東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

中間発表 ひまじのカブ栽培日誌 番外編~挑戦と結果~(工:田中大翔)

2023年11月22日 (水)

 こんにちは。ひまじです。今回は中間発表ということでこれまで栽培してきて気づいたことや参考にしたことなどをまとめたいと思います。泣く泣く公開できなかった写真も公開します。上の写真は最近家の前にできたアサイースムージーの店のです。おいしかったけどこれは飲み物ではなく軽食......。

目次

【1】 驚いたこととその内容

【2】 参考にした過去記事とその内容

【3】 コメントや他受講生の記事で参考になったもの

【4】 双方向という講義形式の感想

【5】 今後の目標など

【1】 驚いたこととその内容

 これまで栽培してきて、驚いたことなどいくらでもあるのですが、やはり、一番なのはあんなに小さい種からこんなに大きくなることです。当たり前のことなのですが、やはりそこが一番大きいですね。上からブログに掲載しなかった5日、17日、22日、35日の外鉢の写真ですが、こうして見比べてみると数日でかなり大きくなっているのが分かります。5日目.jpg17日目.jpg22日目外鉢.jpg35日目外鉢.jpg

 他には、根の繊細さですね。栽培していて個人的には地上に出ている葉の部分は生命力が強く感じ、逆に根の部分は少しでも相当の影響を与える繊細さを持ち合わせていると思いました。実際に一回目の間引きのタイミングで根が折れてしまった株は今後は本葉一枚出すのが限界で、これ以上成長する兆しが見えませんでした。他にも、株の移動で根を少し傷つけてしまった株は数日間はずっと萎えて元気がない様子でした。逆に言うと、葉を観察しているとすぐに株の移動が成功したかどうか、植物が元気かがすぐ分かるので対応はしやすいとも思いました。

 また、本葉の形の違いも驚いたことの一つです。大体同じ時期に生える本葉はほぼ同じ形をするのですが、違うタイミングで生えた本葉は少しずつ形が違うのです。これがなぜ起こるのかはわかりませんし、栽培条件をいろいろ変えられるほどたくさんの鉢で栽培していないのですが、少し気になっていることの一つです。

【2】参考にした過去記事とその内容

 この栽培を行っていくにあたり、やはり過去の先輩たちの栽培を参考にするのが一番だと思います。過去の先輩方がどのような工夫をし、結果どうなって、コメントでどのようなアドバイスをうけていたかを読めば、大体のことはわかります。私は主に去年の記事でカブを育てていた先輩の記事を参考に進めてきました。

 まずは以前の記事でもリンクで出したチョレギサラダっぽくなってきました(医:宗形美咲)です。宗形さんのカブは一月で自分の物よりも大きく成長しているので、成長度合いの確認や本葉の形が違うことは普通なのか確認するときに参考にさせてもらいました。

 次に、発芽と鉢植えへの移動(医:大和田共笑)です。この人の記事は、最初期にシャーレから鉢に移すタイミングの遅すぎる参考としていました。この先輩の記事をみて、子葉が開き、緑色になる前に移さなきゃならないという目安が自分の中で決まってきたと思います。

 また、悩める2株(文:恵利一花)は自分も多少共感しているなぜか株同士の距離が近づいている現象が実際に起こることだというのを知れました。自分の株は写真ではわからない程度の差であり、自分でもなんか近づいている気がするな......程度にしか感じず、測りようもないので、気のせいだとしましたが、実際に起こることだと知れたのはよかったです。

【3】コメントや他受講生の記事で参考になったもの

 実際には、去年と今年で条件も違い、しかも、今年はカブを育てている人が他にもいるため、自分の状況に合わせてくれるコメントと同時に育てている他受講生の記事を参考にすることが一番多いです。

 まず、自分の記事のコメントで参考になったものは第三回の記事のコメントです。この時、私は室内栽培を始めたはいいがうまくいくイメージを持てずにいました。そのため、少しでも日光を当てようと鉢の移動という迷走をしてしまっていました。そこでの鉢植えを動かすなというコメントはありがたかったです。実際、最近の強風のせいで外鉢はかなり葉が折れてしまっています。しかし、その影響を受けない内鉢はそろそろ外鉢に追いつきそうなぐらい成長しています。

 次に、他の受講生で参考になった記事はまず柳澤さんの記事です。特にこの回!というものはないのですが、毎週記事をアップロードしてくれているため、成長の変化や徒長についてリアルタイムで知れるのはありがたいです。強いて特に参考になった記事と言えばほうれん草を作ろう その5(間引き)(工:柳澤暢孝)でしょうか。徒長について詳しく書かれていて、自分の特に内鉢の徒長具合を知るための参考になりました。

 また、ブロッコリースプラウト、クライマックスへ(農:柚原結女)の記事も今現在スプラウトの準備中の為、大変参考になっています。スプラウト栽培は私にとって完全に未知の領域のため、なかなかどうすればよいか分かりませんでした。しかし、柚原さんが最後まで栽培して、考察をしてくれているため、自分の育てるイメージを持つことができました。

【4】双方向という講義形式の感想

 今回双方向というブログを通した教師とのやり取りは私にとって初めてであり、その授業形式に興味が引かれたというのもこの講義を受講した理由の一つです。最初は対面なし、毎週ブログを上げるだけと聞いて簡単そうだと思いました。しかし、ある時ふと思いました。よく考えたら毎週1000文字書くのは大変だぞと。ですが、実際に書いてみると私としてはそこまで大変ではなく、むしろ楽しいと感じるまでになっていました。授業の一環の為、栽培にも手を抜けず、結果あれしてみようこれしてみようと様々な工夫が生まれるのだと思います。

 この講義は人数が少ないため、コメントを通して一人一人に的確なアドバイスを行うことができます。これこそがこの講義の最大の魅力だと私は思います。実際に全学で普段川内キャンパスにいるのに、片平キャンパスに毎日のように通うことは困難なため、栽培は自宅で行うしかありません。しかし、それでは教授方は全員の栽培の様子を把握できない。これらの欠点をうまいバランスで克服しているのがブログ記事とコメントを通した「双方向」の講義形式なのだと思います。

 しかし、もちろんこの講義形式にも欠点はあります。先生方もおっしゃっていましたが、この形式だと、どこまでも受講生の裁量に依るということです。どの写真をアップするか、どの情報をブログに乗せるか、はたまたどのくらいの頻度で記事を投稿するか......。つまり、受講生がある程度の情報量がそろった記事を投稿しなければ全くこの講義は成立しないのです。これは通常の講義形式でいう講義に出席しないのと同等の為、どの形式にも付きまとう欠点ですが、休むハードルが対面やオンラインに比べてはるかに低いことが一番の欠点だと思います。

 つまりこの講義はどこまでも、意欲のある人向けの講義なのだと思います。それも野菜栽培だけではなく、文章としてまとめて、記事として挙げることにも意欲がある人でなくてはなりません。より的確なアドバイスが欲しいからより詳細な情報を載せる。よりリアルタイムなアドバイスが欲しいから頻繁に投稿する。このようにできることが重要だと思います。ちなみに私はコメントが返ってくるだけで嬉しいので、それをモチベーションにしています。

【5】今後の目標など

 今後、とりあえずは早急にスプラウトを始められるようにしたいと思います。カブは外鉢を一本間引きしたら落ち着くため、スプラウトについて詳しく投稿するつもりです。細かくは通常記事で書きますが、追肥をしたためか、内外両方とも元気になっています。また、今後も今までと同様に毎週投稿のペースを保ちつつ、より良い記事を書けるよう精進していきます。(いつも通りならば翌日通常記事投稿日ですが、公開時何も書いていません......。間に合うかな。)

コメント

工学部 田中さん

〆切よりも余裕を持っての「中間発表」、よいことです。学年が進み、また、大学院に進学すると、やるべきことが増えてきます。それをしっかりと対応しながら、研究等を順調に進めるためには、「〆切に追われるのではなく、〆切を追いかける」ということができれば、自分が思っているもの以上のことができると思います。これからもこの週間を大事にして下さい。また、中間発表もしっかりしたものでしたが、毎週の投稿もfomrmatを決まっていて、最初にちょっとした「みんなの興味を引くようなイントロ」を書いたあとの記事が定着できていると思います。

DSCN4058.JPG中間発表の各項目について、気になっている点などを記しておきます。時系列で撮影した写真の残りを並べて投稿したのはよいことです。観察したその時、その植物に注目していますが、後から考えると、その大きさ、形などで気がついてない点があります。その代表例が生育のステージによって「葉の形態」の違いに気がついている点です。普段の記事にもそんな記述があったと思いますが、よりわかりやすいプレゼンですね。もう一工夫するとすれば、その様子を写真だけでなく、自分で描写してみるということです。工学部でそうした習慣があるのかわかりませんが、違いを理解するためには、ラフでよいので描いてみることで、どこがどのように変化しているのかを理解できるのだと思いますので。「葉の形態」が変化するのは、動物が成長に伴い、形態変化をするようなものと考えればよいのではないでしょうか。それぞれの生育ステージ、その時の環境に適応した形態を取っているのではないでしょうか。

また、植物の地上部と地下部の特徴の違いも理解できていますね。「葉」は害虫の食害を受けたり、変化が大きいです。一方、「根」も影響は大きいのですが、見ることができない、という問題があります。例えば、土ではなく、寒天のような透明なもので栽培できると、間引きをしたときに、「根圏」への影響を見ることができるのではないでしょうか。そうした点は、農工連携のような取り組みが将来的にできると、おもしろいことができるのではないでしょうか。それから、先達の記事を自分の植物が起きるだろう事象の予測に使うというのはniceですね。工学でも先達の実験例を参考にして、気をつけるべき点をあらかじめ、理解しておくことは大事だと思います。

双方向性の講義のよい点、よくない点をしっかりとまとめられていると思います。言われるとおり、受講生の意欲というか、モチベーションに依存しているのは事実です。ただ、大学の講義は必須の科目を除けば、自由に選択可能です。開講する側は選ばれる側です。おもしろそうと思って、受講してくれていると思っています。なので、こうした形式のよさを後半戦も満喫できるように、取り組んで下さい。

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わたなべしるす