東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

[108日目]温室の強化と経過報告(1973字)(農:八巻慶汰)

2019年1月21日 (月)

こんにちは。農学部の八巻です。今年のセンター試験も無事終わった頃ですが、最近は体調を崩してしまい、これが昨年の出来事でなくて良かったと思っています。年末年始に制作を続けていた温室ですが、これ以降は悲惨なことにならないように強固なものを作ろうと思いました。今回はオガタさんのコメントと、また同期受講生の坂谷日向さんの温室の改良を参考にして「トラス構造」をコンセプトとした温室を作りましたのでその報告といつもの経過報告をしたいと思います。

温室の改良について

◇今回使用した材料◇
・100円ショップで購入した支柱8本(60cm)
・ビニールテープ(透明)
・ビニールで覆われた針金
強度と水(雨や雪)などの耐性を考えてビニールテープを使用しましたが、扱いやすさ、剥がしたりつけたりを頻繁に行う場合は養生テープも良いと思います。
◇設計図◇

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今回は対角線上に支柱を追加してトラス構造をとり二重に骨組みを作った温室を考えました。まず内側に前回までと同様にダンボールを両脇に設置し、支柱2本ずつを用いて倒れないようにします。その際のポイントとして、

①支柱をダンボールに刺し、貫通したところをビニールテープで止める。
②支柱をスチロールに刺し、動かないように固定する。

を考えました。
次に、外側のビニール部は、土台のスチロールの四隅に支柱を立て、支柱の角同士を針金でバッテン状、対角線上に結び、横側からの風に対応します。
また、坂谷さんと同様に上部にもバッテン状のトラスを作り、上部からの圧力に対応し、水をあげられるように上部はテープで留めず洗濯ばさみで挟んで覆うことにしました。ポイントとして③は②と同様にスチロールにぶっ刺すことで強度を高めています。
設計図(windows work spaceで描画)
◇製作◇
まず内側の骨組みを作りました。支柱をクロスさせる際には、外側に撓むように重ねました。
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次に外側のビニール部分を作りました。強度面を考え、長方形の長い辺の部分は針金ではなく支柱を用いて上部を作りました。
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針金は支柱に固定させる際に、このように巻きつけるようにすると相当外れにくくなるのではないでしょうか。
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完成したものがこちらになります。(左:横から 右:上から)
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通気性は、鉢の受け皿の下にスノコを敷くことで確保しています。
温室内の温度も測ってみました。

夜:1月19日24時05分(曇り)
温室外 0.0℃
温室内 1.4℃ 
昼: 1月20日13時02分 (晴れ)
温室外 6.6℃
温室内 6.7℃
日中はほぼほぼ気温と内部の温度は同じでしたが、気温が下がる夜に約1.4℃ほど温室内の温度が高く、温室は特に夜間に有用であることが判明しました。
また、20日の夜(25:00)は西北西からの風が5.6[m/s]で、日最大風速 13.0[m/s] であり、風がだいぶ強かったのですが、様子を見ていたところ、少し揺れはあるものの壊れる様子が無く、支柱部分が堅牢のようで安心しました。
次に経過報告です。


1月16日(水)3.0℃ 38% 曇り (103日目)

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ブロッコリーは少し倒れ気味ですが、11日の様子からほぼ変わりなく生育しており、依然として10㎝前後の高さを保っています。本葉は5枚目が2㎝ほどになっています。
ミズナは最も長い葉で13㎝ほどで、あまり良い成長とは言えない状況ですが、温室や追肥の効果に期待して収穫までこぎつけたいと思っています。

1月19日(土)4.5℃ 40% 晴れ (106日目)

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写真がぶれてしまって申し訳ありません。特に異変は無く、芳しい変化も16日から見受けられませんでした。
ブロッコリーの耐性が少し不安なのでより倒れてしまいそうになったら土で株元を抑え込みたいと考えています。19日にも追肥を行いました。アドバイス頂いたように、10日に1回のペースで追肥を行いたいと思います。

しなびていた時の鉢の土は、両方ともだいぶ乾いていた状態で、表面の土はほぼ水分を含んでいない状態の色でした。放置期間は1週間ほどでしたが、これより長いと枯れていたかもしれないと思うと、この環境で育てる野菜は世話が欠かせないと思います。
マンガンを多く含む果実で渋抜き柿や甘柿はそれぞれ2,3位に位置するそうで、100gあたり0.5~0.6mg含まれているそうです。マンガンは主に代謝や運動機能に関与するそうなので、柿もその点で効果的なのかもしれません。また、研究室の野菜と自分のものを比べてみると、研究室で育てているミズナやブロッコリーはとても成長していて、ミズナは特に自分の物より発色と茂りが良いと感じました。私の株はまだまだひ弱ですが、このままのペースで焦らず地道に育てていこうと思います。

次回は最終発表となります。次もよろしくお願いいたします。
今回の文字数:1973字

コメント

八巻さんこんにちは

 トップの葉脈だけのイラストがぴったりくる季節となりました。センター試験はいつもいつも体調を崩してしまう人が残念なことに一定数いますね。しかしこれは持論なのですが、多少体調が変わろうが、試験の点数はあんまり変わらないんじゃないかなあ、と思います。テレビドラマやマンガでは、体調が一つのフラグのように扱われて受験でも試合でもいきなり予想外の展開になります。それは過剰演出で、あまり現実的ではないですね。

 別の演出の例を挙げると、よく腹の減った人がおにぎりをがっつく場合に、両手にそれぞれおにぎりを持って交互に食べますが、現実そんなことは無いと思います。両手で一つのおにぎりを持つでしょう。

 また、よく驚いた人がお盆を落としたりしますね。それもおかしなことです。人間、驚くと屈曲筋が優位になりますから、無意識に力を抜いて落としたりしません。むしろ無駄に握りしめて保持し続ける方がよほど多いのです。例として、地震で驚いて逃げる人というのは無駄にお茶碗や箸を持ったまま外まで走ってしまい、後からあれれ、と思うものです。お盆を落とすのはパターン化した演出に過ぎません。まあそういったことを考えても仕方ないのですが。いやしかしいろんなことを科学で考えるのも時には必要で、世の中には未だに全く効果のない節電器や、あるいはEM菌の河川浄化などが横行していますから。

 センター試験ということで私はむしろ、大学助手時代のセンター試験の監督(研究室ごと割り当てられる)の方が記憶に残っています。受験生の緊張が、なんともいえなかったですね。

 さて、報告の最初は温室の改良ですね。

 トラス構造を取り入れ、支柱をわざわざ購入しての作品です。またその手書きのイラストが綺麗でいいですね。字も綺麗です。

 段ボール部分を支柱で補強して、その上で支柱を渡しての二重ですか。立派なもので、大した工作です。結果的にこのような温室のタイプは園芸的に「ワーディアンケース」という名がありますが、昔、熱帯植物を収集してヨーロッパに持ち帰る際、植物を保護したものなのですがそれと似ています。

 さてその温室の効果ですが、晴天時に直射日光が当たっている場所でしょうか。もちろんサイドが段ボールなので多少遮られてしまい、日照条件は悪くなりますから見ておいて下さい。それと同時に直射日光が当たってる昼間温室の効果が少なすぎる気がします。夜間の方が効果が高い、という表現も微妙なのですが、夜間1.4℃の上昇は小幅なので充分あり得ます。昼間での効果が問題ですね。もちろん、変えるべきところはスキマです。これをできるだけ閉ざして再度昼間に測るべきですね。工作精度が高くても植物が二酸化炭素不足で窒息という事態はほとんどないです。温度が上がり過ぎてもダメですが先ずはスキマを減らしましょう。日照も不足なら反射板なども参考になるでしょう。

 植物自体の生育、あまり変わりないといえばそうなのですが、順調に冬を過ごしているという言い方もできます。順当に世話を続けながら変化を見ていきましょう。せっかくの温室なので、展開ゼミ終了後ももう少し続けたいものです。

 あ、当研究室の植物は、ただの参考ですから気にしないで下さい。

 調べるクセがついているんですね。私の出した写真の柿まで調べられているのは驚きです。関係ないですがマンガンは乾電池(ルクランシュ電池)としか思いませんでしたが、世の中的には強度のある特殊鋼の材料として使われているようです。

 さて今度は本当にどうでもいい写真です。いやあ、何でも世の中キャラですが、全く緩くないキャラもあります。ちなみに弘前市を通っている弘南鉄道のものです。

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ではまた

ラボスタッフ オガタ