東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

負けるなブロッコリー(農:竹本泰)

2020年1月16日 (木)

先日(1/13)が誕生日でした。今年は成人式とかぶっています。例年、私の誕生日はセンター試験か成人式のどちらかと大抵かぶります。ちなみに、来年は成人式の2日後となるので、そのときにも飲酒が許されません。まあ、家系的にお酒が弱いので、そこまでと言ったところですが。。。写真は誕生日に友達と行った保護猫シェルター「おうちにおいで。」の子です。ここでは違いを明確にするために、あえて保護猫シェルターと言っています。普通、猫カフェでは基本的に猫を買うなどして店員(商売猫)になりますが、保護猫シェルターでは多頭崩壊などして野良化した猫を引き取って店員にしています。また、保護猫シェルターでは、定期的に里親募集を行ない猫の譲渡会を開いて、新たな家族探しをしているのも特徴です。写真の子の名前はりんどうです。保護猫とは思えないほどの毛並みの良さときれいな顔立ちでした。顔が驚いているように見えますが、これがなかなかリラックスしているようなんです。この子が私の推し猫でしたが、里親のトライアルに行くそうで、もう会えないのかと思い必死でなでておきました。(笑)


栽培記録

ちょい辛ミックス

1/16(木) 16:32 気温6度

106日目

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久しぶりの登場です。あれ、ほとんど変わってないな、と思いながら毎日様子を見ています。が、時々写真を見返すと成長していることを実感します。これを薹立ちさせようと思っていたのですが、果たしてこの品種では薹立ちが起こるのか。一向に新たな葉が出るわけでもなく茎が伸びるわけでもなく、ただただ少しずつ葉が大きくなり濃い色になるばかりです。

↓ちょい辛ミックス 12/22 81日目↓

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味に変化は出ているのか、ふとこの画像を見て思いました。肥料を吸い上げていれば、前回の実食時よりも濃い味、多分緑緑している、になるのでしょうか。色素によって味の変化は起こらないとオガタさんのコメントにありましたので、どう変化したのか少々魅力的です。アスパラ菜の食レポと併せて載せたいと思います。

ブロッコリー

1/16(木) 16:32 気温6度

104日目

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ほとんど変化はありません。ただ、数日でにょきにょき生えられても、タケノコかっ!!て突っ込みたくなりますね。そうなれば研究する価値ありになりますかね。余談ですが、実家にタケノコが自生?しており子供の頃はタケノコ狩りをしていました。戻します、先週の鳥事件があってから鳥に食べられないように、ブロッコリーにカバーをしておきました。

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半透明のビニール袋をかぶせました。そのままだと、こもってしまうので4個ほど雀が入れないような大きさの穴を開けました。これで風の影響も少しは減るでしょう。ゆっくりでも成長してくれれば幸いです。そこで、今年中に実食すると意気込んでいましたが、研究室で2年をかけて栽培しているとあったので、来年におおきなブロッコリーが収穫できるようにしたいと考えました。

コメント

竹本さんこんにちは

 ほうほう、保護ネコシェルターなるものがあるんですか! なるほど、良い社会事業ですね。赤字にならないか心配です。写真で見ると、のんびり太っていていい環境にも見えます。ベッド状の爪とぎ、良さげなアイテムを与えられています。

 ネコはやはり、そういう会が主催の譲渡会、あるいはペット用品ショップで見る「ネコあげます」で迎え入れるのがいいですね。うちのネコも近所の動物病院で保護ネコ譲渡をしていたので迎えました。よく保護ネコは「もはや人馴れしない」と言われますが、それは嘘ですね。正直、ネコによる個性の違いが大きいのかな、と思います。それよりもネコの「社会期」と呼ばれる生後三ヶ月くらいの時に孤独にさせないのがいいと感じます。

 うちのネコは時折狂ったように階段を上下して運動不足解消をしていますが、基本私の手元でおとなしくしています。触ったり抱っこをしても全く動きません。しかしながら稀に私以外の人間が家に来るとさあ大変、逃げまどってパニックになります。そのため、決して人間に慣れているというわけではなくて、同居人に慣れているだけと分かります。それでも弊害はないので充分なのですが。

20200117134240-5ddafac2c4ef2636c3a299e0821eaef50e7d660b.JPG さて植物の話に行きますが、最初はちょい辛ミックスです。

 少し成長してきてもさもさしていますね。ちょい辛ミックスは葉を収穫するものなのでなぜ抽苔を図っているのかわからないのですが、それは植物のライフサイクルを見届ける、という意味なのでしょうか。それはそれで面白いと思います。

 ただし、花蕾を食べるブロッコリーやアスパラナ、ベラボウナと違い抽苔には予測がつきません。花蕾を食べるものはきちんと「時期を合わせてきっちり抽苔する」ように育種されているわけで、その点不安はありません。しかし葉を収穫するものであればむしろ抽苔は邪魔なファクターなわけです(もちろん採種のために抽苔自体は必ずする)。そのため、抽苔が早いのか遅いのか、つまり低温感受性や日長感受性がどのくらいなのか予測がつかないということです。

 葉の色と味について私のコメントから誤解があると思います。アントシアニン自体に大した味はない(レタスなどで緑と紫に大した味の差はないことから類推。あえて言えば、茶のカテキンから想像できるように芳香族化合物はわずかな苦み)という意味です。当然、アントシアニンが作られる状況では他の要因(糖分やアミノ酸など多種)が変わってくるので、色の違いが味の違いに結び付くように見える、でしょう。この場合寒さという季節的要因が絡んできますので、どう変化するでしょうか。ここまで書いて、葉の色とはひょっとして窒素肥料による葉緑素の話だったのかとも思えたのですが、前回の私の話はアントシアニンについてのことなので、ちょっとよく分からなくなりました。

 ブロッコリーはまだその状況ですね。きちんと鳥害への対策をしているのが素晴らしいことです。袋をかぶせるのはいい作戦です。この季節なら蒸れたりすることはないでしょう。まあ、穴から覗く以外に、中がよく見えませんので水切れなどしないように管理を定期的にしてください。

 ブロッコリーやキャベツはハクサイなどと違って多年草です。同じアブラナ科でも一年草と多年草があるんですね。多年草は種子をつけても枯れることなく、次年もそのまま成長していき、また種子をつけます。当研究室には何年もそうしている株があるようです。

 一見多年草の戦略が生き延びるために良いように思えますが、一年草は一年草で戦略があります。全エネルギーで一気に種子をつけ切り、環境の良くない季節を種子の状態で乗り切るというのも作戦のうちです。

 植物生理学的には多年草は生長点を全て花芽にするわけではなく、葉芽のままであるのも残します。ブロッコリーは収穫するとわき芽もまた花蕾になり収穫できますが、それでも葉芽を残しています。対して一年草はほぼ全ての生長点を花芽にして、植物体の全てのエネルギーと原材料をそこに注ぎ込みます。

 まあ、世話をする時間があるなら、夏を乗り切ってブロッコリーの栽培を続けるのも一興です。ただし夏はうどんこ病やモンシロチョウの食害が多いですし、水切れの心配もありますので勧めるまでは言いません。いやそこができたら大したものなのですが。

ではまた、続きお待ちします。

ラボスタッフ・オガタ