【アウトリーチ活動】屋久島町立安房小学校、屋久島町立宮浦小学校・特別講義、市内小学生・研究室見学(10/15, 16, 22追記)
2019年10月19日 (土)
この記事を書いているのが、台風19号が通過した週の土曜日。小学生の頃に、すごい台風が来て、雨漏りがしたり、庭の木々が折れたのを思い出すのですが、その時の台風よりも今回の台風19号の方がすごかったような。今回の台風19号での被害から1日も早い回復を祈るばかりです。北陸新幹線は25日には全線再開とか。。水没した映像を見たとき、どうなるのかと思っていましたが。。。
そんな台風一過の月曜から鹿児島・屋久島への出前講義。今回は、屋久島環境文化財団・屋久島環境文化研修センターとのコラボで、島内の2つの小学校へ。いつもであれば、5, 6根年生対象が多いのですが、今回は3, 4年生に。屋久島という暖地で「リンゴ」の話というのどうかと思いましたが、。。。リンゴなどは、センターで準備頂きました。また、講義をhelpしてくれたのが、屋久島環境文化財団のキャラクターの「まるりん」。島の子どもたちにはとても人気でした。おかげで講義もactiveなものになりました。ありがとうございました。
10/15(火):屋久島町立安房小学校・特別講義「花の不思議な世界」
最初に伺ったのは、屋久島空港の南側にある安房小学校。安房港から山手の方に行ったところにある小学校。玄関先には、大きな「屋久杉」が。脇にある椅子の大きさと比較頂ければ、その大きさが分かるかと。講義が始まるまでに、永田校長先生、麓教頭先生、センターの方を交えて、今日の講義について概略であったり、ここで講義をするきっかけなど。教室の机、椅子は屋久杉を使ったものなのか、とてもniceなもの。
4年生だけに「花の不思議な世界」を講義するのは、はじめでてないかと。幅広く、学年をまたいでと言うのは、仙台市立作並小学校、今治市立関前小学校・中学校、上島町立魚島小学校・中学校ではあったのですが、そんな心配もどこへやら。花の名前から積極的だけでなく、よく知っていたのが感動。さらに、花粉管発芽、花粉管伸長のところも、考えながら、しっかりこたえてくれたのが、niceでした。また、これというのを答えても間違っているな、あるいは、説明が十分にできないと思ったら、潔く、次の友達にバトンタッチ。現在行われているラグビーW杯の流れるようなパスがつながるような。
花粉管伸長、自家不和合性の動画はここでも感動の嵐。「へーーー」という言葉の連続。自家不和合性という形質が必要な理由もしっかり答えてくれて。また、黄色いリンゴが増えてきていることを考えたり、考える「理科」をしっかりと体感して、実現できているのがとてもniceでした。講義が終わったところで、代表の方から今日の講義の感想とお礼の言葉。ここまではよくあるのですが、最後にクラス全体で「ありがとう」という感謝の歌をうたって頂きました。はじめてのことで、感動、感動でした。ありがとうございました!!
PS. 講義の2コマの間、講義が終わったあとに、多くの児童の方々が質問だったり、サインを求められたり。講義でもそうでしたが、それ以外のところでもとてもactiveで。また、東北から来たという方も。世の中、不思議なところでつながっているのだなと。また、玄関先に教訓が。「日々努力せよ 他人につくせ 計画をたてて実行せよ」という言葉が。その重みの大きさを実感して、実行しないといけないと。ありがとうございました。とても刺激的でした。
PS.のPS. センターの近くには、屋久杉の歴史などを展示した施設・屋久島町屋久杉自然館も。その歴史を知ると、それはないだろうと言うことだったり、その年輪に刻まれた歴史のすごさも。ここでも植物のすごさに感動でした。
PS.のPS.のPS. 島内の道路沿いには、たくさんのアメリカセンダングサが。秋になると、枯れた種子を投げて遊んでいたような。島内の子どもたちも同じようにやっているのは、自然の恵みを活かしているなと。さらには「オナモミ(オオオナモミ、イガオナモミかも)」を知っていると。よく遊び、よく観察していると感動でした。
10/16(水):屋久島町立宮浦小学校・特別講義「花の不思議な世界」
前日が安房小学校。翌日は、鹿児島港からのメインの港が近い宮浦小学校へ。前日の曇りから、少し雨模様。屋久島では、天気予報で「晴れ」であっても、予報の場所以外では雨が降るとか。玄関先には、この小学校の子どもたちに求める3つの言葉「智恵出せ 汗出せ 力出せ」と。朝から力を頂きました。また、welcome boardもお出迎え。ありがとうございました。講義の前に、少しだけ、鍋田教頭先生とお話の時間。ありがとうございました。
さて、講義は、3, 4年生の合同と言うことで体育館で。この日の講義でもキャラクターの「まるりん」が講義のお手伝い。渡辺の自己紹介の後、花の名前もよく観察できていました。もちろん、オナモミも。自然の中での生活が大事なことを改めて実感。
花粉発芽、花粉管伸長の動画。4年生でヘチマを使って、花のことを学ぶと思うのですが、3, 4年生への講義でしたが、そのからくりを考えながら、発表してくれたのは、とてもniceでした。リンゴ果実の生長で「摘果」をする理由もしっかり考えていました。さらに、リンゴ品種が変化していることへの危機感。時代によって変わることはあるかも知れないけど、防ぐことができるなら、赤いリンゴが残ってほしいと。
自家不和合性の動画はもちろん、感動してもらうことができ、その理由もこの学年には難しい内容でしたが、みんなでfollowして、よく考えていました。最後はリンゴ果実の縦断面、横断面の観察。普段は縦断面のはず。横断面というようないつもやらないことをやってみてほしいと。講義が終わったところで、代表の方からお礼の挨拶。とてもしっかりしていました。屋久島の自然をしっかり観察して、頑張って下さい。
最後になりましたが、2日間、屋久島環境文化財団・屋久島環境文化研修センターの讃岐様をはじめとする関係の皆さんにはたくさんのサポートを頂きました。ありがとうございました。また、こうした機会があることを楽しみにしております。
PS. 今回のコラボの講義について、南日本放送、南日本新聞から取材が。この記事を書いている時点で、web上などで、配信記事を見つけられないのですが、分かり次第、また、このHPからお知らせします。
10/22(火):仙台市立荒巻小学校、北仙台小学校児童・研究室見学「植物の不思議な世界」
秋雨と言うよりも、冬が近くなった気温の低い雨。そんな10月22日(火)「即位礼正殿の儀」で祝日に。午前中に市内の小学生2名が研究室を見学。植物が好きだと言うことで、自宅でも植物を栽培しているとか。
2年生と言うことで、何から話をすればよいのか、まずは「動く遺伝子」を色で示しているトウモロコシ。「動く」、「遺伝子」と言っても、理解が難しいのだと思いますが、種子もお渡ししたので、来春に播種すれば、また、違ったパターンで育つかと。また、昔、沖縄に行った時に手に入れた「モダマ」。大きなマメができているのには、びっくりだったようで。いずれ、研究室にある「植物」に関する本を見てもらったり。アサガオとか。お二人ともこの年代から英語を学んでいるとか。渡辺の論文の別刷を渡して、時がきたら、読んでもらえればと。。。
そのあとは、研究室というか、実験室の見学。液体窒素、ピペットマン、PCRなど、見たことがないものがほとんど。-80oCの冷凍庫にはびっくり。また、遺伝子の並びを解析するシークエンサーもちょうど動いていて、自動で動くというのが、びっくりだったでしょうか。植物の観察をする大きな顕微鏡、薄く植物を切る装置なども。最後は低温室での植物の栽培も。1回の説明では、分からないこともあったかと。また、時間を見つけて、見学に来てみて下さい。さらに、成長した姿を楽しみにしていますので。
わたなべしるす
PS. アウトリーチ活動とは関係がないのですが、大学院生だった頃、お世話になった害虫研の先輩が今はポジションを得て、大学で研究を。最近の著書を送って頂きました。世界情勢、歴史を考える上では貴重な本でした。ありがとうございました。