東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

【出前講義】栃木県立宇都宮女子高等学校・SSH特別講義「大学教授からの進路選択アドバイス」(10/22)

2015年10月22日 (木)

 仙台は朝方、ずいぶんと曇っていましたが、10:00過ぎから日が差してきたでしょうか。宇都宮までの出張の車窓からは、稲刈りあとの田んぼで、ひこ生えというより、早くに刈り終わったイネがずいぶん緑の部分が生長して。。。それでも例年よりは寒いのか、2回目の穂が出ていると言うほどではないようでしたが。。。もちろん、300km/h近い車窓なので、正確には見えないのですが。。。今年も時間の関係でぎりぎりに宇都宮に到着。

20151022163755-7cc994f73509a1a34263c7d1b6d4ca2142ee227c.JPG 今年で8年連続の「栃木県立宇都宮女子高等学校」への出前講義。毎年講義に伺っていますが、activeに反応してくれる楽しい講義ができる高校の1つです。渡辺が出前講義に伺っている間に、いろいろなイベントでお世話になっている卒業生がいたり、たまにmailをもらったり。渡辺の講義を受講してくれていたり。いずれ、こちらもお世話になっている学校です。一昨年くらいから始まったでしょうか。保護者にも開放した講義形式。最初の頃は、保護者の方がいることをずいぶん気にしていましたが、最近は、そんなことも気にせず、話をするようになって、よいことなのか、どうなのか。気になるところですが。自分自身として。ただ、はじめて「女子校」で講義をしたのも、この学校ではじめはずいぶん緊張しましたが、今では、。。もちろん、回数を重ねたもあると思いますが。

20151022164204-a0e08d05910e7efd96573adff92e8d5c8bcf66d2.JPG 講義内容は、例年通り1年生の文理選択、進路選択を意識して、前半は、渡辺がやっているサイエンスの「自家不和合性」というか、植物の生殖の不思議。後半は渡辺がどうやってここまで至っているかという「キャリア教育」。時間のバランスを前後半でうまくとろうとするのですが、やっぱり今年もうまくいかず。普段食べている、農作物の花とその生と言うことについては、半分より少し知っていたのは、まずまずかと。ぜひ、普段から身の回りを観察することをしてみて下さい。大事なことです。正解というか、この後のいろいろな答え、performanceをしてくれた生徒さんには、渡辺の別刷を。グローバルというのが、SSHでも言われるようになっている時代。科学に興味を持つことがあれば、読んでみてください。それが人生のきっかけになるのかも知れないですから。この花の問題のあとは、ヒマワリの上のハチ。これがどこから来て、どこへ行くのか。意外と答えてくれる生徒さんが少なかったですが、「旬」を意識できてないというのは、大きな問題でした。ヒマワリが咲く時期に、何が咲いているのか。時空を超えて、春の花の上に行くためには「ハチ」の改造手術が必要になるわけで。。。。もちろんSSHの科学力を使うのはありですが、。。。この後は、自殖を続けてはいけないというか、他殖の意義。自家不和合性、受精という一連の植物の生殖過程での花粉と雌しべのコミュニケーションについて。できるだけわかりやすく、動画なども交えて、もちろん、研究結果が論文として、科学雑誌・Natureに掲載されるという意義も。いつか講義をした方と、一緒に研究をして、Natureに論文掲載ができればと。

20151022164231-4dd75e30bd51d960e92569ded383f80e6229f6c4.JPG このサイエンスの話に40min以上使ってしまったので、肝心のキャリア教育の後半の方は、ずいぶん飛ばしました。ただ、子供の頃からできることはある程度限られているので、また、興味も。その中でなにをするか、将来、どんな職に就くのか、それは大事なことで。また、その前に通過する、高校で何を学び、大学、大学院で、何を学んでほしいか。よい学問、よい師匠と出会い、大きく成長することを楽しみにしています。そのためにも、たくさんの失敗をすることは、大事と言うことを話すのを忘れましたが、「いい・加減」、つまり、どこで手打ちをするというか、1-0のデジタルという世界でないので、途中のどのあたりで、やめるのか、あるいはそこまでやるのかというのは、大事なポイント。その感性は大事にして下さい。あと、今ではほとんどの高校で使われなくなったという「数研の数学の問題集」。問題と答えの数字しかない。それを10年くらい前までは、どの高校でも普通に使っていました。それでどれだけ、考える力を養成されたか。課題研究でも考えることをしますが、それと同じように、普段から考えることは大事だからと。何とか、あの問題集を復活させたいものです。限られた高校だけでの利用でなくて。高校から大学に行くとき、大学入試という壁がありますが、そこでもいろいろなことがあると。ただ、いえることは選んだ道が最善の道であって、というか、そうなるようにがんばってほしいのだと。振り返れば、そう見えますからと。なによりも、今の行く道を後押ししてくれた小学校の恩師がいたからこそ、今もがんばれるのだと。。。

20151022164314-28a45d7b6c47516d1fcb83b70f1a89067678db24.JPG そうした後押しもあって、仙台という今治から見たら、すごく遠いところに来ましたが、それが日本の中の多様性であったり、いろいろなことを知ることに。なので、是非、今とは違う環境でがんばってみてほしいと。あと、最後の所にも少し書きましたが、物事のいろいろな「歴史」をつなげて考えること。それはとても大事だと。理系、文系のいずれであろうと。やろうと思うことの後ろにある歴史を学ぶと、全然違う世界が見えてくる。その違う世界を大事にしてほしいと。そうすることで、これから歩む上での失敗を少なくできるでしょうからと。。。もちろん、講義の〆は、最近は「組織論」。悪企み・野望という言葉はよいことではないかも知れないですが、夢というよりは、やぼうとか、企みに近いと思うのですが。そんなことを常に考えていることが、進歩の原動力かと思いますので。是非、組織論で学んだことを忘れないようにして下さい。

20151022164340-5e35b8de92e35ca50d5ca5e34664d3f28230f13a.JPG 質問では、やりたくないときに、どうやってモチベーションを保つのか。というか、どうがんばるのか、そのヒントではないですが、座右の銘にも使う「明日のために今日の屈辱に耐えるんだ」という、宇宙戦艦ヤマト・初代艦長・沖田十三の言葉。大変なことはあるけど、明日のために、がんばると言うことではないかと思います。あと、保護者の方からも、。。ほぼ、同年代の方で、大学院への進学について。渡辺の時代と今の動向の違い。大学院で何を学ぶのか。もちろん、サイエンスであろうが、それをとりまく、いろいろなものを学んでほしいと。文章力をはじめとして。最後はいつものように、世界に向かって情報発信。

20151022163957-fb0b885544247ab88314bccc760a55ba6c950e91.JPG 講義が始まる前の少しの時間と講義が終わってから、萩原校長先生と昨今の教育問題、高大連携など、SSHのことだけでなく、一般論として、教育問題について、議論をできたのは、大変貴重でした。高校側、大学側のいずれから見ても、同様の問題意識を再認識でき、では、それを解決するには、どうすればよいのか。もちろん、難しい問題ですが。ただ、これからのアウトリーチ活動を行う上で、こちら側もしっかり考えて、講義をしたりしないといけない、あるいは、小中高大と全てを串刺しにして、考えないといけないなど、何をどうすればよいのか、少し見えたような気がしました(自主性と主体性の違いというか。何というか、目から鱗でした。。)。ありがとうございました。最後になりますが、萩原校長先生、SSH担当の吉永先生、1年生の先生方にこの場を借りて、お礼申し上げます。ありがとうございました。また、次年度も講義に来ることができれば、幸いです。ありがとうございました。


 わたなべしるす

 PS. 去年までは、校長室で一緒に話をする生徒さんがいらしたのですが、確か、去年が3年生でしたので、卒業して、今は大学生なのでしょう。きっと。どこかの空の下でしっかりがんばっていることを祈りつつ。今年はそんな生徒さんがいなく、校長先生とdeepな議論でしたが、ありがたいことでした。

20151022163838-d4b69413f0694ceb3e98d064fb998354d1d44411.JPG PS.のPS. また、歴史という意味では、玄関の所にある、卒業生であるなでしこジャパンの安藤選手のサイン。毎日、こんなすごい先輩のものを見て、過ごせるのは、何よりの刺激でないでしょうか。あの高みまで目指せるという。また、帰り道で見つけた「大正四年」という石碑も。大事な歴史。その時、何があって、これがあるのか、考えてみるのも、違った世界を見つけ出すヒントになるかと。。。


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