東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

中間報告(農:土肥裕花)

2016年11月 8日 (火)

おはようございます。種を頂いてから一ヶ月と少し、もう中間なのかと時間の流れの速さに驚いています。

中間発表の前に、少しだけホウレンソウの様子について。

先日、風の強い日に鉢を外に出していたところ、冒頭の写真で分かるように、2つの苗の本葉の茎が1つずつ、折れてしまいました・・・。また、伸びた子葉が鉢に当たってしまったと思われる傷なども見受けられたので、その葉はカットしました。ベランダの日が当たる場所は風がまともに吹き付けるし、かといって風が当たらない場所は日も当たらないので、加減が難しいです・・・。そして先ほど、1回目の追肥を行いました。肥料を3粒ずつ、苗から数センチ離して三カ所にまきました。写真にもうっすら写っているかと思います。また、日曜日に水やりをしたのですが、まだ土が十分に湿っているので、中間発表でも後述するように「いい土だなぁ」と感じています。

ホウレンソウには少しストレスをかけてしまいましたが、他の葉は元気に育っていること、前回の投稿で写真を載せた苗の三枚目の本葉の大きさが1.5センチほど(前回は1センチありませんでした)に成長していることから、大きな心配はないのではと考えています。

ではでは、前置きが長くなりましたが、中間発表をさせて頂きます。

(1) 私が一番驚いたのは、ホウレンソウの種をシャーレで発芽させたときに、根がすべて同じ向きに出てきたことです。同じ向き、というのは写真に写っているように根が下に伸びていく向きのことです。

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私は高校では生物は生物基礎しか履修していなかったため、植物のからだの仕組みなどについては大学で1セメスターに少し勉強しただけであり、重要語句と本当に基礎的な仕組みがなんとか頭に入っているというレベルです。そのため、植物の根の屈性については、「屈性という性質がある」という事実を知っているだけで、たくさんある覚えるべき事項の1つに過ぎませんでした。しかし、実際にホウレンソウの種たちが、どんな向きに置かれた種であっても同じように発芽している様子を見て、屈性は植物が生き残るために身につけた工夫であることを実感しました。この写真は「ホウレンソウ2 子葉が出ました」の記事の中で投稿したものですが、たしかに横になっていたはずの種が、発芽したときには向きを変えているのを見つけたときは、植物の生き残り戦略の一端に触れた気がして、わくわくしました。ラボスタッフ・オガタさんから頂いたコメントによると、この屈性は私が授業で習った光によるものではなく、重力によるものであるようです。教科書に書いてある以上のことが学べたのは、この授業が受け身なものではなく、自分で野菜を育てるという経験をすることができるからだと思います。今後野菜たちが成長するにつれて、また私が今まで知らなかったことを教えてくれるのが楽しみです。

(2) いいと思った記事の一つ目は農学部沼澤さんが1026日に投稿した「ハツカダイコン第2弾とカイワレの成長」です。沼澤さんは、新しくダイコンを栽培する際に、植木鉢を買うのではなく、ペットボトルの底を切って鉢植えの代わりにしていました。身の回りのものを、栽培に利用できないかという目で見る姿勢を、私も真似したいと感じました。二つ目は、農学部平岩さんが1028日に投稿した「どんどん伸びるコマツナ」です。この記事の中で報告されていた、根の形態観察がいいなと思いました。植物の観察をするとき、目に見える葉などに注目してしまいがちですが、根のことも忘れていなかったこと、主根と側根がちゃんとあることに気づいていたことがすごいです。三つ目は、経済学部高橋さんが1024日に投稿した「カイワレ大根、その後」です。カイワレダイコンを育てる苗床を3種類に変えて比較観察をしているのが面白いなと感じました。豆苗は土台なしで育てたものが売られているようなので、苗床でそれほど大きな差は出ないのではないかと考えていましたが、ここまで成長に違いが出たことに驚きました。私はまだブロッコリースプラウトにとりかかれていないので、私も是非このような比較観察をやってみたいです。

(3) 参考になったコメントは1012日に農学部開田さんが投稿した「のびるのびる、打倒徒長!」という記事にラボスタッフ・オガタさんが書いていたものです。このコメントでは、植物を室内灯で育てることが難しい理由や、水やりのタイミングの目安について書かれていて、野菜栽培初心者の私にとってはとても参考になりました。また、同じコメント内で述べられていた、この講義で頂いた土の質のよさも、最近実感しています。100均で買ってきた土と比べると明らかに水をかけてから吸収するまでの時間が短く、数日経っても表面で直接空気と触れていない部分の土は湿り気を保っています。

(4) この一ヶ月は、頂いた植物たちをまずは枯らさずに育てることで精一杯でしたが、今後は、前提として植物たちを無事に育て上げると同時に、投稿する記事にももっと気を遣っていきたいと思います。他の方の記事を見ていると、目次をつけていたり、内容ごとに線で区切っていたり、字の色を変えていたりと、様式にも工夫をされているものがたくさんあります。私も、このような読みやすさも考えた記事の投稿をしたいです。また、この講義の長期目標が「おいしい野菜をたべること」なのは講義の最初から変わっていませんが、野菜においしくなってもらうためには、なるべくストレスをかけない環境を作ってあげることが必要だと思います。講義の目標を達成するためにも、水管理や光・温度・肥料などさまざまなことに注意を払っていきたいです。そして、各野菜の今後一ヶ月の短期目標はそれぞれ、ホウレンソウ「花が咲くことに注意した光管理・甘くするために寒さにあてるときの温度の加減」、ブロッコリースプラウト「まずは栽培を開始し、余裕があれば土台を変えて比較観察を行う」、コムギ「無事に成長させる・北陸地方と仙台の気候の違いを念頭に置き、後輩たちの参考になれるような観察を行う」ということにしたいと思います。講義の開始から一ヶ月が経って思うのは、講義終了までの一ヶ月強も、前半と同じくあっという間に過ぎていくのだろうなということです。後半も植物たちの成長を楽しみつつ、変化を見逃さずに観察を続けていきたいと思います。

コメント

農学部・土肥さん

 遺伝の渡辺でございます。中間報告、1番のり、niceです。中間報告前のホウレンソウ。真横の写真がないのですが、少し徒長気味のような気がします。少し茎の周りに土を寄せて、子葉から5mmくらいが地面から出るように、埋めてみて下さい。ずいぶん、しっかりしてくると思います。あと、少し施肥をしてみてはどうでしょうか。色が少し薄いように思いますので。風除けが何かでできるとよいですね。

 屈地性(重力屈性)の観察。教科書で学ぶことよりも、現物を見ることがどれだけ大事か。実感できたのは、よいことだと思います。まさに、百聞に一見にしかず。普通の植物を育ててももちろん、こうしたことが起きますが、野菜であることから、最後に食べることができ、日々の活動のモチベーションも高めることができたのではないでしょうか。重力を感じる機会がないので、こんなことで、重力があることも実感してみて下さい。もちろん、高いところから、ものを落としたら、割れる。これも重力ですが。。。

 たくさんの記事の投稿もされていますが、他の受講生の方が書いた記事、さらには、コメントもきちんと見て、それを自分のことに置き換えて考えていること。大事ですね。これから、実験等も増えると思います。その時、自分はこうなるけど、同じようになったり、ならなかったり。そんなこともたくさんあると思います。その時に、なぜ、そうなるのかを、考えるきっかけをこの講義でつかんでいるのではないかと思います。ひとのを参考にする。大事なポイントで。まずは、よいものをまねしてみると言うことから、物事は発展します。なので、これはというのがあったら、率先して、他の受講生の取組を同じようにやってみて下さい。

 最後にあった、植物の変化を見逃さない観察力。とても重要だと思います。是非、それにチャレンジして、ここが前の発表から変わったというようなことを、記事にしてもらえると、他の受講生の方も植物へのものの見方が変わると思います。それから、野菜にストレスをかけないとありますが、たとえば、冬の寒さでキャベツが甘くなると言うのがありますが、葉っぱが凍結を防ぐために、糖分をためるからだと言われています。なので、一概に、ストレスを与えないのがよいわけではないです。ここで言えば、大きなストレスは、水管理だと思います。寒くなり、基本、土は乾燥気味なのが、普通の状態。野菜が育つ環境を想像してみて下さい。そう考えると、水管理は、これからも大事になると思います。あとは、目標に向かって、おいしい野菜を食べて、また、先輩として、後輩にしっかりとしたことを見せることができるように、がんばって下さい。これからの報告も、楽しみにしております。


 わたなべしるす