東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

【アウトリーチ活動】山形県立米沢興譲館高等学校・SSH特別講義、兵庫県立豊岡高等学校・サイエンスリサーチ(11/14, 17追記)

2019年11月14日 (木)

 先週の出前講義でもそうでしたが、秋と冬との季節の変わり目。仙台でも朝方、部分的な虹が見えたのですが、途中の福島駅周辺でもきれいな虹が観察。電車で移動中の方がきれいに見えたのですが。。。さらには、米沢駅でも。着実に冬が近いのだなと。そんな週末に近い木曜日。記事を書いて、木曜日を感じていることがすでに、感性が落ちているのですが。。。瞬間的に動けなかったという点では、雪国ならではの樹木を守る雪囲いというのでしょうか。そんな準備も校内では。その写真をと思ったのですが、帰る頃には日が暮れて。。。まさにタイミングの重要性を理解した瞬間で。。。

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 11/14(木):山形県立米沢興譲館高等学校・SSH異分野融合サイエンス「バイオ産業科学と社会課題」

 昨年度から出前講義を年4回お願いされていたものを今年度から2回に圧縮になった山形県立米沢興譲館高等学校での出前講義。講義の大枠が「異分野融合サイエンス」。バイオ産業というのを広く捉えれば、学校周辺の農業も。ということで、これまで通り、果実の仲間分けから。縦横に切ったり、それぞれが何かを考えたり。身の回りのもので十分サイエンスができるというのを実感して頂けたのでは。というか、秋の野菜・果物を是非、観察してみて下さい。

20191114193522-810ab24fdbf115585b503d943484459c260785f4.JPG20191114193538-49162e74d012dc082e91fdb5fdf787cd78e08244.JPG 観察の大事さを伝えると言うことは、最後のところでも書いたように、柿崎校長先生との話でも議論になったこともあり、半分の時間を消費。残りで、3つの課題を。かなり駆け足でした。その最初が植物の生殖の話。被子植物のほとんどが両性花。また、小学校からの理科の時間で自殖性、他殖性と言うことを習った記憶もないので。。。そう考えると、自分の花粉が自分の雌しべにつくのだろうと。一方で、多様性を高めるためには、他殖をすることが重要。その2つの局面をつなげて、理解してもらうことが大事だろうと。そんな理解してほしいところに力点をおいたら、自家不和合性のところなど、駆け足になり。。。サクランボ、リンゴなどを食べて、また、思い出してください。

20191114193602-c91957e0dad6afedf85a82bf7a0c10715c81ff69.JPG 歴史の話は、いくつかの事例を元に、先達が行った成功、失敗からたくさんのことを学んでほしいと。もちろん、失敗例は大事にして、同じことをしないように。また、歴史の影になっている部分に光を当てると、意外なことが見えてきますので。そんなことも。また、キャリア教育のところは、渡辺が科学好きになった理由、テレビの影響、科学が発達することでもちろん、よいこともあれば、そうでないことも。現実を受け止めると言うことでは、大学進学で仙台まで来てよかったと言うこと。もちろん、結果論ですが。。。なので、よりよい師匠のもとで学んで、師匠を超えてほしいと。。。質問の時間も十分でなかったですが、博士まで頑張りたいという生徒さんも。。。未来に光を感じた瞬間でした。頑張ってください。で、最後は、代表の方から今日の感想を。感想の内容もしっかりしていて、とてもniceでした。置賜の自然を見て、なぜと思い、考えるという習慣をつけてほしいと。また、その不思議同士をつなげて考える癖をつけることの大切さも。。

20191114193622-1c0a1f749f136c5ead92a073cbfdd32aac67512e.JPG20191114193634-6fa720f0363e8b5ade76b0a4eb3f0535a136b985.JPG 最後になりましたが、柿崎校長先生、山口先生、今崎先生をはじめとする関係の皆様にお世話なりました。今後ともよりよい形で何かのコラボができれば、幸いです。ありがとうございました。

 PS. 講義が始まる前に、柿崎校長先生と少しだけお話を。以前、山形県内のことで教えて頂いたこともあり。また、講義のことなどを少しばかり。ありがとうございました。もっとゆっくり話ができる時間を作らないといけないと改めて、実感。次こそはと。。

 PS.のPS. 講義で学校に伺った時点で、渡辺に声をかけてくれた生徒さんが。科学者の卵養成講座の受講生だと。ありがたいことです。

 PS.のPS.のPS. 担当頂いた先生方との話の中で、課題研究を夜中まで頑張っている生徒さんもいるとか。ふと、学生時代に遅い時間までやっていて、守衛さんに声をかけてもらったことを思い出したり。。。しっかりと方向を見すえて、頑張って下さい。

20191114194117-cd4d891fe09e5d5b23f600d1946f8b197b5f0ade.JPG PS.のPS.のPS.のPS. 12/15(金)となる翌日ですが、市内の小学校で「タマネギ」を材料にした「出前講義」を見学。自分が行う出前講義は終わったあとに、こうした文章を書きながら、あれこれと考えるのですが、自分の出ない講義を拝見することで、こんなこと、あんなことが工夫できるのではないかと。ありがとうございました。また、講義の合間の話で新しいコラボの機会も頂きました。人のつながりのありがたさかなと。その詳細は、また、どこかで。

20191115141958-81e5bd62188ed3492bd6c186a5717cd77a131a1a.JPG20191115142009-cf90b5381a450e0cc73351b752e07af34e3bbc07.JPG

 11/16(土)-17(日):兵庫県立豊岡高等学校・サイエンスリサーチ

 今年で5年目となる兵庫県立豊岡高等学校のSSHサイエンスリサーチ。大学での先端的な取組を通じて、観察する、注意力を持ってみる、考えるなどを学ぶというもの。渡辺が高校生の頃、自宅から大学に通うというのは無理な時代。豊岡高校も同じような環境。そんな不自由さはあるかも知れないけど、自然観察をする、その自然の変化から学ぶと言うことはとても大事なこと。小学校から高校までの12年間をそうした環境で学んで、大学でその感性をさらに高めるというのは、よいことではないのかと。そんなイントロで始まった今年のサイエンスリサーチ。4名の生徒さんは例年、男子、女子が半分ずつなのですが、今年は男子が4名と引率の清水先生。

20191117114355-58696ec7d6a8526e45f7f2a50a29afc658b46579.JPG20191117114413-9efa0555db3d3d7525830292b8959c3f8894fead.JPG20191117114426-acde74bda3e3b640d8e4f10ea9398bd2a94a9e18.JPG 時間を効率よく使うと言うことで、最初にガラス室にある菜の花を使っての自家・他家受粉を。結果の解析は翌日の午前中に。そのあとは、東北大の歴史、先端的なことを片平キャンパスを歩いて見学。科学の研究で言えば、先行研究という言い方が一般的になってきましたが、いわゆる、研究の歴史。それを知ることで、意外なことを理解できたり。。。と言うことで、1.5hrくらいかかったでしょうか。ちょうど、日が暮れるくらいまで、自然観察も兼ねての見学。不思議なところで、繋がっていたり、思わないものがそうであったりなど。あったのではないでしょうか。もちろん、自然の中にあるものを活かしての課題研究もありだと思いますので。チャレンジしてみてください。

20191117114454-505a6b4672828148a6b49af515427bf3782fb4be.JPG20191117114504-819696f7e49d6815f8da759d2df6bbff1b93afc0.JPG20191117114514-8b85661ee8c788760c99016de29028fe0df5322a.JPG この1週間くらいは日が暮れるとすっかり寒くなって。1日目の最後は「バナナからDNAを」と言う実験。7月の清真学園高等学校でも、恒例となっているmanualの行間を理解しながらの実験。悩ましいところもあったと思いますが、今回のテーマの考えて行動をすると言うことに繋がったのではないでしょうか。もちろん、ここのサポートは、TAの古井さんと矢野君。今年は、果実だけでなくて、皮からもと言う2つにチャレンジ。その差の違いも理解してもらえたのではないでしょうか。実験のあとは、研究室内の見学を。高校では見ることができないような実験器具もあったのではないかと思います。質問する時間が取れなかったのは、続きの日曜日にと言うことで。

20191117114807-1664202602bd018eee0d98b18f43b4c7ad0cad65.JPG20191117114828-02d06cf1d53b7ef578f375d0091abd8532c029cc.JPG20191117114845-3e6ae7019e6b88f6ac26a96f55edbc51933a602f.JPG 2日目は、花粉管の観察、渡辺研究室での研究の概説と質疑の時間を。大学、大学院で何が行われているのか。将来の進学を考える時期に、それぞれの生徒さんの進路のことを聞きながら、大学で何を学ぶのか、その先の社会人を見すえて、大学、学部、学科を選んでほしいと言うこと。また、あわせて、渡辺の研究室で何が行われているのか、という概略的なお話しを。後半は、前日に交配実験を行っためしべのアニリンブルー染色。染色時間の合間には、昨日の実験等の質問コーナーもTAの方が設定してくれて。例年は実験時間をより多く取ることに重きをおいた面があったのを、できるだけ、高校生との対話の時間を多く取り、そのことを、豊岡高校に戻って、他のグループに広めてほしいと。

20191117115032-2af29d399285ff2ddf5037dd0a0edc635cb491da.JPG20191117115040-93bef7bd14015e929f2ab5f29af29703ef796669.JPG20191117115050-240514c4dc388fca8eabd114f36a087bc2267f7c.JPG 最後になりましたが、今回の企画を頂きました、豊岡高等学校・足立先生、清水先生をはじめとする関係の先生方、この場を借りてお礼申し上げます。ありがとうございました。また、こうした機会を頂戴できればと思います。また、今回のTAをしてくれたM1の古井さん、矢野君、ありがとうございました。


 わたなべしるす










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