東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

中間発表(農:柚原結女)

2023年11月24日 (金)

こんにちは、柚原結女です。
締め切りギリギリの投稿になってしまい、すみません。
今回は中間発表になります。
大きく5つの点について発表したいと思います。

それでは本文に入る前に‥
写真は、青葉山にある、青葉の森の写真です。
実は去年の11月初めの写真であります。(今年はまだ行ってない‥)
森には、不思議と心を癒す力があると感じます‥

目次

1. 栽培を通して驚いたこと
2. 参考にした過去記事
3. 参考になったコメントや他受講生の記事
4. 双方向という講義に対する気づきと反省
5. 今後の栽培に向けた目標、展望


1. 栽培を通して最も驚いたこと

はじめに、カブとブロッコリースプラウトの栽培を通して最も驚いたことについてお伝えします。
それは、個体間の成長の差です。
下の写真は、初回の記事で取り上げたブロッコリースプラウトの種子の発芽段階の差です。

IMG_5407.jpg水、光、養分、温度などの植物の生育に重要と言われている条件は同じであるはずなのに、こんなにも差が出るのだと、驚きました。
ここで、実験における誤差や個体間の差について考えさせられました。
どんな実験をしていても、誤差や個体間の差は生じます。
そして、特に相手が生物である場合は、その差が大きくなる可能性があると思います。
私は教職を取っており、そのため今期は基礎物理学物実験というものを受講しました。
例えば、物理学実験では、データ間の誤差を計算する最小二乗法などの計算式がありました。
生物を扱う実験では、どうなのでしょうか?
例えば、今回のような栽培において、生育の特徴を外的要因として考察するか、それとも各々の個体の性質による誤差として捉えるのか、その判断は難しそうだと感じました。
同時に、植物は自分を取り巻く環境を細かく、敏感に感じ取っているのだということも感じました。
例えば、カブ、やっと間引きの回(農:柚原結女)では、個体の葉の萎れが観察されてことについて述べました。
しかし、鉢植えの中心部分から外側にかけて状況は異なっていました。
おそらく光の量の差によるものであると考察しましたが、突き詰めていくと、鉢植えの中心部分と外側部分とでは、水分量や栄養分などに違いがある様にも思えてきます。
植物の環境に対する状態の変化は面白いと感じました。


2. 参考にした過去記事

栽培において、過去記事を参考にして気をつけていたことは、「数値としてのデータを取ること」です。
例えば、1. はじめまして(農:鹿股とほこ)では、常に大きさという物差しを持っていることが写真からわかります。
また、コカブの生長(31日目~80日目)、実食!!!(経:林瑞紀)では、観察時点での気温や時刻が丁寧に書かれています。
これは尾形さんもおっしゃっていたことですが、つい感覚的に「大きくなった」「寒い」を使うことが多いですが、数字という物差しで状態を捉えるということは重要な視点であり、そのことを過去記事を読むことで実感し、意識してきました。
実際、現時点では測定を忘れてしまったり、データが不十分である部分も複数ありますが、今後も意識的に栽培を続けたいと思います。


3. 参考になったコメントや他受講生の記事

参考になったコメントや他受講生の記事について、これは全体的なことでありますが、まずは同じ時期に小カブの栽培を行なっている田中大翔さんによる「ひまじのカブ栽培日誌」の記事はいつも参考になっています。
過去記事に加えて、本や種屋さんのホームページなどから情報を得ることが多々ありますが、それらと比較すると、明らかに今回の栽培では、小カブの生育スピードが遅いと思われます。
その原因としては、温度や天気などの気候条件が大きく影響していると思われますが、確証はねく、不安になりがちです。
私の場合は、所々で失敗があるので、それも原因であると思われますが、「ひまじのカブ栽培日誌」の記事を読むと、比較的順調に成長しているように感じられます。
そのため、田中大翔さんの栽培する小カブの状態と比較することがよくあります。
過去記事や外部の情報からは分からない、今の小カブを囲む環境を、少なからず知ることができています。


4. 双方向という講義に対する気づきと反省

ブログ投稿を通して双方向のやりとりをするという講義形式は、私にとって初めてであり、その奇妙な講義形態にとても興味を持ちました。
ですが同時に、私が苦手とするものだとも感じました。
私は、様々なことに手を伸ばしてしがちですが、その割に計画性がなく、いつも何かに追われているという状態になりがちです。(この状態への指摘はすでに尾形さんもされていますが‥)
特に今期は、手が回らず、物事に対して本気で取り組めていないと思います。

この講義はまさにその様な私を鍛えることができると感じたのも、受講の理由の一つです。
栽培植物に対して、いつ、何をどのようにアプローチするか、そして記事にまとめるか。それらが受講生に委ねられているということは、大変ではありますが、非常に貴重で重要なことであると思います。
また、双方向であるからこそ、自分の興味や気づきを、アドバイスをもらいながら、そこから派生させて取り組むことができるのも、良い点であると思います。

野菜栽培を通して、野菜と向き合うだけでなく、自分自身を捉えて、ちょうど良い形式、方法を探ることができると感じています。
(残念ながら、私はまだ掴めていませんが‥)


5. 今後の栽培に向けた目標、展望

今後の栽培に向けた目標、展望として、2つお伝えします。

1つ目は、定期的に観察、記事の作成を行うこと。
これは、あたり前のことであるかもしれませんが、現時点の私にはなかなか難しいというのが現状です‥。

ほうれん草を作ろう その7.5(中間発表: 植物は動く)(工:柳澤暢孝)で柳澤さんが述べていましたが、記事作成や観察する曜日、時間帯を具体的に決めることは対策として考えられます。ぜひ、取り入れてみようと思いました。

2つ目は、カブについてです。
カブの観察頻度をもっと増やすのと同時に、特に今後の徒長の状態に気を付けつつ、追肥やまだ足りていないと思われるカブの間引きを中心に取り組もうと思います。
そして、カブを用いた土壌の比較実験をようやくスタートしようと考えています。
そのためには、まず種子を発芽させるところから始まるのですが、果たして今の時期に可能なのか‥工夫して挑みたいと思います。

IMG_5728.JPG

ありがとうございました!中間発表はここまでです。
それでは、後半もよろしくお願いします!

コメント

農学部 柚原さん

〆切ギリギリの投稿でしたね。人数が少ないのもありますが、受講生が揃って〆切の内側で投稿が完了したのは、ずいぶん久しぶりのような気がします。〆切を守る大変さを実感するとともに、その大事さも実感できたのではないでしょうか。今回大変な思いをしたことを最終発表、他の講義にも是非活かして下さい。

DSCN0467.JPG農学部の学生さんらしく、種子の発芽時の差異をしっかりと捉えていたのは観察力の賜物かと思います。受講生のみなさんに使ってもらっている種子は、いわゆる「F1種子」なので、揃いはよいはずですが、栽培しているカブは自家不和合性を持っていて、他殖性なので、F1種子とはいえ、いくらかのばらつきが残っています。農家、趣味の園芸で栽培して、許容される誤差の範囲かと思います。ばらつき具合を統計的に有意な差であるのか、そうでないのかを検定することは、よく使われます。例えば、発芽までの時間にA処理とB処理で差があるかを検定するのであれば、t検定でしょうか。川内の講義体系がどうなっているのか理解してないですが、統計学を学習することは、農学部で植物を扱うことを考えると、大事なポイントでしょうか。

ラボスタッフの尾形君からのコメント、毎年、数値化の重要性を説いています。なかなか、もちろん、それを実行することは難しいですが、まずはこれと決めた事象を物差しで測ってみることをやってみてください。漠とした、言葉ではなくて数値として評価できるようになりますので。少なくとも、最後の写真を見る限り、子葉は緑の状態で、施肥を含めて、植物の管理はしっかりできていると思います。

たくさんの事象に取り組むのはよいことですが、これは絶対にやらないといけないというように、やることに順番づけをしてみてはどうでしょうか。全てを同じようにやることはもちろんよいことですが、難しいとしたら、そんな工夫は必要かもしれないです。自分自身がどうやることがやりやすいのかを含めて、考えることができると思いますので。また、どうやって、決まった時間にこれはやることとして、習慣づけるのか、そのための手法も気がついているようですね。そうしたことが記事に反映されるのを楽しみにしています。

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わたなべしるす