東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

【最終報告】ー これからも野菜を育てたい ー(教:日野原柚葉)

2020年1月25日 (土)

やっっっと書き終わりました!!!!ハツカダイコンとサニーレタス、そして浅漬けミックスを育てています、日野原です。中間発表はまだよかったのですが5000字ともなるとさすがに大変ですね。こんなに長い文章を書いたのは初めてかもしれません。とりあえず締め切りに余裕を持って書き終えられて安心しています。それでは今回もよろしくお願いします。

1.栽培において大変だったこと、うまくいったこと

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栽培において大変だったことは、株を安定させることです。この写真でいうと本葉のギリギリ下まで土を寄せたかったのですが、始めに鉢の結構上の方まで入れてしまったのでこれ以上土を足せませんでした。このように胚軸が伸びてしまったのはハツカダイコンだけではなくて、サニーレタスと浅津けミックスも同様でした。(下の写真は浅漬けミックス)

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サニーレタスは間引きしたり、土寄せしたりで少し改善したものの、浅漬けミックスはずっとこのままでした。しかし、この影響が最も大きく出たのがハツカダイコンでした。この記事のように、安定した株とそうでない株ができてしまい、生長に大きく差が出来てしまいました。

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また、日が当たらないことも大変なことの1つでした。温室について書いたときに直射日光が全く当たらなくなったと書きましたが、実際は少しだけ当たっていました。なのでこの写真のようにもう一度ビニール袋をかぶせてみたのですが、30分くらいでこのひなたも消えてしまいました。その後温度を測ってみたところ、外気温が7℃なのに対し袋内は6℃でした。なぜ......。吉田さんも日当たりが悪いと書いていましたが、こちらの温室は外気温よりも3℃高いそうです。まず、構造が全然違ってビニール袋とは比べものにならないくらい立派なのですが、それは置いておいて温室の大きさが違うことに着目しました。温室が小さいと中の空気が少ないので暖まったとしてもすぐに冷めてしまうのではないでしょうか。(どうして外気よりも冷えてしまうのかは謎ですが。)

2.他の科目への波及効果 

この授業はブログ形式だったので、タイトルや見出し、話の進め方などどう伝えたらわかりやすいかを学ぶことが出来ました。そしてこれはプレゼンテーションでとても役に立ちました。具体的な講義名は、「復興を学際的に考える」です。また、日本語だけでなく英語のプレゼンテーションでも訳立ちました。講義名は「Understanding Japan through Japanese Traditional Culture」と「TEA'S ENGLISH」と「英語A」です。以下の4でも詳しく書いたのですが、記事を書く上で読み手に伝わりやすい表現をとても意識しました。それなので、日本語の発表はもちろんのこと、英語の発表の際にはさらに伝わりやすい言葉を考えながら発表を行いました。

3.毎日の観察で身についたこと、感じたこと

まずは、毎日野菜を見る習慣がついたと思います。小さい頃、花の苗を買ってきて鉢や花壇に植えていたこともあるのですが、何度か枯らしてしまったことがあります。正直今回の授業もちゃんと育てられるか不安だったので、収穫はまだですが2セメが終わるまで育て切れて安心するのと同時に驚いています。

また、観察を通して始めて知ったことがたくさんありました。植物を分類する科がどうやって植物を分けているのかずっと疑問に思っていましたが、実際に種から野菜を育ててみると、科が同じものは種の形状や子葉の形などがとてもよく似ていることがわかりました。

野菜を育てるコツも、展開ゼミを通して少しではありますが分かったような気がします。この記事にあるような最初の段階では、必要以上に徒長の心配をしていて1日に何回も観察したり、日光が当たるように鉢の置き場を変えたりと試行錯誤していました。それはそれで、初期生育には良かったのかもしれませんが、慣れるにつれて良い意味で手が抜けるようになりました。必要最低限やらなければいけないことは、土が乾いていないか確認して水をやるだけで、他は決められた日数に応じて肥料をやったり、土寄せをしたりすればいいと分かってからは栽培が楽になりました。

4.文章を書くという点についてゼミ開始前と後で変化したこと

文章を書くことが得意になったとまではいきませんが、少なくとも長文を書くことへの抵抗感は少し薄れたと思います。中間発表の際に、「2500字を多いと感じたがいざ書いてみるとそうでもなかった」、ということを書きましたが、どうしてこのように感じたのか、なぜ長文への抵抗が減ったのかについて考えてみました。

まず、この展開ゼミを受ける前までは長い文章を書くときに漠然と書き始めていたように思います。しかし、その段落で何を伝えたいのか、段落同士がまとまっているか、記事全体として何が言いたいのかを意識するのが大切だとを何度もアドバイスしていただいたので、自分の書くべきことや書きたいことが明確になったと思います。また、他の授業に比べて、レポートの内容が身近で具体的だったことも文章が書きやすかった原因だと考えます。

もう一点文章を書くに当たって変化したことがあるのですが、それは読み手を意識するということです。以前はあまり意識したことがなかったのですが、この展開ゼミでは、どんな表現をしたら伝わりやすいのか、この言い方は誤解を招かないか、話の流れがわかりやすい段落構成は何か、など様々な点に気をつけながら毎回レポートを書いていました。こうした習慣がついたこと、わかりやすい文章を書くために気をつけるべきポイントがわかったことは、今後のためにもなりとてもよかったと思います。

5.客観的にものをみること、自然科学的なものの見方について習得できたと思うこと、さらに研鑽を積むべきこと

記事を書くときに前回投稿時との写真比較をすることを継続的に行っていました。10月、11月くらいまでは生長が早く、毎日観察していてもその生長を実感することが出来ましたが、12月以降生長がゆっくりになり、変化に気づきにくくなりました。しかし、写真で比較してみると、思っている以上に葉が大きくなっていたり色が濃くなっていたりと小さな変化もわかりやすくなり、この方法は成功だったと思いました。

一方で、第7回までは毎回ハツカダイコンとサニーレタスの葉の長さを測っていたのですが、それ以降面倒くさくなってやめてしまいました。途中でやめてしまったのは、どの葉を測るのかちゃんと決めていなかったこと、葉の長さは厳密にはどこからどこまでなのかわからなくなってしまったことなどから、意味があるのか疑問に思ってしまったからです。この二点を最初から気をつけてやっていれば、他の受講生のように生長をグラフで表したりできたのにと後悔しています。

他の人と比べてさらに研鑽を積むことが大事だと思う点ですが、疑問に思ったことを徹底的に追うことが私には足りないかなと思います。例えば金井さんのように発芽因子を一つ一つ実験して発芽に影響を与える要因を調べたり、吉田さんのように一枚一枚葉の大きさを調べたりと、コツコツ取り組む作業が苦手なのですが、追求するというのはこの先研究していくにあたってとても大切なことだと思います。私も疑問に思ったことはいくつかあるのですが、尾形さんに質問したり、自分でなんとなく答えを考えたりしてそれで満足してしまいます。

以前の投稿で以下の二点の仮説を立てていたので、これから栽培を続けていくなかでせめてこれらの仮説を確かめてみたいと思います。

・ハツカダイコンの子葉が完全に枯れたら、割れてしまった皮の部分も一緒に剥がれ落ちるのではないか

(尾形さんからのコメント:子葉と結びついて見えるのは、子葉と胚軸部が結びついているところは太らないので、割れがそこまで至らないということでしょうか。子葉が元気かということと、割れた皮の保持とは関係ない気がします。)

・ハツカダイコンで土寄せの甘かったものは根が細いのではないか

6.スタッフからのコメントにどの程度したがったか、意味があったか

positive, negativeを問わないとのことでしたが、どのコメントもとても参考になったためネガティブな意見はありません。

まず、記事を書くに当たっては増子さんのアドバイスに従って、写真をコラージュしたり、見出しを見やすくしたり、スマホでも見やすいような段落構成を考えたりしました。見やすい写真作成のコツで書かれていた、写真の背景やアングルについては始めから気をつけていました。スケールについてもピンクの定規をずっと使っていたのですが、ハツカダイコンの根を計るときに使いにくかったので、記事の中にある紙の定規を自分でも作ってみました。

初回の授業でほとんど育て方について教わらなかったので、不安な部分もあったのですが随時アドバイスをもらえたので、なるほどだから育て方についてのレクチャーがなかったのかと納得しました。間引きや追肥のタイミングといった野菜を育てる上での指針だけでなく、日当たりの問題や茎が割れてしまったことなど不安や疑問についても応えていただき、心強かったです。直接栽培に関係すること以外にも、例えばキク科について私が少し調べたことを書いたり、サニーレタスの色の変化について疑問に思ったことを書いたときには、それらについて非常に詳しい知識を教えていただき、コメントを読むのがとてもおもしろかったです。1つ失敗したのは、いただいたアドバイスをきちんとまとめておかなかったことです。アドバイスとそれに対応した様子をセットにして記事に残しておけばわかりやすかったと思います。今後植物を育てるにしても、リアルタイムで的確なアドバイスをもらいながら育てることなんて絶対ないと思うと、とても貴重な体験ができてうれしいです。

それから、双方向性とは少しずれてしまいますが、普通の授業では他の人のレポートを読むことはまずありませんが、この授業では他の受講生や過去の受業生のレポートも読めるのでとてもおもしろかったです。難しい言葉を知っているなあとか、こんな考え方もあるんだとか、この話の展開はわかりやすいな、などたくさん勉強になりましたし、逆にここは読みづらいなという部分もありましたが、それはそれでリーダーフレンドリーな記事を書くことが大切だということを理解できましたし、自分が書くときにはどうしたらわかりやすくなるかなど参考にさせていただきました。

7.中間発表の目標が達成できたか、できなかった場合の理由

①他の受講生や、過去の受講生の記事を読むこと

②最後まで記事の更新を続けること(週一回更新)

以上の2点が中間発表で設定した目標でした。

まず1つ目について。この目標は達成できました。ハツカダイコンについては、2015年度の山田佳歩さん、2017年度の阿部美里さん、2018年度の鈴木亮祐さん、そして今年度の吉田朱里さんの記事を参考にさせていただきました。山田さんの記事を見つけたのがつい最近なのですが、収穫したハツカダイコンを見ると私の育てているものと同様に、茎が割れたあとの残骸のようなものがありました。しかし、ハツカダイコンはとても立派に成長していて、もっと早くこの記事を見つけていれば心配しなくてすんだのにと思いました。

2点目について、なんとか最終発表までは来ましたが、15回記事を書くために必須だった週一回の更新はできませんでした。更新履歴を振り返ってみると、ほとんど隔週の更新になってしまっていました。定期的に更新できなかった理由は、記事を書くことを習慣に出来なかったからだと思います。例えばこの記事は、生長が遅くなって変化がないので根だけに絞って書いてみたのですが、いざ書き始めればすぐにできるのに、必要以上に重く感じてしまい、先延ばしにしてしまっていました。たくさん時間がとれたときにやろうとするのではなく、時間を見つけて書くことを習慣づけるべきでした。成績評価の対象にはなりませんが、15回書くと言ったのを守れないのはいやなので、授業が終わっても記事の更新は続けたいと思います。

8.今後の生活にどう生かすか、収穫していない作物をどうするか

とりあえず、今年度の授業を通して最も重かったのがこの展開ゼミといっても過言ではないと思います。何が大変だったかというとやっぱりレポートです。この授業以外にも大変で印象に残っているものはやはり毎週レポートが課されました。また、日々の記事に加え、中間発表と最終発表もこたえました。悪い言い方ですが座って聞いていればいいだけの授業がある一方で、自分からやらなければ何も始まらず、かつ前半と後半で自分の取り組みを振り返って評価しなければならないこの展開ゼミは、やらなければならないことが多いだけでなく自分の悪いところと向き合わなければいけないと言う点でも大変でした。しかし大変だった分力はついたと思うので、今後2000字のレポートと聞いてもあまり動じなくなったのではないかと思います。

また、野菜を毎日観察することは苦もなく出来ましたが、週一で記事を更新することは出来ませんでした。それ自体は反省していますし、毎回のレポートももっと長く書けたのではないかと思うのですが、これが出来なかった原因として習慣化出来るかどうかがポイントになることに気づけたのは大きな収穫でした。なんでも週間にしてしまえば無理せず続けていくことができます。5でも少し書きましたがコツコツ継続するのが苦手なので、これから何かをするときには、勉強にしろ家事にしろ「習慣」をキーワードとしてやってみたいと思います。

また、野菜栽培自体も今後続けてみたいと思っています。種から育て始めたからか分かりませんが、今回の授業では小中学校で野菜を育てたときよりもずっと野菜に愛着がわいて、自分でもびっくりしました。また、野菜を盆栽として育てるというのが展開ゼミのコンセプトでしたが、浅漬けミックスやサニーレタスは確かに見た目もよくて観賞用にもなるし、さらに食べられるなんて最高だと思いました。ちょい辛ミックスを育てている方はカラフルでかわいいなと思っていたのですが、似たように野菜をインテリアのようにして育てている方に栗原はるみさんがいます。もしかしたらインスタグラムのアカウントがないと見られないかもしれませんが、色々な葉物野菜を寄せ植えのようにしていてとてもきれいです。こんな感じのサラダボウルみたいな鉢植えを作ってみたいです。

まだ収穫していない野菜をどうするかですが、今は時間がないので春休みになったら全部収穫して食べようと思います。それが終わったら植木鉢を全部リセットして、残った種をもう一度蒔こうと考えています。暖かくなって、秋冬栽培とはどのくらい生長の早さが違うのか観察するのが楽しみです。(5856字)


以上が最終報告です。大変な部分もたくさんありましたが、教員の方とこれだけやりとりをする授業は初めてで、毎回コメントも楽しみにしていました。半年間は長いようであっという間でしたが本当にありがとうございました。

コメント

教育学部・日野原さん

 遺伝の渡辺でございます。最終報告、1番乗り、よいことかと思います。物事に対して、先手、先手という取り組みの姿勢はこれからも大事にして下さい。5,000字と言われると、とてつもない数字と思うのは、そうかも知れないですが、今回の取組で一定の免疫というか、慣れができたのではないでしょうか。それから、植物の栽培に太陽光が欠かせないのは事実です。あと、生育がよくなるために、温度は大事ですね。条件があまりよくなくても、工夫をすると言うことを覚えるきっかけになればよいのですが。どうでしょうか。種子から育てることで、初期生育の大変さも実感して、幼植物ですが、収穫できたことが1つの自身になったのではないかと思います。これからもためらわず、チャレンジすることです。もちろん、苦労はありますが、やってみると、意外とできることも分かると思いますので。

 プレゼン力というのはこれから求められることだと思います。大学、その先の社会人として。その意味でこれからも研鑽を積んで下さい。文系であっても、理系的なセンスを持つのは大事なこと。何かを測定すると言うとき。何を計るのか、どこを計るのか。それを決めておくことの大事さに気がついたのはよいことです。例えば、葉っぱの写真を撮って、その写真を印刷して、ここからここまでをその長さとすると言う「定義」の部分ですね。計るだけでなく、どんなことでも物事の定義が決まっていればよいですが、曖昧なとき、あるいは、自分で自由に設定できるとき、それをあらかじめ決める事、是非、これ以降の他の講義に活かして下さい。あと、仮説を立てると言うこと。そうですね。課題解決力などとも言われますが、自分である課題を決めて、それを行うためには、どこからでもよいから始めるのではなくて、ある意味で、こんなことが起きているだろうという逆算と言えばよいでしょうか。先読みをして、こんなことが起きていることを推測する。その推測が正しいかを証明すると言うことになります。文系でもそんな考え方は大事ですから。これをきっかけに、是非、身につけて下さい。

20200127174216-fbc759b77718701fe4153a75417035f3eafd5182.JPG この講義の双方向性を最大限、利用してくれたというのは何よりです。また、同じ受講生のレポートを見ながら、励みにしたりすること。なかなか、ない機会です。文系なので、4年生になってどこかの研究室のゼミに参加すると言うことになるかと。さらには、就職をすると、何かの部署に配属になったり。決して、1人と言うことはないと思います。周りでやっていることを見ながらと言うことを、今回の他の受講生のレポートを見ると言うことに活かして下さい。最終報告は一等賞でした。とてもよいことです。でも、total 15回書けなかったこと、是非、これからも書いてみて下さい。最終報告の〆切である、明日の17:00までであれば、評価の対象です。チャレンジして下さい。もちろん、そのあとの生長、さらには、播種をして、栽培をやってみるというのは、welcomeです。コメントはこちらから続けますので。

 今年度一番大変だったですか。最初のオリエンテーションでこの講義は講義室に集まることはこれで最後だと。でも、その果てしない自由度は自分から始めるという行動力を起こすことの大変さを実感できた瞬間だと思います。卒論のゼミ、社会に出ると、自由度は大きくなります。やればやったほど、何かの形で自分にもどってきます。自分から行動を起こすことの大変さを知ったからこそ、それをこれからの生活、講義などに活かして下さい。春以降に栽培するとき、土が必要などあれば、いつでもお立ち寄り下さい。今回のたくさんの学びがこれからの学生生活、その先で活かされるであろうと期待して。。。


 わたなべしする