東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

第6回 春くん(キャベツ)の生長記録と大ちゃん(かいわれ大根)の収穫・調理・実食①(文:坂谷日向)

2018年11月19日 (月)

 みなさん、こんにちは。文学部の坂谷です。

 月曜日に更新、と宣言していたにも関わらず、ぎりぎり1週間に1回、不定期に投稿するようになってしまっています。渡辺先生もおっしゃっていましたが、一定間隔でそれなりの量でそれなりの内容のものを書くというのは予想外に難しいものですね。この辺は次回の中間発表にて詳しく述べたいと思います。

 さて、今回は春くん(キャベツ)の生長記録と大ちゃん(かいわれ大根)の収穫・調理・実食の第1回目を書いていきます。私の調理は(一人暮らしなので)自分が美味しければ良いという考えのもと、アバウトかつ簡単なものです。意外にも結構良くできたので、よろしければ是非作ってみてください。


★本日の内容★

1.春くん(キャベツ)の生長記録

2.大ちゃん(かいわれ大根)の収穫・調理・実食①


1.春くん(キャベツ)の生長記録

 前回は10月28日までの様子について報告しました。今回は11月1日の様子から報告していきますが、なんとのっけから大事件が起きました(すみません、気温と湿度は測り忘れました)。

toreruzo.jpg 風のせいでしょうか、ネットが飛び、見事に鉢がひっくり返っていました。前々回の記事でオガタさんから「ベランダは風が強いので気をつけるように」というコメントを頂き、物でびっちりと抑えたり、鉢の下に挟み込んだのですが、逆に風がうまく抜けず、ひっくり返る原因となってしまったようです。そこでネットは鉢ではなく、物のみで抑えるようにし、わざと隙間を空けて風が抜けるようにしました。実はネットをびっちり抑えていたのは、風の他にカラス等の鳥対策でもありました。カラスがゴミ置き場のネットの隙間からゴミをあさっているのを見たことがあったので、その対策をしていたのですが、ここはCDの効果にも期待して我慢することにします。

 1日に1回のペースでは水やりは多いというオガタさんのコメントを頂いてから、3日に1度水を大量にやるという方法を確立してきました。3日に1度というのは、大体そのくらいで土の表面が乾き始めるからです。以前も紹介しましたが、2015年度の竹本さんの記事を参考に、表面を触って確認しています。不安なときは鉢の端の方に指を2cm程度突っ込んで中の方も確認しています。今まではそれで調子よく育ててきたのですが、ここ数日天気が良かったからでしょうか。もしかしたら強風も原因の1つかもしれません。せっかくオガタさんに「乾かないよう十分に注意を」というアドバイスを頂いていたにもかかわらず、5つのうち最も日当たりの良い位置に置いていた鉢の土がカピカピに乾いていました。キャベツもぐったりとしています。

guttari.jpg まさに泣きっ面に蜂という状態でしたが、以前拝見していた2016年度の福島さんの記事を参考にとにかく水を与えて1日様子を見ることにしました。

 そして翌日(2日/気温10.2℃、湿度68%)。

hukkatu.jpg なんとか持ち直し、茎も真っ直ぐになりました。植物の再生力・生命力に感嘆すると共に、もっと注意深く扱おうと肝に銘じました。不幸中の幸いだったのは、乾いてしまった鉢が100均で買ってきた土でもなく、また植え替えをしたことで異なる土が混ざった鉢でもなかったことです。理由は前々回の記事で頂いたオガタさんのコメントです。100均で買った土はピートモス主体の軽い土で、このタイプの土はいったん乾かしてしまうと極端に給水が悪くなる」とのこと。ピートモスとはなんぞやと調べてみたところ、「水気の多い場所で育った植物を細かく砕いて乾燥させた土で、主にコケ類を原料としており、自分の10〜30倍ほどの水分を吸収する特徴がある」ものらしいです。①土質を酸性寄りに変化させること、②水もちをよくすること、③土を柔らかくする効果の3つの効果があるそう。なるほど、どうりで100均で買った土を使った鉢の方は初めにより大量の水を必要とし、1度水を含むと乾きにくかったわけですね。

 また、植え替えした方の土は「前の土と新しい土の水吸収力に差があり過ぎると、そこで土同士の水の奪い合いがあり、根はその段差を乗り越える勢いがつくまで伸びないことがある」ため、水管理に気をつけなければいけないとのことでした。

 そして11月6日(気温18.4℃、湿度66%)

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 上段が最も育っているもの、下段が最も小さい物です。葉の長さ(最も大きい葉。ほとんどが本葉1枚目)は3cm~6.5cm、茎の長さは3cm~5cm程度でした。とても興味深かったのが、ほとんどの葉が上向きではなく、若干太陽の方に傾いていることです。これは室内で育てているものが最も顕著でした(画像下)。

situnai.jog 向かって左側が窓なのですが、どの葉もそちらに向かっています。ただでさえ日の光が当たりづらい室内なので、少しでも光を取り込もうとするのでしょうか。水口さんのトウミョウを見たときも面白いと思ったのですが、いざ自分のキャベツで実際になっているのをみると、意地悪をしてわざと室内で育てているのが申し訳なくなってきました。

zentidesuo.jpg そしてやはり向かって左側の、日が当たるのが少し遅い鉢は右側に比べて苗が小さめです。全く成長していないわけではないのですが...。土は真ん中の鉢と同じ物を使用しており、水やりも同じ時間にほぼ同じ量与えています。日光だけが原因ではないのかもしれませんが、物は試しということで右端の2つの鉢と、左端の2つの鉢を入れ替えて育ててみることにしました。

 11月8日(気温14.9℃、湿度70%)。今後、温度と肥料のみを変えて簡易的な実験を行うことを考えれば、苗の生長度合のばらつきは避けたいところですが、少しずつ生長度合がずれているので新しい本葉が出てくる成長過程が一目で分かります。


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me4.jpgme3.jpg 1枚目に注目してみると、葉の色がまだ緑色ではなく、茎の根元と同じ紫がかった色をしています。例によってこちらのサイトで色を調べてみたところ、若紫色が最も近い色でした。また、1枚目と2枚目の本葉の間から芽が出ているのが分かります。角度的にわかりにくいのですが、本葉の1枚目と2枚目が横に広がっているとしたら、3枚目と4枚目は縦に広がるように生えてきています。おそらくより効率的に光を集めるためだと考えられます。下の画像は16日に間引きしたものですが、上記したような葉の生え方が分かりやすいです。

mabiki.jpg また、最近気がついたことなのですが、子葉と本葉の形が明らかに違います。子葉は丸みを帯びているのに対し、本葉はギザギザとしていて細長く、裏面の葉脈もしっかりしています。この葉が結球したとき、どのようになっていくのか楽しみです。


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 これらは下校中に見つけた葉っぱたちです。そのどれもがキャベツとは違う形で葉が生えています。下段右の写真が最も近いようですが、葉と葉の間がもっと短いです。結球する植物は少し特別なのでしょうか。

 

2.大ちゃん(かいわれ大根)の収穫・調理・実食

2tunoyatu.jpg 今週は先に緑化していたキッチンペーパー(画像左)とコットン(画像右)の収穫・調理・実食を報告します。

 

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 左は下敷きごと透明コップから引き抜いたときの様子です。白い下敷きなので見にくいのですが、数本の根っこが縦横無尽に走っているのが分かります。この2つのカップは比較的形良くできていたのですが、その要因の1つは左のようにしっかりと根っこが張っていたことかもしれません。

 

 

 

 

 

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 図のように下敷きごとまな板の上にのせ、根元からカットしました。左がキッチンペーパー、右がコットンです。

 まずは何もつけず、そのままで1本ずつ食べてみました。どちらもシャキシャキとした食感で、ピリッとした辛みがありました。匂いは特に何もありませんでした。我ながら、よく出来たと思います。

 それではいよいよ調理に入ります。ちょうど実家からきりたんぽが送られてきていたので、きりたんぽに切れ込みを入れ、中にかいわれ大根とチーズをいれました。それを豚バラ肉で巻き、塩こしょうを振りました。

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 それを表面がこんがりするまでフライパンで焼きます。肉に火が通れば良いので、肉の色が変わったらOKです。あとは皿に盛り付け、かいわれの葉をちょんと乗せたら完成です。


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 きりたんぽの作り方はこちらを見てみてください。きりたんぽ用の串は割り箸などで代用できますし、だまこといって単に丸めるだけのものもあります。実際にきりたんぽ鍋を作るときは味付けがされてある鍋の素なんかもありますよ。簡単に家でもできますし、お子さんと一緒に作るのも楽しそうですね。

 さて、上の料理で使った豚バラ肉が余ったので、残ったかいわれと簡単に炒めました。ポン酢で味付けをし、さっぱりした味わいに、と思いましたが、ポン酢は買っておらず...。では醤油とポッカレモンで、と思ったら、醤油が切れていたので、仕方なく昆布だしのつゆとポッカレモンで代用しました。


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 面白かったのが火を通したかいわれは火を通す前よりも葉の緑色が濃くなっていたことです。言われてみればブロッコリーやほうれん草なんかも、緑が濃くなるといいますか、鮮やかになるとおいいますか...。ともかく色が変わりますよね。

 次回の調理は前回の表紙に使った食材を使っていきます。どうぞお楽しみに!


●今日の画像●

 今回の記事の最初に使った画像は、「名探偵コナン」の江戸川コナンと服部平次です。誰がなんと言おうと江戸川コナンと服部平次です。塩おにぎりとカレー炒飯おにぎりにラップを巻き顔を描いただけです。最初は巻き寿司で...なんて思っていたのですが、思っていたよりも難しく諦めました。別のキャラクターで再挑戦しようと思います。次回はあの電気タイプのポケモンを作ります。お楽しみに!

 

★次回予告★

・中間発表

 

 最後までご覧くださり、ありがとうございました。

コメント

坂谷さんこんにちは

 冒頭の写真、迷宮無しの名探偵...... まあ、分かります。次回の警戒色満載の電気小動物が楽しみですね。関係ないですがしまじろうは長男なのになんでしまじろうなのだろう...... 家族で何か追及してはならない過去がありそうです。ついでにトリッピーとか、サブキャラの扱いが雑です。

 さて、鉢が倒れるということはそこそこあることで、私もけっこう油断すると鉢を倒すことがあります。仙台は連続した風は少ないのですが、いきなり強いのが吹いてくることがあります。

 水やり等、こちらのリクエストをきちんと理解して、栽培に生かしているのを見るのはいいですね。こちらも楽しくできます。コメントで伝えきれないことも補完しながら、意味から考えて行って下さい。

 ピートモスの土について自分で調べて理解されましたでしょうか。実は私もピートモス主体の土で野菜を育てたことはありません。なのでどれくらい育つものなのか、私自身も知りたいところですし、来年以降の受講生へ向けて貴重なデータにもなります。見れば生育は若干遅くとも、目だった障害はなくて順調です。

 計測と撮影は細かいですね。葉そのものの形態と、葉の出方についてよく気が付きました。そしてそして、他の植物と比べているのが非常に素晴らしいことです。しかも写真を撮っての比較、これは展開ゼミ始まって以来ではないでしょうか。上の写真はササ、中段は私にも分かりません。下段はオドリコソウなのでしょうか。確かに植物によって葉の出方は違い、それぞれの生存戦略に最適な形態をとっています。キャベツは上からの光を逃さないよう、2/5回転ずつ周りながら葉を出します。葉と葉の間(節間)はキャベツは短く、結球を可能としています。それはハクサイやレタスも同じですね。元からそういう性質もあったのでしょうが、人間が時間をかけて育種していき、美味しくなるためにしっかり結球するよう改良を重ねていった結果だともいえます。

 さてカイワレの収穫、キッチンペーパーとコットン、あまり差がなく、どちらもきれいに育ちました。

 しかしまあ、その調理が凄いですね。きりたんぽがきりたんぽと思えない変身をしています。焼くのも驚きですが、米にチーズを使うというのも意外なことです。正直これはやってみないと分からない味なのでしょうね。う~ん、これは秋田県人恐るべし、です。家庭できりたんぽを作るというのもなかなか出てこない発想です。

 うどんや団子を作ったりすることは私もあるのですが。どちらも非常に簡単で、美味しくできます。そしてみたらしのタレなどはその場で手作りの方が断然美味しいものです。

 他、豚肉料理もいいですね。私も自分のためには全く料理などせず、この一年米を炊いたことすらありません。普通通は帰りがけに食べるか生協行くかしますから。しかし、娘に教えるため、超簡単で本格的らしく見える料理をマスターしたいものです。娘には是非、この人家庭的と勘違いさせる武器を見に付けさせたいですね。

ではまた

ラボスタッフ オガタ