通して結果や考察の書き方を学ぶことができ、何を書くべきか迷うことが少なくなりました。自然科学総合実験の授業で指導していただいたこともありますが、展開ゼミで得たものも大きいように感じます。

20180119113634-44704d2554a5a6868653449c01304f1f770ad7c2.png(3) 他の展開ゼミとは異なり、実質、「毎日が展開ゼミ」ということでたいへんだったこともあると思いますが、逆に、毎日の観察をすると言うことで、どの様なことが身についたのか、感じたことなどを、まとめて下さい。

この展開ゼミを通して、育てている野菜たちが生活の一部となったように感じます。家を出る前には、鉢を見て土が乾いていないかを確認し、帰ってからも葉がしおれていないかなどを見るようになりました。さらに、年末年始に家を空けている間も仙台の天気を調べたりと仙台に置いてきた野菜たちのことが気がかりでした。年明けに仙台へ帰ってきて、野菜たちが枯れずに無事だったときにはほっとしました。野菜たちの観察、世話をすることが少しずつ生活に溶け込んでいったように感じます。

また、自分のスケジュールを先読みして行動するようになりました。(1)でも書いたように、植物に休みの日はありません。しかし、私には予定があって世話をできない日もあります。そんな予定は前もって分かっているので、前の日に多めに水やりや施肥をしておくなど、あらかじめ対策をとることができます。いつ忙しいからこの日に水やりをしておこう、など前々から準備していました。さらに、朝出かける前に野菜たちの水やりや観察をしなくてはいけなくなったので時間に余裕をもって行動するようになりました。野菜の成長過程をを細かく記録したり、施肥・水やりのタイミングを管理するようになったことで自分のスケジュール管理についても前よりきちんとするようになったと思います。

20180119113700-292b360ef73db31277a7c6ef1d3b0bb5f45fb32d.png(4) 大学の講義の中でも、かなり、異端の講義形式になっていますが、このゼミ形式で文章を書いたり、それをいかにプレゼンするかと言うことも学んだのではないかと思います。それらを踏まえて、文章を書くという点で、ゼミ開始前とあとでどのような変化があったか、考察して下さい。

週1回程度の記事の更新を通して、普段の記事くらいの量の文章を書くのは苦でなくなりました。さすがに最終発表の4000字には慄きましたが。中間発表のとき2000字で苦労していたのに、今回の最終発表では2000字はあっさり超えることができました。成長をしみじみと感じています。また、中間発表の時にも書きましたが、記事の中では文章と写真でしか植物の成長過程や育てている環境を伝えることができません。そのため、どのように表現したら読んでいる人がすぐに理解できるか考えながら文章を書くようになりました。情報量が少なすぎると伝わらないし、逆に多すぎても読者は混乱してしまいます。必要な情報だけを載せることも難しいですが大切なことだと気づきました。この最終発表を書くのにも苦労しているのでまだまだですが、もともと長文を書くのが苦手だった私にとってこの展開ゼミはプラスになったと思います。また、他の受講者の方の記事を読むことで自然と文章を読む機会が増えました。多くの文章に触れることで語彙力を身に着けることができたのではないかと思います。私は知っている語彙が少なすぎて自分が言いたいことを文章で表現できないことがあります。普段あまり本も読まないので他の方の書いた記事を読みことは様々な文章に触れるとても良い機会であったと感じています。

20180119113732-1bf7ef7b74b7a85d5b0855fe4cc4c519b5b60f99.png(5) 理系・文系を問わず、この講義を受講できるようになっています。植物を栽培して、観察するということは、客観的に物事を捉えて、自然科学的なものの見方を学ぶということでもあります。そうした点について、自分自身が習得できたと思う点、他の受講生と比較して、さらに、研鑽を積むことが大事と思う点を、考察して下さい。

植物の栽培、観察を通して私は科学的な観察の仕方の基礎を学ぶことができました。時間や測定する部位、撮影する角度など、同じ条件で毎回記録しなくてはいけません。当たり前のことですが、展開ゼミが始まったばかりの10月頃の私はあまりそのことを意識できていませんでした。渡辺先生やオガタさんからのコメントからこういうことに注意しなくてはいけないんだ、と気づくことも多々ありました。

他の受講生の記事を読み、学んだことは比較実験を行うことです。
20人近くの学生が受講しているなか、普通に野菜を育てるだけでは面白くありません。(普通に育てるだけでも難しいのですが...。)何か他の人と違うことをしたいと思っていた時、農学部の岡田さん教育学部の井上さんの記事を読んで私も植物を違う条件に置いて比較実験をしてみようと思いました。岡田さんはスプラウトを密度を変えて栽培しており、井上さんはハクサイの水耕栽培をされていました。お二方ともほかの受講生とは違う、変わったことにチャレンジしていてすごいと思いました。私には発想力がなく、「屋内と屋外で栽培し成長度合いの違いを調べる」という誰にでも思いつきそうなことしかできませんでした。なので、今後の学生生活の中でほかの人とはちょっと違う独自の発想力、思考力を養いたいと思います。

また、今年の展開ゼミでは防寒装置(温室)を自作していらっしゃる方が多くいて、私はその行動力に驚きました。仙台の冬は初めてだったのでどのくらい寒くなるのかわからず、私も作らなきゃいけないかなと思って100円ショップに材料を見に行ったりしていました。しかし私は、12月13日の農学部齊藤さんの記事に対するオガタさんの「寒さ対策ですが、それほど急がなくともよいと思います。受講者の作物はみな仙台の冬で枯れるものではありません」というコメントを見てあっさり作るのをやめてしまいました。枯れないなら大丈夫か、と。屋内と屋外、両方での栽培をしてみて、外に置いている方のキャベツは枯れることはなかったのですが成長がほとんど止まってしまっています。温室を作っておけばもう少し成長が早かったのかなと思ったりもしました。様々なことにチャレンジしてみることは大切なことだと思います。すぐにあきらめるのではなくいろいろなことに挑戦していこうと思います。

20180119113831-fd76b7b5b19b3e60cd16b941c850e3420668074e.png(6) 以上の(1)~(5)を踏まえて、この展開ゼミで学んだことを、大学での活動を含めた日々の生活に対して、どの様に活かすことができるか。さらには、まだ、収穫していない作物を今後、どの様に管理したいかを記して下さい。

前にも述べたように、私はこの展開ゼミを通して科学的な観察の仕方や文章を書く力を得ることができました。観察や結果のまとめ方はこれから学年が上がり、専門的なことを学んだり実験をしていくうえで必ず必要な力であるはずです。文章を書くことについても実験レポートを書いたり、研究論文を書くうえで必要な技術です。また、観察を通して鍛えた注意力は日常生活においてもきっと役立ちます。
さらに、私は締め切りが近づかないと本気で課題に取りかからない傾向があります。以前から自覚はしていたのですが今回の展開ゼミ、特に中間発表と最終発表を通して改めて実感しました。この最終発表は前もって準備していたのにこの有様です。いつも期限ギリギリに終わらせていたら、きちんと見直すこともできないし、何より完成度が低くなってしまいがちです。すぐに変えることはできないかもしれませんが、少しでも意識して学生のうちにこの傾向を直したいと思います。展開ゼミを通して学んだことは今後の生活に大きく活かすことができると思います。
私が育てている野菜たちはまだまだ成長途中なのでキャベツは1号、2号ともに結球するまで、コネギはもっと伸びてネギらしくなるまできちんと世話を続けたいと思います。収穫できたらこのブログでも報告したいと思います。自分で種から育てた野菜を収穫できるなんて感慨深いです。もともと家庭菜園などに興味がありましたが、用具をそろえたりするのも一苦労でなかなか手を出せずにいました。この展開ゼミが野菜の栽培を始めるきっかけを与えてくれました。この展開ゼミで多くのことを学ぶことができました。大変なこともありましたが受講して良かったです。個人的に、今度はまた別の野菜を育ててみたいと思います。

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コメントやアドバイスを頂いたりと大変お世話になりました。ありがとうございました。

収穫まで付き合っていただけたら幸いです。以上で最終発表を終わります。

コメント

農学部・榊原さん

 こんにちは、遺伝の渡辺でございます。ずいぶん長い最終発表でしたね。1つ前にキャベツの収穫をされていたので、そのあと、すぐにuploadされるだろうと。そう思っていたら、意外とギリギリで。準備をしっかりして、長い報告だったことは、よいこと。でも、逆に榊原さん自身書いてあったように、見直したり、冷静な対応が難しくなるということ。何を例にするのがよいか、分からないですが、例えば、テストの時、時間の半分くらいまでで、どこまでかけているのか、残りのどれを解答できるのか。考えるのではないでしょうか。レポートというか、〆切があるもの、それをどこまでどのタイミングでやっておいて、出すのか、大事なことです。渡辺の指導教官であった、日向先生が言われていたこと。研究を発表する「投稿論文」投稿までに色々と確認します。でも、できた日に投稿をしないこと。できた日は、頭の中ができたことでうれしくなっているわけです。そうしたら、もしかして、間違っていても、気がつかないわけで。。。なので、できた日は、まずはそれを置いて、翌日にまた、最後の確認を冷静な目で見て、それを投稿する。昔であれば、封筒に入れて、郵送でしたし、今であれば、websiteから、uploadすることになると思います。そんな風に、〆切を考えて見ると、余裕を持った行動の大切さを理解してもらえるのではないかと。どうでしょうか。

 「植物は毎日が平日」というのが、心に響いた受講生の方、他にもいたと思います。渡辺自身は大事なことだと思っています。というのは、昔、研究室に研修に来ていた農業高校の先生が、植物を上手に育てるポイントは、「毎日歩いて通う圃場までのあなたの足跡である」と。つまり、毎日、きちんと見てあげること。それに勝るものはないということなのだと思います。その意味で、当たり前の事を当たり前にできることの重要性をしっかりできたのは、よいことだと思います。その毎日の観察でちょっとした違いに気がつく眼を持つようになったからだと思います。構造式の違いであったり、色々なところに波及できているのだと。榊原さんが仙台にいなくても、仙台の天気が気になるようになったのは、たいしたものです。大事なことですから。遠く離れているけど、どうしているか、この気温であれば、大丈夫だろうとか、そんなことを気にかける、それが、植物を毎日、見ることから生まれた、身についた大事なことなのだと思います。これからも、そんな冷静に考えると当たり前の事を当たり前にできるようになって下さい。

 先読みをして行動すること。それは、最初に書いたことに通じることですね。渡辺は研究室の中で、こちらの予定を黒板に1ヶ月先まで記しています。何かがあれば、渡辺とコンタクトしやすいように。ちなみに、教授室はありません。学生さんと共通のスペースです。会社ではそんなことの方が普通でしょうから。そんな風に、スケジュールの先読みをして、行動すること。農家であれば、いつ何をしたのか、何をするのかをカレンダーに記している方もいたような。。。そんな肥培管理と同じように、普段の行動も先読みして、先手、先手でというのが大事なことになると思います。語彙力の養成は難しいですね。でも、難しい本を読むことはないと思います。何を読んで学んでもよいので、雑誌でも、週刊誌でも。極端に言えば、マンガでも。その中に出てくる単語を大事に見てみると、意外と難しい言葉があったりします。そんな風にして覚えたのに、「要諦」という言葉がありますね。大事なことというか、要点というのか、そんなことだったかと。他の受講生の方の記事を読むだけでも違うでしょうから。ちなみに、渡辺が同じ、1年の頃。西村京太郎のトラベルミステリーにはまって、毎日のように読みあさっていました。今は、別の新書の本を読んでいるのですが。。。

 発想力。なかなか難しいポイントですね。でも、先に書いたように、当たり前を当たり前と思わないこと。そんなことをしてもしょうがないと思った時点で、止まりますので。そうでなくて、こんなことをしてみたら。。観察をして、例えば、これを外してみたら、これが大きくなるには、など、極めて単純でよいので、思ったことを、絶対無理なら、しょうがないですが、そうでないとき、チャレンジしてみることではないかと。あきらめたら、そこで終わりですから。それから、本気になるポイントですね。なかなか難しいですね。渡辺など書類をいくつも抱えていて、できるだけ、その場で処理をして、もちろん、お願いされてから、ずいぶんかかるものもあります。でも、来たとき、その時、時間があれば、やってしまう。もちろん、すぐにできることなら。他に何かをしていても、それよりも簡単で片付けた方がはやいなら。という発想です。それぞれ、どうやって生きてきたかにも寄るので、なかなか、すぐには難しいですが。改善を図ってみて下さい。収穫した野菜の食レポ、楽しみにしております。もちろん、投稿はwelcomeですから。このことがきっかけで家庭菜園にはまるのもよし。さらには、1年生の終わりにある、学系、コース分けのきっかけにするのもよし、受講してよかったというのは、開講したものには、次の年度への励みとなる言葉です。是非、別の野菜を育ててみて下さい。植木ばち、土は用意します。手持ちの野菜の種で、気に入ったものもあるかも知れないです。春夏野菜で。そんな時、また、mailをしてみて下さい。収穫までを楽しみにして、植物は毎日が平日を大事にこれからも進化して下さい。というか、できると思いますので。


 わたなべしるす