【出前講義】仙台市立東四郎丸小学校・仙台市理科特別授業「環境と植物から考える」(2/4)
2016年2月 4日 (木)
一昨日が、仙台市立木町通小学校で「環境」の講義。少しずつ寒さも緩んで、日陰にはかなりの雪がまだありますが、ずいぶん解けてきました。そんな木曜日の午前は、仙台市教育センター「仙台市理科特別授業」の第4弾として、仙台市立東四郎丸小学校へ。この小学校へは、以前、市教委との連携による出前講義で2007年に1度お邪魔して以来ですので、ほぼ、10年近くたって、2回目。伺った道路脇を見ながら、こんな所だったなと。そんなことを思い出しながら。そんな中、玄関で出迎えて頂いたのは、七北田小学校でお世話になった坂元先生が教頭先生になられて。人のつながりのありがたいことを早速実感。
講義は、環境で理科的な発想の自然破壊とか、そういう狭い環境のとらえ方でなくて、身の回りに始まり、小さいところでは、細胞の中の遺伝子の環境まで考えるという話に。環境権という言葉もあるくらいで、法律用語だったりするわけで、そう考えると、実に幅広い問題を扱うのが、環境。そんなことを考えてほしいと。という簡単な導入を。というのも、渡辺のパソコンと液晶プロジェクターがうまくあわず、接続したら、マウスが動かない。。。という「不和合性」に。というか、パソコンと液晶プロジェクターの環境がうまく合わないというように説明しながら。無事、写ったところで、渡辺の自己紹介。それに続いて、地球シミュレータによる予測では、このあと、気温が上昇すると。そうしたら、リンゴ、ミカン、パイナップルという寒さに対しての強さがちがう作物の栽培がどうなるか。リンゴ、ミカンの栽培適地がどこなのか、この小学校の地区の周りが、水田とは丈が多いことも関係しているのだなと。。。
ということで、イネの一生を考えたときに、どこがストレスに弱いのか。ちょうど、たねができるところ。1993年の冷害の時には、まだ、生まれてないときですが、是非、おうちで、学校でその時のことを聞いてみてほしいなと。最近は、暑いと言うことばかり、注目されていますが、寒くなることもある訳なので。。。また、細胞の中にある遺伝子の環境。というか、遺伝情報がたくさんある方がよいのか、ヒトはたくさんあるのか、ヒトよりもたくさんあるものはないのか。それはなぜなのかなど、たくさん考えてもらいました。また、昔は、1つの生命体が持つ、遺伝子全部、ゲノムと言いますが、それを決めるのに、何百億円もかかったわけですが、今は、数十万の世界。もう少しで数万の世界に。そんな環境関わると、どんなことが起きるのか、それを正しく扱わないと、困ったことが生じると言うことも。そんな環境を生きるみんなに、是非、考えてほしいと。。。それぞれのクラスを代表して、2人の方に立ってもらって議論したことを。
後半は少し駆け足になりましたが、植物の話に戻って、今の品種改良の話を。仙台市に近いたねやさんは、渡辺採種場。小牛田にあります。といったら、2組の担任の先生が小牛田の出身だと。。。びっくりでした。今の品種改良は、雑種強勢を活かすようなF1育種を行うと。ただ、その仕掛けは、わかってなくて。。。最後の〆は、いつものようにとんかつ定食から、イネ科、アブラナ科の植物がなくなったら。。。。最後の結論を聞いてここでもみんな唖然と言うか、。。。そうならないように、植物を大切にして下さい。何よりも、毎日の生活に欠かせない酸素を提供してくれているのは、植物ですから。
ということで、2コマの講義もあっという間。終わったところでたくさんの質問をもらいました。最初は、遠慮をしていたようでしたが、質問をすることは、もう一度考えてみることですから。大事です。最後は、世界に向けて情報発信。この時期、学位審査などがあり、大学はばたばたなのですが、今日は何とか。。。講義をした6年生と給食を。また、高校生になって、どこかで会えることを楽しみにしています。
講義で伺った最初、給食のあとには、小澤校長先生、坂元教頭先生、理科の菊池先生を交えて、昨今の教育問題を。学校の表彰か何かだと思いますが、最近、今の文部科学大臣にお目にかかったことがあると。確か、オリンピック選手であったり、プロ選手として活躍されていただけに、何ともいえない風格があったと。。。そんな文部科学大臣の風格を持って、昨今の教育事情について、コメントしてほしいなと。。。渡辺が子供の頃には、今の時期には、稲刈りあとの田んぼで遊んだり、広場で遊ぶのは当たり前。子どもの声がするのが普通でしたが、というか、声がすることが地域が活性化されているという印だったのに。それは、文部科学大臣もあまり変わらない世代なので、地域性は多少異なるかもしれないですが、同じなのではないかと。。。ところが、今では、それに対して、色々なコメントをされる方が。。。自分が子供の頃は、元気に遊んで、周りから何も言われなかったはずなのに。大人になったら、だめというのは。。。。もちろん、「環境」が変化したというのはありますが、同じ日本人。将来の日本を託す若い人材を育成することが大事なわけで。。。そう考えれば、渡辺のような一科学者というか、研究者でなくて、もっと高い位置にいて、風格のある「文部科学大臣」から、子どもを育成するために、よりよい環境を提供できるようにと、提言してほしいなと。そんな時、10年近く前になるでしょうか、当時の文部科学大臣がコメントしたものを掲示しておいたのを思い出しました。是非、お願いしたいなと。。。日本の将来ですから。
最後になりましたが、仙台市立東四郎丸小学校・小澤校長先生、坂元教頭先生、理科主任の菊地先生、理科専科の先生、6年生担任の先生をはじめとする関係の先生方にこの場を借りて、お礼申し上げます。ありがとうございました。とても懐かしく、また、今年度4コマお願いされた、仙台市教育センター「仙台市理科特別授業」を無事、終わらせることができました。今後ともよろしくお願いいたします。ありがとうございました。
わたなべしるす
PS. 講義が終わったあとに、5, 6年生の理科専科の先生から声をかけていただき、いくつかの学会にも所属されて活動されているとか。渡辺も子供の頃からそうでしたが、理科専科の先生がいらっしゃるのは、子供たちにはよい刺激になるのではと。。。ありがとうございました。
PS.のPS. 講義の途中で、寒いのもあって、1度休憩に。戻ってきて、講義を始めるとき、しっかり集中力を取り戻して、先生の言葉に対応して、静かに講義を聞く姿勢ができたのは、とてもすばらしいことです。これからもというか、中学校、高校、大学、その先の社会人になっても守って下さいね。大事なことですから。
PS.のPS.のPS. 上にも書いたとおり、今年度初めての試みであった、仙台市教育センター「仙台市理科特別授業」。4つの小学校でいずれもちがうリクエストでしたが、何とか、無事に終わることができました。次年度も継続して、さらに発展できればと思いますので、担当の豊川先生を始めとする関係の先生方、よろしくお願いいたします。ありがとうございました。