東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

篤農家、品種、多様性(7/29)

2020年7月29日 (水)

 新型コロナウイルスが拡がって、HPに何かを書くことも抑制気味。教育研究で「コロナ禍」以前のことがどれだけ重要だったのかを、再認識できたわけでもありますが。。。そんな7月最終週。と言うことは、来週から8月。梅雨明けは少なくとも、来週になりそう。日中の最高気温が20oCちょっと。凌ぎやすいといえば、その通りで。。。そんな水曜日、ほっとするような頂き物。頂く前に写真、。。。申し訳ありません。そんなことも忘れてしまって。こんな写真で。

20200729160227-9398b19b80fe2b02404485ab3cc6336bbf5771b0.JPG 水曜日は研究室のゼミの時間。それが終わったあとに、頂きました。よく見かけるような品種ではないので、調べてみると。。。藤稔。イネの育種を知っているものには、カタカナ表記の「フジミノリ」の方がmajor。まずはmajorな方から。農林17号 x 藤坂5号。青森県農業試験場の指定試験地であった藤坂支場で育成されたもの。稲熱病抵抗性耐冷性の品種。その子孫にはレイメイも。一方、「藤稔」はブドウ品種。井川682号 x ピオーネ。ピオーネはよく見かける品種。井川682号は、昔でいう「篤農家」と言えばよいのでしょうか。育種したことを考えると、系統として、682系統は少なくとも品種評価をしたということだろうと。。。赤系統のが「竜宝」。ゴールデンマスカット4X x クロシオ。系統名では、井川668号。「藤稔」を産み出した方が682号よりも少し前に育成した系統。

 最後は黄玉。ピオーネ x 紅富士の実生からの品種。この品種も、公的機関で育成されたものではないもの。普段、Brassicaを使っての遺伝学をやっていて、それでも大変なのに、実生の場合、結実するまでの時間、幼若期と成木での果実形質が違うことが多いとか。これは学部生の時の果樹園芸学を教えてもらった当時の「尾形助教授」の受け売りでお許しを。。。ブドウ品種がどれくらいあるのか、不明ですが、果色、糖度等の形質が複雑に組み合わさってできているわけで。。。経験と勘の世界から遺伝子、ゲノムベースでの育種はいつ頃。。。そんなことを考えた水曜の午後でした。ありがとうございましたというか、ごちそうさまでした。

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 わたなべしるす

 PS. 記事を書きながら、脇では免疫系の話。学部4年の時に抗体作成をしたことがあるので、少しはイメージがあるにせよ、やっぱり難しい。。。その一言でした。。。


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